ナタリー PowerPush - LUVandSOUL
新メンバー5人で紡ぐ美しいコーラスワーク
1997年に結成され、圧倒的な実力を持ったコーラスワークで多くのファンを魅了した男性R&Bボーカルグループ、LUVandSOUL。2001年に「はじめてのチュウ」をカバーしたシングルがヒットし、日本のR&Bボーカルグループの先駆者としてシーンに多大な影響を与えたが、デビュー8年目の2004年に突如活動休止。以後、沈黙状態が続いていた。
そんなLUVandSOULが、今年4月に新メンバーオーディションを開催。オリジナルメンバーのKENTAを中心とした5人組として、新たなスタートを切ることになった。大きすぎるグループ名を背負っての船出に、プレッシャーがないと言えば嘘になるだろう。だが、この5人だけの新たな伝説を作るために、彼らは前だけを見て突っ走る。デビューミニアルバム「SOULandLUV」の制作秘話も含めて、その並々ならぬ意気込みを感じてほしい。
取材・文 / 川倉由起子 インタビュー撮影 / 中西求
再始動したのは、LUVandSOULを一番愛していたから
──オリジナルメンバーのKENTAさん、まずは新たにLUVandSOULが誕生した経緯から教えてもらえますか?
KENTA オリジナルのLUVandSOULは2004年に活動休止して、その後、僕は3人組のボーカルグループで再デビューしたり、ソロ活動をしたりしてたんです。そんなときに、以前のプロデューサーからLUVandSOULをまたやってみないか?というお話をいただいて。
──そのときは、すぐに決断できましたか?
KENTA 僕もいろいろな環境で活動してきましたが、やっぱりLUVandSOULを一番愛してるので。ほかの誰かが再始動させるぐらいなら僕がやりますっていう感じでしたね。オリジナルメンバーに相談したときも「KENTAくんがやるなら応援する」と快く言ってくれたので、それにも背中を押されました。でもひとりで始めるのはちょっと不安だったので、元々知り合いだったKIKURIに「ぜひ手伝って」って声をかけて。
KIKURI 僕は以前、EXILEのATSUSHIくんが参加していたCOLORという4人組コーラスグループに所属してたんです。脱退後は5年間ソロ活動をしてたんですが、そのときにKENTAくんに声を掛けてもらいました。
──ソロ活動に未練はなかったんですか?
KIKURI 脱退するときは「COLORという名前もあるし、単純にファンの1/4はついてきてくれるだろう」なんて甘い気持ちで飛び出したんですが、現実はそううまくいかず(笑)。そこから必死にもがいて、自分なりにがんばってきて……。そういう活動をKENTAくんが見てくれてて、誘ってくれたのは本当にありがたかったですね。オリジナルのLUVandSOULは、僕も10代の頃よくライブに行ってた憧れのグループだったので、人生何があるかわからないなあと。
最終オーディションでKENTAの加入が発表
──DAISUKEさん、SATORUさん、ATSUさんの3人はオーディションを経て加入したんですよね。
ATSU はい。僕は以前、男女2人組のデュオグループで活動していたんですが、元々、LUVandSOULが大好きで、オーディションの開催は自然と耳に入ってきて、受けてみることにしました。
DAISUKE 僕は23歳のときから音楽の専門学校に通ってて。卒業後は友達とバンドをやっていて、その活動中にオーディションを知りました。バンドも継続中だったけど、これは二度とないチャンスだと思って参加したんです。バンドメンバーとはちゃんと話し合った上で、お互いにとって一番いい形をとろうということで、LUVandSOULに加入することを決めました。
──23歳というと少し遅めのスタートな気もしますが、そこで思い切ったのはなぜですか?
DAISUKE 元々すごくカラオケが好きだったし、小さい頃から歌が好きな祖母と一緒に音楽に慣れ親しんでいて。でも、本格的にこの世界に入りたいと思ったのは遅かったんですよね。実は僕、23歳になる前に病気をしまして。今はもう快復してるんですけどね。そこで、「一度の人生だからやれるところまでやってみよう」と思うようになりました。歌を歌えるのは決して当たり前のことじゃないって気付かされたんです。
──SATORUさんは?
SATORU 僕も23歳のときに、東京の音楽専門学校に入るため上京して。DAISUKEとは別の学校なんですが、2年間、ボーカル科に通って練習しました。卒業後はデビューを目指していろいろ活動をしてたんですが、そのときにオーディションの話を聞いて。地元にいた頃からLUVandSOULが好きで、学生時代に初めてカバーしたアーティストもLUVandSOUL。だからぜひオーディションを受けたいと思いましたね。
──皆さん、合格が決まったときは?
SATORU 固まりました(笑)。KENTAくんに憧れていたのはもちろん、僕はCOLORもよく聴いていたので、KIKURIくんとも同じグループになれたことが信じられなくて。非日常的というか、今でもたまに「これは現実かな?」って思うときがあります(笑)。
──ところで、オーディションを受けたときは最初からKENTAさんがグループに加入することを知っていましたか?
ATSU いや、最終オーディションでそれが発表されたんですよ。
SATORU しかも実際にKENTAくんが登場して、審査の合間に1曲歌ってくれて。プロの歌を目の当たりにして、緊張感がいっそう増しましたね。
KENTA でも、一番緊張してたの俺だから(笑)。広い控え室でひとりポツンと待ってて。今だからぶっちゃけるけど、超ビビってた!
全員 (爆笑)
ATSU オーディション全体の緊張感も半端じゃなかったですもんね。
DAISUKE 一般の方もたくさん観客として入った、公開オーディションだったんです。
SATORU 最前列にはプロデューサーやほかの審査員の方がズラリと並んでいて。その光景を今思い出すだけでも緊張がよみがえりますね。
DAISUKE でも、その時点から見てくださってるファンの方がライブで声を掛けてくれるんですよ。「オーディションから見てるよ」とか。
ATSU 「どんどん良くなっていくね」とか。僕らの成長をスタートから見守っていただいてるのがうれしいです。
CD収録曲
- この星のどこかで
- はじめてのチュウ
- Can't Stop Luvin' U
- BLUES ~時間を巻き戻すメロディー~
- 「そばにいるから」
- New year's eve
- この星のどこかで (Silent Mix)
- 「そばにいるから」 (Silent Mix)
LUVandSOUL(らぶあんどそうる)
オリジナルは1997年に結成された男性ボーカルグループ。1998年にシングル「星空を見上げて」でデビューし、テレビドラマ「編集王」挿入歌の「Love is so beautiful」、カバーシングル「はじめてのチュウ」などがスマッシュヒットとなるも、2004年に活動休止。2011年4月、オリジナルメンバーのKENTAと、オーディションで選ばれたDAISUKE、ATSU、SATORU、そして元COLORのメンバーであるKIKURIが集まり、再始動することが決定。同年10月、トイズファクトリーより1stミニアルバム「SOULandLUV」をリリースする。