「LUNATIC FEST. 2018」特集|J(LUNA SEA)×小島和也(back number) 最狂ロックフェスに向けて

「行ける」と「何も満たされてない」の狭間で

──back numberは誰もが知っているヒット曲を数多く持ち、なおかつロックバンドとしての強さもある。

J(LUNA SEA / B)

J だからこそ、たくさんの人に支持されているんだと思うよ。だって、想像を超えるようなバンドじゃないと面白くないでしょ。ライブを観て感想が「CDと同じ」だとつまらない。そうじゃないからみんなライブに来るわけだし、そこに真実があると思う。そう言えば、ドームツアーをやるんだよね?

小島 はい。

J ついに来たね。

小島 全然想像できてないんですけどね(笑)。僕が初めて観たLUNA SEAのライブは、復活の東京ドーム公演(2007年12月開催)だったんですけど、会場にすごい一体感があったんですよ。ステージと客席の距離は遠いけど、客席からは全然遠く感じなくて、スタンド席でもアリーナくらいの感覚だったと言うか。バンドはもちろんですけど、お客さんもすごいですよね。

J そうだね。ファンのみんなが作り上げてくれる世界は、ほかにはない、特別なものだと誇りに思うよ。

小島 それを自分たちもやらなくちゃいけないんだけど、楽しみでもあり、不安な部分もありますね。ステージから見たドームの広さはまだ全然わかってないので。

J 俺たちが初めて東京ドームでやったのは、1995年かな? 25、6歳くらいのときだったんだけど。まあ、ドームを目標にしていたわけでもなくて、加速できるだけ加速して、どこに向かうかわからない彗星のような状態と言うか。そのスピード感、そのときに見た景色はバンドを強くしてくれたと思うし、それは自分たちの皮膚の中に残ってる。その感覚をぜひback numberのみんなにも感じてほしい。それは絶対にバンドの武器になると思うから。

小島和也(back number / B)

小島 がんばります。「ドームが目標ではなかった」ということですけど、当時の心境はどんな感じだったんですか? 「俺らは行けるはずだ」だったのか、「もっともっとやらなくちゃいけないことがある」だったのか……。

J その両方かな。「行ける」と思っていた部分もあるし、「まだ何も満たされてない」と感じている自分もいたし。それは飢えみたいなものだと思うんだよね。どんなに叫んでも、どんなに強い音を出しても、まだまだ届いていないと言うか。そういう混沌とした状態のまま突き進んでいた感じだったし。でもその危うさがバンドをセクシーにしていくんだよ。

小島 なるほど。

J よく木登りに例えるんだけど、上に登ってみないと、そこからどんな景色が見えるかわからないでしょ。登れば登るほど幹が細くなっていくんだけど、スリルもあって楽しいし。俺たちが初めてドームをやった頃は、その先に何をやればいいか見えなかったから、「次はどこに行けばいいんだろう?」という不安みたいなものもあったけどね。

小島 その不安感は、一切外には出さなかったんですか?

J その思いを抱えたまま、曲を作って、ライブをやって。飢えを満たそうとしてたんだろうね、やっぱり。それがバンドの原動力になっていたのも事実だしね。

──back numberは、まさに登り続けている最中ということですね。

小島 そういうことになりますね。

歴史的な瞬間を目に焼き付けてほしい

J(LUNA SEA / B)

J back numberのメンバーって、「天下を取ってやる」みたいなことを言わないよね。俺としては、もっとグイグイ行ってほしいんだけど。

小島 (笑)。戦おうとしてないんでしょうね、そういう意味では。

J 波風を立てようとしていないと?(笑)

小島 してないと思います(笑)。「あのバンドを引きずり落としてやる」みたいな感じもないですから。ウチのボーカル(清水依与吏)がよく言うんですけど、女の子に振られたとか、別れても好きだみたいな歌を自分のために歌うところから始まってるバンドなんですよ。聴いてくれる人に対して「ほら、悲しいでしょ?」と伝えたり、「この悲しい歌を一緒に聴こうよ」という感じではないと言うか。だから「お前ら、全員こっちに来いよ!」ということにもならなくて。

J でも、わかんないよ? ドームツアーをやって、覚醒するかもしれないし(笑)。そもそも欲みたいなものもないの? 「いい車が欲しい」とか。

小島 それもまったくなくて(笑)。

J そうなんだ(笑)。ウチは毎週のように車を買っていたメンバーもいるっていう(笑)。

小島和也(back number / B)

小島 Jさんもバイクや車に凝ってましたよね?

