過酷だった初のヨーロッパツアー

──そうやってLOVEBITESが結成されたわけですが、初ライブからまだ2年しか経ってないんですね。

asami　ライブの本数も日本では2桁やったかなっていうぐらいで。

──結成して間もないにもかかわらず、11月には4カ国全6公演に及ぶ初のヨーロッパツアーを敢行しました。いかがでしたか？（参照：またすぐに会おうね！LOVEBITES初欧州ツアーが第2の故郷ロンドンで終幕）

miho　すごかったね！

miyako　大変だったね。

asami　初めての経験で大変だったけど、いいこともたくさんありました。最初は「お客さんが少なくてもがんばろう」って話してたんですけど、ふたを開けてみたらたくさんの人が来てくれて。あんなに来てくれるとは思ってませんでした。

miho　イギリスは私たちが去年初めて海外公演を行った国だし、ドイツでも今年の夏に「Wacken Open Air」っていうメタルフェスに出ていたので、その2カ国はある程度大丈夫かなと思ってたんですけど、フランスとオランダは今まで縁がなかったので不安で。オランダにはファンがけっこういるっていう話は聞いていたんですけど、フランスは本当に未知でした。

asami　でも、そんなフランスが一番盛り上がってくれたんですよ。ミュージックビデオになってる曲で盛り上がってくれる人はどの国にもたくさんいたんですけど、フランスはそれ以外の楽曲も一緒に歌ってくれて、「え、なんで知ってんの？」ってこっちが聞きたいぐらいでした（笑）。

miyako　きっと予習してきてくれたんだよね。

──つらかったのはどんなことですか？

miyako　寝れないこと。

miho　ツアーの最後は3カ国で3日連続のライブだったんですよ。

asami　会場の移動に6、7時間かかるし、ライブが終わってホテルに帰るのが夜中の1時とか2時。しかも、女の子なのでさっさと寝れないんですよ。お風呂に入って、メイク落として、髪の毛を乾かして……。しかもシングルルームではないので、みんな順番。それじゃあまともに寝れないですよね。

miyako　最後の3日間は3、4時間寝れたらいいほうでしたね。

1万人キャパのステージが埋まった夢の舞台「ヴァッケン」

──そうやって海外ツアーの洗礼を受けたわけですね。去年、イギリスで初めて行った単独公演の会場は500人キャパのThe Underworldでしたが、今回は800人キャパのO2 Academy Islingtonでした。集客面では着実にステップアップしていますね。

asami　目に見えてお客さんの数が増えましたね。「ああ、ここまで聴いてもらえるようになったんだな」って実感しました。

miho　イギリスのメタル雑誌「METAL HAMMER」が主催する「Golden Gods Awards」でBest New Band（新人賞）を獲ったので、それで知ってくれた方もいっぱいいたと思います。

miyako　ああ、あれは大きかったかもね。

──先ほどの話にもありましたが、今年はドイツで毎年開催されている世界最大級のメタルフェス「Wacken Open Air」に出演したこともかなり大きかったと思います。「ヴァッケン」なんてメタルバンドにとって夢の舞台じゃないですか。

miho　結成当初から目標の1つではあったんですけど、まさかデビュー翌年に出られるとは思いませんでしたね。

asami　「ヴァッケン」は実力がなければすぐにブーイングが起こったり、ペットボトルを投げつけられるっていう話を聞いてたので、「3、4列ぐらいお客さんがいたらいいね」って話してて。

miho　だけど、実際には1万人収容のステージがお客さんでびっしり埋まったんですよ。ステージ上にスモークが焚かれてたので、初めはステージからお客さんの様子が見えなかったんですけど、スモークが消えてバーっと向こうが見えた瞬間、ちょっと泣きそうになりましたね。

──その光景を想像するだけでも「映画化決定！」って感じですね。ライブの反応はどうでしたか？

asami　とにかく盛り上がってくれました。面白かったのが、ステージ下の柵前に立っている警備員さんが、本来はお客さんのほうを見ていないといけないのに、ステージを向いて私たちのライブをスマホで撮ってたんですよ（笑）。

──そして、ヴァッケンでのライブがきっかけとなって、メタルレーベルの超名門・Nuclear Blast傘下のArising Empireと契約を交わしました。

miho　はい。Nuclear Blastのスタッフが私たちのライブを観ていて、「契約をしたい」というお話をもらいました。

みんなが寝てる間に曲作り

──そんな怒涛の展開を繰り広げながらも、リリースの間隔は非常に短いですよね。

miho　メインの作曲家はmiyakoなんですけど、彼女はたくさんの曲をすごい早さで仕上げてくれるし、ほかのメンバーも曲が書けるのでそこは強みなのかなと。

──miyakoさんは自分の体に鞭を打ってガツガツ曲を作っているわけですね。

miyako　本当に「みんなが寝てる間にやらなきゃ！」って感じですよ。自分の役割は各パートのアレンジまでしっかり作り込んで曲を提出することなんですけど、ライブだけじゃなくて音源に対する周りからの期待も高まっているので、それに応えるのは大変ですね。もちろん、ありがたいことなんですけど。でも、自分がやってる以上は変な曲にはできないので、1曲1曲細かいところまで詰めてます。そして、レコーディングして、マスタリングして、インストアイベントをやったり取材を受けたりしてる合間に次の曲を書き始めるという。それぐらいじゃないとこんなに短い期間でリリースはできないですね。

──今作「CLOCKWORK IMMORTALITY」の曲作りはいつから始めていたんですか？

miyako　「BATTLE AGAINST DAMNATION」（今年6月リリースの2ndミニアルバム）のミックス中からフルアルバムを出す話があったので、その頃からすでに書き始めてました。もうノンストップです。で、来年1月にはツアーが始まるんですけど、ツアー中にも曲をいっぱい書かないといけないので「がんばります……！」って感じです（笑）。