ナタリー PowerPush - LM.C

「2匹の龍」が見据える次の一歩

ユニットとしてのアイデンティティを明確に具現化することに成功した傑作アルバム「STRONG POP」のリリース後、5カ月にわたるツアーで国内外のオーディエンスをハッピーにロックしてきたLM.Cが、待望のニューシングル「DOUBLE DRAGON」をリリースした。表題曲はデビュー丸6年を迎えた彼らが今改めて鳴らす決起のロックチューン。ナタリー初登場となる今回は、その制作にまつわる話やアートワークへのこだわりなどについてmaya(Vo)とAiji(G)の2人に話を訊いた。

取材・文 / もりひでゆき

「これぞLM.C」というライブができるようになった

──LM.Cは4月にアルバム「STRONG POP」をリリースしたあと、それを引っさげたツアーを海外と国内それぞれで行いました。

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Aiji(G) 5カ月くらいずっとライブやってましたね。デビューから5年やってきて、これだけの規模のツアーをやらせてもらえるのはホントに幸せなことだなって実感してます。

maya(Vo) 5周年を迎えて、日本武道館でもライブをやらせてもらったことで、自分たちが活動開始当初に漠然と思い描いていた「こういうLM.Cになりたいな」っていうライブの理想がやっと形になってきた感じがしていて。で、それを経てのツアーだったこともあって、「これがやりたかった!」っていうライブがそれぞれの会場でできましたね。単なるアルバムを引っさげたツアーではなく、「これぞLM.C」という感じの内容になったなって。

──3度目となるワールドツアーの手応えはどうでした?

Aiji 今回のワールドツアーは特に日本のツアーと変わらなかったですね。前回まではどこかにまだクールジャパン的な捉えられ方をされてる部分があったと思うんですよ。日本のアーティストだから興味本位で来てる、みたいな。でも今回はもうそういうのが全部シェイプアップされて、コアなファンの子しかいなかった。アルバムの曲も全部歌ってくれてたし。mayaが言ったような「LM.Cのライブってこういう感じだよね」みたいな空気感をちゃんと肌で感じて、理解して参加してくれてる気がしましたよ。

──2人の思いがちゃんと海外にも届いている証拠ですね。

maya こういうインタビューを自分たちなりに翻訳して、ちゃんと俺らのメッセージとして受け取ってくれてるらしいですからね。

Aiji そうそう。俺たちが発してる言葉とか、歌詞の内容を理解したいからって、ものすごく日本語を勉強してるんですよ。そういうパワーはすごいなって思いますね。

ぶっちゃけまだ次にやりたい曲もなかった

──今回のツアーを経て、LM.Cとしての未来のビジョンが見えたりはしましたか?

Aiji どうっすかね。見えたような見えてないような。そこらへんは今後、制作をしていく中でしっかり見る作業をしていかないといけないとは思うんですけど。

──でも新曲「DOUBLE DRAGON」には、この先に向けた熱い勢いがガッツリ込められていますよね。

maya 確かにそうっすね。ただ、この曲はワールドツアーと国内ツアーの合間にあった1カ月くらいの期間に作ったんですよ。ツアー中に制作をするっていうこと自体、今までにあまりなかったことなんですけど。

Aiji 「STRONG POP」を出したあと、まだ日本でのツアーをやってない中での制作でしたからね。ぶっちゃけまだ次にやりたい曲もなかったっていう。

──なるほど。ツアーを回る中で次が見えてくることもありますもんね。

Aiji そうそう。だから曲出し前のミーティングを初めてやったんですよ。どういう曲を次に出すのがいいんだろうって。

──そのミーティングではどういう結論に達したんですか?

Aiji 「STRONG POP」はちょっとフロア向けというか、クラブ好きな人のニーズにも応えられるようなサウンドや質感を持った作品だったんですね。なので、そこをもっと深く掘り下げてみるのもいいかもねっていう、ざっくり言えばそういう結論でしたね。で、それぞれが曲作りに入ったんですけど、最終的に選んだ曲はまったく真逆なものになったっていう(笑)。

発表の寸前まで違う曲をリリースする予定だった

──「DOUBLE DRAGON」はストレートなロックチューンです。僕は「STRONG POP」でエレクトロ方面に踏み込んだ反動でこういった曲が生まれたのかなと思ったんですけど、実際はそうではなかったんですね。

Aiji そういうことではなかったですね。曲出しで5曲を選んで、全部をレコーディングしたんですよ。その中には「STRONG POP」を踏襲した世界観のものもあったし、もうちょっとディープになってるものもあったし。それらも今後世に出ることにはなると思うんですけど、今回は「DOUBLE DRAGON」が選ばれたっていうことですね。

──5曲の中からこれを選んだのはどうしてだったんですか?

Aiji 単純に楽曲としての勢いがありましたよね。アルバムの1曲目にしたいような曲だったんで。

maya 本当は発表の寸前まで違う曲をリリースする予定だったんですよ。でも最終的にこっちにして。

Aiji 意図も特になかったよね。結局フィーリングっていうか。

maya うん。フィーリング(笑)。そこはまあ、それでいいと思えたからいいっていうか。

Aiji 5曲のうち、どれがシングルになっても新しい雰囲気は見えたと思うしね。ただ良くも悪くも「DOUBLE DRAGON」は一番LM.Cらしい王道な曲だったんで、アルバム後の一発目としてはすごく優等生な気がします。

ニューシングル「DOUBLE DRAGON」 / 2012年11月28日発売 / PONY CANYON
初回限定盤 [CD+DVD] / 1700円 PCCA-03730
通常盤 [CD] / 1000円 PCCA-70347
完全数量限定盤 [CD+フィギュア] / 12000円 / P60060
CD収録曲
  1. DOUBLE DRAGON
  2. ★Rock the LM.C★
初回盤DVD収録内容
  1. DOUBLE DRAGON「STORY ver.」
  2. DOUBLE DRAGON「BAND Ver.」
完全数量限定盤商品内容
  • シングル「DOUBLE DRAGON」通常盤
  • mayaフィギュア
  • Aijiフィギュア

※フィギュアサイズ:約16cm

LM.C(えるえむしー)

maya(Vo)とAiji(G)からなるロックユニット。2006年10月にシングル「Trailers【Gold】」「Trailers【Silver】」を2枚同時リリースし、メジャーデビューを果たす。キャッチーなメロディとストレートなロックサウンド、ときにヒップホップの要素も取り入れた楽曲が話題に。シングル表題曲がアニメのテーマソングに起用されることが多く、幅広い層から着実に支持を獲得していく。2012年1月にはデビュー5周年を記念した初の日本武道館公演「LM.C 2012 ~Go To The 5th Anniversary FINAL~」を敢行。海外でも精力的なライブ活動を展開しており、同年5月にはロシアを皮切りにワールドツアーを行った。11月にニューシングル「DOUBLE DRAGON」をリリース。