日常に散らばるさまざまな形の愛を、多彩なサウンドに乗せて力強く繊細に届ける音楽スタイルと、頼りがいのある人間味にあふれたキャラクターで人気を博すシンガーソングライター、LOVE。彼女が約2年3カ月ぶりとなるニューアルバム「Telepathic Love Songs」をリリースする。
初めてプロデューサーを迎えて制作されたという本作は、デビューから一貫して歌い続けられている“人とのつながり”がより色濃く、鮮やかに描かれているのが印象的。その仕上がりの手ごたえは、47都道府県ライブという新たな行動へと彼女を突き動かすことにもなったようだ。そんなLOVEのリアルな言葉たちが詰まった、ナタリー初登場インタビューを楽しんでもらいたい。
取材・文/もりひでゆき インタビュー撮影/平沼久奈
一番大事なのはライブだと思ってる
──3月4日に渋谷WWWで行われたライブを拝見しました。1曲目のイントロでLOVEさんのギターのチューニングが間違っていることが発覚、SEをバックにステージへ登場するところからからやり直すというなんとも衝撃的なハプニングがありましたね(笑)。
もうビックリでしたよ! すごく動揺しました。
──いや、でも堂々としてるように見えましたけど。
そうですか? ありがとうございます。なかなか皆さんにそうは見てもらえないんですけど、本当はものすごい緊張するタイプなんですよ。だからある意味、私もあのハプニングに救われたところもあって、最初から最後まで突っ走れました。途中で果てかけるくらい(笑)。
──ちょっと失礼かもしれないですけど、なんかものすごく男前だなぁと思いました(笑)。
アハハハハ。うれしいです、ありがとうございます!
──音源を聴いた限りでは、あれほどギターをガシガシ弾く方だとは思っていなかったので、ちょっとビックリもして。音源よりかなりエモーショナルな感じですよね。
私、やっぱりライブが一番大事だなって思ってるんですよ。トラックメイキングも好きなので、音源を作るときにはいろいろ細かいところまで凝るんですけど、それを再現するつもりでライブをやっちゃうのはまた違うかなと。だからライブはライブとしてやらせてもらってます。
──とは言え、リズムアレンジなどはライブでもかなり凝っている印象を受けました。ものすごく気持ち良かったです。
そうですね。そもそもドラムやベースの強い音楽がだいぶ好きなんですよ。もちろんロックから音楽をスタートしたという一面もあるので8ビートの硬派な感じも大好きですけど、クラブもののビートも好きで。リズムから曲を作っていくこともあるくらいだし。だからライブでも、リズムが遊んだ感じにはなりますね。音源に比べれば、多少シンプルにはしてるんですけど。
ライブで初めて聴く曲だからこそ印象が強くなる
──で、僕が観たライブでは、リリース前のニューアルバムから11曲も披露されていて。それにもかなり驚きました。
1曲を除いて、全部演奏しましたからね。そういうことをしたのは初めて。これまではアルバムを出してワンマンをやると一旦そこで終結みたいなサイクルだったんですけど、今回はこのアルバムで歌ってることを証明したり実現させたりっていう時間を、もっとしっかりと取りたいなって思うアルバムになってたんですよね。なので、リリース前だけど遠慮しないで披露しようという気持ちになっていて。私自身、ライブで初めて聴く曲を好きになることが多いんですよ。すっごく集中して聴くから、印象が強くなるんでしょうね。だから、みんなにとってもそうなってくれたらうれしいなっていうのもあったし。実際、初めて聴く曲ばっかりなのにみんなものすごく盛り上がってくれて。
──ライブを体験してから改めて音源を聴くとまた違った楽しみ方ができますしね。
そうそう。もう一回言葉を噛みしめながら聴いてもらったり、トラックの緻密な遊びも含めて楽しんでもらえるかなと思いますね。
CD収録曲
- WELCOME BACK
- テレパス
- Let Your Love Sing!
- LADY DAISY
- 遠い声
- 君は僕のセンユウ
- Tonite Tonite
- STAY
- The First & The Final
- KISS ME IN THE RAIN
- ヒヒノハ
- VOYAGER
初回限定盤DVD収録内容
「君は僕のセンユウ」「STAY」「テレパス」ミュージックビデオ+オフショット映像
ライブ情報
LOVE VOYAGER TOUR開催中!
2011年4月16日(土)福岡県
タワーレコード福岡店内イベントスペース
START 16:00※入場フリー
2011年4月29日(金・祝)大阪府
タワーレコード梅田NU茶屋町店内イベントスペース
START 16:00※入場フリー
※今後のツアー日程は特設サイトにて発表
LOVE(らぶ)
大阪出身の女性シンガーソングライター。2006年からライブ活動を始め、2007年3月に配信限定シングル「過ちのサニー」でデビュー。同年「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2007」のバッキングボーカルオーディションで3000名の応募者の中から合格し、9都市12公演のツアーに参加して注目を集める。同世代から共感を集める叙情的な歌詞と伸びやかな歌声を武器に、積極的なライブ活動を展開。またTOKYO FMの昼間の帯番組「LOVE CONNECTION」や、FM OSAKA「LOVE RADIO」のパーソナリティとしても活躍中。また、毎週金曜にはUstreamにて"朝活"番組「朝LOVEやねん」を配信し、飾らないトークで人気を博している。2011年4月、3rdアルバム「Telepathic Love Songs」をリリース。