音楽ナタリー PowerPush - lyrical school
4本立てインタビューで迫る6人の“PRIDE”
ayaka単独インタビュー「大部のアイドル道」
大部家のアイドル英才教育
──先日の生誕祭イベント(参照:リリスクayaka生誕祭、ドルヲタトークで騒然)で、好きなアイドルの話を周囲が引くぐらいのテンションで話してましたよね。今回は改めてそのあたりをお聞きしたいなと。話のガイドラインになるよう、ayakaさん選曲のベストテープを作ってきていただきましたが……。
これすっごい悩んだんですよ! 生誕祭も開演前の音楽は自分で選んだんですけど、あのときは2時間分ぐらいだったので、幅広いところからまんべんなく選曲できたんです。でも今回はカセットテープということで、片面5~6曲ぐらいだから、絞るのにすごく苦労して……。
──テープの内容に触れる前に、まずはアイドルファンとしての歴史について教えてください。そもそものきっかけは、大のアイドルファンである両親の影響だとか。
はい。2人ともアイドルが好きなんですけど、お母さんは特に本気で。卒業アルバムを見たら全部聖子ちゃんカットでした。お母さんは「中森明菜カットだ」って言い張るんですけど(笑)。
──昔アイドルが好きだった、という人は多いと思うんですけど、ご両親は現在進行形なんですよね?
そうなんです。Negiccoさんは今はレーベルメイトですけど、その前からお父さんに教えてもらっていて。だから私たちがT-Palette Recordsに入るって決まったときはすごく喜んでました(笑)。
──お父さんはなんで今のアイドルにまで詳しいんですか?
私も知りたいんですよね。どうやってそんなに細かく調べてるんだろう?みたいな。テレビはすっごい観てますね。いくら次の日仕事で朝早くても、アイドルとグラビアアイドルが出る番組はすべてチェックしてますね。
──そんな両親だったら、娘が生まれてアイドルになるなんて夢が叶ったようなものですよね。
いや、でも芸能界にはずっと反対だったんですよ。バレエはお母さんがやらせたかったらしくて、バレエとジャズダンスは3歳から小学校高学年まで週6で通ってました。小学生の頃は私、モーニング娘。さんが大好きで。それはたぶん親の影響ですね。親と一緒に観ててハマるっていう。一緒にコンサートに行ったりとか。
──それは入口として大きいですよね。小学生でコンサートが観たいと言っても、なかなか親に許してもらえない人もいるでしょうし。
そうなんですよ。観たくても1人でチケット買えるわけじゃないし。
──そこから昭和のアイドルにも興味を持ったのはどうして?
それもテレビですね。「昭和と平成のアイドル特集」みたいな番組を観てると、昭和のアイドルを観てカワイイ!と思うことが多くて。それでお母さんに「この人誰?」「この人は?」って聞くと、こっちが聞いてもいない細かい情報まで教えてくれるんです(笑)。そこからハマり出して……お母さんの実家にレコードがいっぱいあったんですよ。今は自分でもレコード集めをしています。
──モーニング娘。だと同級生との話題にも上がるでしょうけど、昭和のアイドルの話は周りの友達とはできないですよね。
学校にはあんまりアイドルの話ができる友達がいなかったんですよ。私、振り付けの夏まゆみ先生が大好きで。
──小学生の女の子がスタッフの話ではあまり盛り上がらないですよね(笑)。
そうそうそう(笑)。「えっ? 怖いじゃん」って言われたり。夏先生はテレビで観ていてもすっごい厳しいんですけど、私、厳しい人が好きなんです。ずっと夏先生に叱られたいと思っていて。ずっとお会いしたかったんですけど、オーディションの受け方もわからないし、親は芸能活動を許してくれないし。月日が経って、17歳のときにAKB48さんのオーディションを親に黙って受けに行きました。最終オーディションの1つ目が夏先生の審査で、それに受かったら秋元康先生の審査だったんですけど、夏先生の前で踊れることが本当にうれしくて! 1時間で振り付けを覚えて披露する審査だったんですけど、ちゃっかり歌まで覚えて。そしたら夏先生に褒めてもらえたんです。そのあとどうしても好きって伝えたくて、トイレに行くのに付いていって。
──えっ?