J まあ、それなりにやりたいこと全部やったけどね(笑)。

小島 僕も依与吏も楽器を買っちゃうんですよね……。Jさんみたいにクロムハーツのアクセサリーを着けたりしてたんですけど、バンドのイメージが固まってきた頃に「その格好はちょっと……」みたいになってきて(笑)。

J そうか。back numberのメンバーが俺たちのようだったら変か(笑)。まあ、俺らはちょっとおかしかったんだよ、やっぱり(笑)。

──最後に「LUNATIC FEST.」への意気込みを聞かせてもらえますか?

小島 はい。憧れているバンドのフェスから声をかけていただいたことは光栄ですし、同じステージに立てることもすごくうれしくて。昔の自分に恥じないように、一生懸命やりたいですね。もし小学生の頃の自分に会えたとしても、「LUNA SEAと共演できるよ」ってことは伝えないですけどね。絶対、さぼり出すと思うので(笑)。

J 「LUNATIC FEST.」は本物たちが集う、本当にほかにはないフェス。二度とないステージを俺たちも楽しみにしているし、みんなも、歴史的な瞬間をその目に焼き付けてほしいですね。

左からJ(LUNA SEA / B)、小島和也(back number / B)。
LUNATIC FEST. 2018
LUNATIC FEST. 2018

2018年6月23日(土)千葉県 幕張メッセ
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00(予定)

<出演者>ACE OF SPADES / GLIM SPANKY / GLAY / coldrain / シド / 女王蜂 / DIR EN GREY / back number / The BONEZ / LUNA SEA / LUNACY(オープニングアクト)

2018年6月24日(日)千葉県 幕張メッセ
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00(予定)

<出演者>AA= / 大黒摩季 / OLDCODEX / THE ORAL CIGARETTES / BRAHMAN / MUCC / lynch. / LUNA SEA / LUNACY(オープニングアクト) / and more

各プレイガイドにてチケット先行販売中!

チケット料金(1日券):15500円

LUNA SEA(ルナシー)
LUNA SEA
RYUICHI(Vo)、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)、真矢(Dr)からなるロックバンド。1989年に現編成での活動を開始し、1991年にYOSHIKI(X JAPAN)主宰の「Extasy Records」から1stアルバム「LUNA SEA」をリリースする。翌1992年に2ndアルバム「IMAGE」でメジャーデビューを果たした。1994年のシングル「ROSIER」がロングヒットを記録し、東京ドームや横浜スタジアムなどでライブを行うなど日本を代表するロックバンドへと成長する。しかし2000年11月に“終幕”を発表し、同年12月26、27日に行われた東京ドーム公演をもってバンドの歴史に幕を下ろした。終幕以降も各メンバーはソロアーティストとしてのキャリアを重ね、精力的な音楽活動を展開。2007年12月24日に東京ドームで一夜限りの復活ライブを行い、このライブをきっかけに2010年8月に“REBOOT”と称して本格的な再始動を発表した。結成25周年を迎える2014年5月29日には国立代々木競技場第一体育館でスペシャルライブ「LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE -The Unfinished MOON-」を実施。2015年6月には主催フェス「LUNATIC FEST.」を千葉・幕張メッセで行い大成功を収める。2016年12月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで2DAYSライブ「LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit- at さいたまスーパーアリーナ2days」を実施。した2017年12月に9枚目のオリジナルアルバム「LUV」を発表し、2018年1月より全国ツアーを開催。
back number(バックナンバー)
back number
2004年に清水依与吏(Vo, G)を中心に群馬県で結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、2007年に小島和也(B, Cho)と栗原寿(Dr)を迎え現在の編成に。2009年に発売した初のミニアルバム「逃した魚」は大手レコード店で絶賛され、全国的に話題となる。2010年にフルアルバム「あとのまつり」を発表し、美しいメロディに切ない歌詞を乗せるというスタイルを確立。2011年4月にシングル「はなびら」でメジャーデビューした。2013年には東京・日本武道館でワンマンライブを成功させ、その後もコンスタントに作品を発表。2015年12月に5thアルバム「シャンデリア」をリリースしたのち、2016年1月からはアリーナ公演を含む32カ所39公演のツアーを実施。11月にシングル「ハッピーエンド」を、12月にキャリア初のベストアルバム「アンコール」をリリースした。2017年2月から約4カ月にわたる自身最大規模の全国ツアー「back number "All Our Yesterdays Tour 2017"」を開催した。12月に佐藤健と土屋太鳳のダブル主演映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の主題歌「瞬き」をシングルリリース。2018年1月よりファンクラブツアー「one room party vol.4」を開催した。7月から10月にかけて初のドームツアー「back number dome tour 2018 "stay with you" supported by uP!!!」を行う。