LUNA SEAが6月23、24日に千葉・幕張メッセで開催する主催フェス「LUNATIC FEST. 2018」。LUNA SEAを筆頭に彼らとゆかりのあるアーティストたちがジャンルの枠を超えて競演することが決定しており、その豪華なラインナップが話題を集めている。
音楽ナタリーでは2度目の「LUNATIC FEST.」開催に先駆けて、LUNA SEAのJ(B)とback numberの小島和也(B)によるベーシスト対談を実施した。Jに憧れベースを手にしたというエピソードを持ち、ラジオやインタビューでLUNA SEAおよびJへのリスペクトをたびたび口にしてきた小島。そして、そんな小島の熱い思いを受け取め、「LUNATIC FEST.」への出演をオファーしたというJ。今回の対談ではお互いのバンドの印象、「LUNATIC FEST.」に向けての意気込みなどを語ってもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 草場雄介
自分たちがやってきた音楽とは違うのがうれしい
──小島さんは以前から、JさんやLUNA SEAに対するリスペクトを公言してますよね。
小島和也(back number / B) はい。LUNA SEAの存在を知ったのは、小学生のときなんですよ。近所に学年が1つ上の幼なじみがいて、LUNA SEAがテレビで「ROSIER」を演奏しているVHSを観せてくれて。それまで親の車で聴いていた歌謡曲やJ-POPとはまったく違う音楽で、すごい衝撃を受けたんです。その後、その幼なじみがベースを手に入れて、「Jと同じ楽器だよ」って触らせてくれて。「これだったら弾けるかな」ってLUNA SEAの「END OF SORROW」のイントロを練習したり(笑)。そこからですね、ベースに興味を持ったのは。
J(LUNA SEA / B) うれしいね。俺たちはただガムシャラにやってきただけなんだけど、その中で表現してきたことや、生まれてきた楽曲に触れてバンドを始めてくれたわけでしょ? しかも今回、俺たちが主催するフェスに出てくれることになって。それはCDの売り上げやライブの動員が増えることとはまったく違う喜びだし、刺激でもあるんだ。小島くんがベースを始めるきっかけとして存在できたことは、俺にとって本当に大きな喜びだね。
──Jさんがback numberを知ったきっかけは?
J 何年くらい前だったかな? 俺が番組をやらせてもらってるcross fmのディレクターから「back numberのメンバーがLUNA SEAをすごくリスペクトしている」という話を聞いてね。そのあと俺が番組を休んだときに、代役として小島くんが出演してくれたことがあったんですよ。何人かのミュージシャンがずっと俺のことを語るっていう内容だったんだけど(笑)。
小島 (笑)。「好きなだけしゃべってください」と言われたので、思い切りしゃべらせてもらいました。
J そのときに初めてback numberの楽曲を聴かせてもらったんだけど、俺たちがやってきた音楽とはまったく違うものを表現していて、でもそれが余計にうれしかったんだよね。俺が常に思っているのは「影響というのは真似をし続けることではない」ということで。もちろん真似から始まっていいんだけど、いつの日か「自分は違う人間なんだから、違う者になるべきだ」と気付くはずなんだよ。俺もそうだった。憧れていたミュージシャン、憧れていたスタイルはあるけど、あるときに「俺は一体、何者なんだろう?」と自分自身に目を向けるようになって。そこで作り上げたものが一番強いし、そのことでLUNA SEAというバンドも変われたと思うんだよね。だから(小島が)LUNA SEAを好きだと公言してくれて、なおかつ俺たちとは違う世界を表現をしてくれているのが最高なんだよ。しかも、back numberは自分たちの音で日本中を騒がせているバンド。それはリスペクトに値することだなと。
小島 ……今、噛みしめてます。
J ははははは(笑)。
小島 僕にとっては、Jさんが原点なんですよ。親にベースを買ってもらって、鏡の前でストラップの長さをJさんと同じくらいにして。最初に買ったピックもJさんのモデルだったし……。back numberを組むまで指弾きはまったくやってなかったですからね(笑)。Jさん、当時はレコーディングでも指弾きはやってなかったんですか?
J やってないよ。指弾き、嫌いだったから(笑)。
小島 でも、最近は指でも弾いてますよね?
J うん。ミディアム、スローの曲は、指弾きでも自分なりの音色を出せるようになってきたので。基本はピックでプレイするけどね。
スタンスは「前回と同じことをやってもしょうがない」
──back numberが「LUNATIC FEST.」に出演することは、音楽ファンの間で大きな話題になっています。まず、今回のフェスのコンセプトを教えてもらえますか?
