ロザリーナが4月11日に「タラレバ流星群」でメジャーデビューを果たした。
無名のインディーズアーティストだった彼女は、2016年に西野亮廣(キングコング)の著書「えんとつ町のプペル」のテーマソングを担当したことで一気に注目を浴びることとなった。唯一無二の歌声は、映画「舟を編む」で日本アカデミー賞優秀音楽賞を獲得した音楽家の渡邊崇も称賛しているほど。圧倒的な歌唱力や人生哲学を含んだ歌詞はほかのどこにもない、絶対的な世界観を作り上げている。
一体、彼女は何者なのか。幼少期から現在までを振り返ってもらった。
取材・文 / 真貝聡 撮影 / 草場雄介
- ロザリーナ「タラレバ流星群」
- 2018年4月11日発売 / Sony Music Records
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1700円 / SRCL-9710 -
通常盤 [CD]
1300円 / SRCL-9712
- CD収録曲
-
- タラレバ流星群
- Rolling Rolling
- わたあめ
- 初回限定盤DVD収録内容
-
- タラレバ流星群 ミュージックビデオ
歌手・ロザリーナができるまで 小学生~中学生編
──今回はロザリーナさんの生い立ちから探っていきたいと思います。
お願いします。
──ギターを始めたのは小学生の頃とか。
もともと歌うのが好きだったんですけど、小学生だとそんなにカラオケに行くこともできないですよね。そこで「自分で演奏をしながら歌えばいいや」と思ってギターを弾き始めました。
──当時はどのくらい弾けたんですか?
全然弾けなくて。弾けるようになりたいな、歌いたいなって自分なりに練習したんですけどFコードで挫折しました。それで、だんだん飽きちゃって長らく触ってなかったです。
──中学生の頃はどんな3年間を過ごしてました?
中学3年生くらいから、またギターを弾き始めて。友達とギターを背負って自転車通学してました。で、ギターを学校で弾きたいけど、放課後は夜まで残っていると怒られるから「じゃあ、朝早く学校へ行けばいいんじゃない」って。朝5時に学校へ行って……。
──朝5時!?
自転車だから始発なんて関係ないので。で、補導されない時間を考えて、友達と朝5時に通学してました。早朝、屋上へ行って2人でギターを弾いてた時期もありました。
──音楽以外はどんな生活をされていたんですか?
中学生の頃はバスケ部だったんですけど、とにかくボールが怖くて。校庭で遊ぶのも嫌いだし、ドッジボールはこの世で一番嫌いなスポーツ(笑)。
──そんな人がなぜバスケ部へ?
ボール恐怖症を治すために入部したんですよ。そしたら体育館中、四方八方からボールが飛び交っていて。しかも速いし、顔に近付いてくるのなんて超怖いし。最悪なことに練習では1人1個(ボールを)持たされるんですよ。
──それが普通なんですけどね(笑)。
はははは!(笑) 何度も顔にボールが当たって鼻血を出したり、突き指したり。結局、怖すぎて中1の頃は全然部活に行ってなかったです。中2の終わりぐらいに中3の先輩が引退して、中2のパラダイスになったタイミングで、また部活に行くようになりました。
──じゃあ、そこからボール恐怖症もなくなって。
あの……克服する前に勉強の成績があまりよくなくて辞めさせられました! そんな感じの中学生活です。
歌手・ロザリーナができるまで 高校生編
──なるほど。高校はどうでした?
「歌手になりたい」って心のどこかで思っていたんですけど……周りに歌手になりたいと思っている人はいなかったし、友達はとりあえず大学へ行くみたいな感じで。早い人って高1から受験勉強をしているし、高2くらいになると、みんな進路が決まってるんですよね。そのときに「え? 将来? どうしよう……」って悩んで。「大学には行きたくないけど、行かないためにはどうしたらいいんだろう」ってすごく考えたんです。その頃、家で毎日ギターを弾いて歌ってたから親に「歌手になりたいのか?」と聞かれて。なりたいって言ったら怒られるかもしれないし、でも大学には行きたくないし……無理を承知で「うん、歌手になりたい」って言ったんです。そしたら「じゃあ、やれるんだったらやってみろ」と。
──それで火が点いたんですね。
はい。そこで、歌手になるためにどうすればいいんだろうって考えて。曲を作れなければ歌手になれないと思ったので、そこから作曲を始めましたね。
──高校生のときはどんな音楽を聴かれてたんですか?
ほかに情報源がなかったので、友達にオススメされたものばかり聴いてました。当時周りの友達が聴いていたのがMONGOL800やDef Techとかで、そればっかり聴いてました。
──ほかのインタビューでは、YUKIやアヴリル・ラヴィーンが好きとおっしゃっていましたね。
それは中学時代ですね。その頃に友達とカラオケに行って、YUKIさんやジュディマリ(JUDY AND MARY)とか、キーが高い曲を歌ってました。
──なるほど。高校卒業後は本格的に音楽の道へ進んで。
卒業してすぐにオーディションを受けたんです。それはグランプリを決めるような感じじゃなくて、いろんな事務所の方たちの前で審査してもらって、1社でも手が挙がったら所属という面接形式。そのときに声をかけてくれたのが今の事務所でした。
次のページ »
西野亮廣さんが最初に私を認めてくれた
- ロザリーナ
- 女性シンガーソングライター。2016年に西野亮廣(キングコング)の著書「えんとつ町のプペル」のテーマソングを担当し、知名度を一気に上げる。12月に1stミニアルバム「ロザリーナ」を発売した。その後、首都高速道路ETC2.0やauなどのCMソング、「妖怪アパートの幽雅な日常」のテーマソングを担当。2017年10月にそれらの楽曲を収録した1stシングル「音色」をリリースし、2018年4月にシングル「タラレバ流星群」でソニー・ミュージックレコーズからメジャーデビューを果たした。