「ずっと憧れてたんです!」って伝えたら「ありがとう!」って言ってくださって。ちょっと叱ってもらうことはできなかったんですけど(笑)。そのあと結局秋元先生の審査で落ちてしまって。夏先生に会えたことがうれしかったから親に伝えたら「なんで受けたんだ」って怒られました。お父さんは夏先生が好きだから「おめでとう」って喜んでくれましたけど、お母さんは「秋元先生に認められない以上ダメでしょ」って、やっぱり芸能活動自体に反対されちゃいました。それでもあきらめきれなくて、休みの日は1人で原宿に行ってました。
──スカウトをされるために。成果はあったんですか?
はい。それで事務所に誘われて、親は「10代の間だけがんばらせて!」って説得してなんとか許してもらって……今24歳です(笑)。
アイドルだけどアイドルファン
──念願叶ってのアイドル活動が実現したわけですが、lyrical schoolは昭和のアイドルやモーニング娘。とは違う“ヒップホップアイドル”ですよね。衣装もフリフリなものではなく、スタイリッシュなものが多くて。
tengal6のオーディションでは「ヒップホップアイドルを作る」と伝えられていて、私は勝手に℃-uteさんみたいな、めっちゃ踊りながら歌うグループを想像していたんです。あとでラップをやるんだって知ったんですけど、日本語ラップは聴いたことがなくて、どうしようどうしようってドキドキしてました。
──思っていたのと違う!と辞退しようとは思わなかったんですか?
いや、受けたからにはがんばりたいと思ってました。名前順で1番だったから背番号の1をもらって、いい番号だなと思ったのもあって(笑)。
──それが2番や3番だったら、lyrical schoolのayakaはいなかったかもしれない。
かもしれないですね(笑)。負けず嫌いだから結果はどうあれ最後までがんばりたいと思ったんです。
──結果tengal6の一員となって、現在はlyrical schoolのリーダーとして活動されているわけですが、アイドルファンである自分がアイドルの現場にいることに対して、いまだに距離感がつかめないってよくおっしゃってますよね。
本当にそれが悩みで。どうしたらいいんでしょう? リーダーだから率先してご挨拶に行くんですけど……いつもものすごく緊張しますね。この間Dorothy Little Happyさんのラジオ番組に呼んでいただいたとき、生配信もやってたんですけど、大好きなドロシーちゃんと一緒だからテンション上がっちゃって。ハッシュタグ「#ayaka_kimoi」がガンガン流れてきて。あとでスタッフさんに怒られるかなと思ったら「あんなに幸せなayakaの顔見たことなかったからうれしいよ」って言われました(笑)。ドロシーちゃんたち本人には緊張して言えないので、スタッフさんに「めっちゃ好きなんです!」って話したらCD3枚もらいました(笑)。
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- ニューシングル「PRIDE」 / 2014年10月28日発売 / T-Palette Records
- 通常盤 [CD] / 1080円 / TPRC-0109
- 通常盤 [CD] / 1080円 / TPRC-0109
- ayaka盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0110
- minan盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0111
- hina盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0112
- yumi盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0113
- mei盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0114
- ami盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0115
通常盤収録曲
- PRIDE
- 抜け駆け
- PRIDE(inst)
- 抜け駆け(inst)
メンバー盤収録曲(共通)
- PRIDE
- 抜け駆け
- PRIDE(inst)
- 抜け駆け(inst)
ayaka盤
- tengal6 take3
minan盤
- Akikaze take2
hina盤
- photograph take2
yumi盤
- まちがう take2
mei盤
- プチャヘンザ! take2
ami盤
- しってる/しらない take2
lyrical school(リリカルスクール)
「清純派ヒップホップアイドルユニット」というコンセプトのもとオーディションで選ばれた、ami、ayaka、erika、mariko、mei、yumiという6人のメンバーにより2010年に結成。「tengal6」というユニット名で活動し、ハイクオリティな楽曲と「アイドルラップ」という特異なスタンスで大きな支持を集めた。2012年にタワーレコードのアイドルレーベル・T-Palette Recordsに移籍し、それを機にユニット名を「lyrical school」に改名した。2013年にはmarikoとerikaの卒業を受け、hinaとminanが加入して新体制に。同年9月には1stフルアルバム「date course」を発表した。2014年10月には通算7枚目のシングル「PRIDE」をリリース。