J 1回目の「LUNATIC FEST.」の狂気みたいなものを引き継ぎ、ありえないくらいの熱量を持ったフェスにしたいという思いは当然あって。そのうえで「前回と同じことをやってもしょうがない」というスタンスをミックスしながら2回目を開催するということです。俺としては、とにかくカッコいい音を鳴らしているヤツらに出てもらいたかったんだよね。
──フェスの特設サイトにもJさんの「凄い音を出しているやつら…そういうもので埋め尽くしたいという想いは何も変わらない」というメッセージが掲載されています。
J ジャンルみたいなものを砕いてしまうくらいのフェスにしたいと思っているんだ。ロックミュージックはいろんな側面、表情がある音楽だし、多面体だからね。LUNA SEAの音楽的な背景にしても、ミラーボールみたいにいろんな光を放っていると思うんだ。だからこそ、今回のフェスにもいろいろなスタイル、いろいろな熱を持ったバンドに出てほしいなって。それぞれのバンドの音がどう響き合うのか、自分たちもワクワクしてるんだ。そういう思いが出演してくれるバンドにも、観に来てくれるみんなにも伝わってほしいんですよね。そのスタンスは前回と何も変わっていないんだよ。だけど出演するバンドは全然違うっていう。それが面白いところだと思います。実はback numberの名前は、1回目の「LUNATIC FEST.」のときも挙がってたんだけどね。
小島 え、ホントですか?
J うん。今回、満を持してオファーさせてもらったよ。back numberのメンバーにもフェスの1日を楽しんでもらいたいんだよね。出演しているバンドも、普段は接することがないメンツじゃない?
小島 そうですね(笑)。
J ステージはもちろんだけど、楽屋サイドもすごいことになってると思うよ(笑)。
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まさか自分たちが出られるとは思ってなかった
- LUNATIC FEST. 2018
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2018年6月23日(土)千葉県 幕張メッセ
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00(予定)<出演者>ACE OF SPADES / GLIM SPANKY / GLAY / coldrain / シド / 女王蜂 / DIR EN GREY / back number / The BONEZ / LUNA SEA / LUNACY(オープニングアクト)
2018年6月24日(日)千葉県 幕張メッセ
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00(予定)<出演者>AA= / 大黒摩季 / OLDCODEX / THE ORAL CIGARETTES / BRAHMAN / MUCC / lynch. / LUNA SEA / LUNACY(オープニングアクト) / and more
- LUNA SEA(ルナシー)
- RYUICHI(Vo)、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)、真矢(Dr)からなるロックバンド。1989年に現編成での活動を開始し、1991年にYOSHIKI(X JAPAN)主宰の「Extasy Records」から1stアルバム「LUNA SEA」をリリースする。翌1992年に2ndアルバム「IMAGE」でメジャーデビューを果たした。1994年のシングル「ROSIER」がロングヒットを記録し、東京ドームや横浜スタジアムなどでライブを行うなど日本を代表するロックバンドへと成長する。しかし2000年11月に“終幕”を発表し、同年12月26、27日に行われた東京ドーム公演をもってバンドの歴史に幕を下ろした。終幕以降も各メンバーはソロアーティストとしてのキャリアを重ね、精力的な音楽活動を展開。2007年12月24日に東京ドームで一夜限りの復活ライブを行い、このライブをきっかけに2010年8月に“REBOOT”と称して本格的な再始動を発表した。結成25周年を迎える2014年5月29日には国立代々木競技場第一体育館でスペシャルライブ「LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE -The Unfinished MOON-」を実施。2015年6月には主催フェス「LUNATIC FEST.」を千葉・幕張メッセで行い大成功を収める。2016年12月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで2DAYSライブ「LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit- at さいたまスーパーアリーナ2days」を実施。した2017年12月に9枚目のオリジナルアルバム「LUV」を発表し、2018年1月より全国ツアーを開催。
- back number(バックナンバー)
- 2004年に清水依与吏(Vo, G)を中心に群馬県で結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、2007年に小島和也(B, Cho)と栗原寿(Dr)を迎え現在の編成に。2009年に発売した初のミニアルバム「逃した魚」は大手レコード店で絶賛され、全国的に話題となる。2010年にフルアルバム「あとのまつり」を発表し、美しいメロディに切ない歌詞を乗せるというスタイルを確立。2011年4月にシングル「はなびら」でメジャーデビューした。2013年には東京・日本武道館でワンマンライブを成功させ、その後もコンスタントに作品を発表。2015年12月に5thアルバム「シャンデリア」をリリースしたのち、2016年1月からはアリーナ公演を含む32カ所39公演のツアーを実施。11月にシングル「ハッピーエンド」を、12月にキャリア初のベストアルバム「アンコール」をリリースした。2017年2月から約4カ月にわたる自身最大規模の全国ツアー「back number "All Our Yesterdays Tour 2017"」を開催した。12月に佐藤健と土屋太鳳のダブル主演映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の主題歌「瞬き」をシングルリリース。2018年1月よりファンクラブツアー「one room party vol.4」を開催した。7月から10月にかけて初のドームツアー「back number dome tour 2018 "stay with you" supported by uP!!!」を行う。