Little Glee Monsterと“人生”という名の旅へ、「3人でも歌い続ける」と決意したかれん、MAYU、アサヒが語る6thアルバム「Journey」

Little Glee Monsterのニューアルバム「Journey」がリリースされた。

リトグリにとって通算6枚目のオリジナルフルアルバム「Journey」には、優里が書き下ろしたラブソング「心に空を」やWOWOW「LPGA女子ゴルフツアー 2022」の番組テーマソング「SING」、全編英語詞で構成された「Come Alive」、ハツラツとした歌声が響くポップチューン「WONDERLAND」など全11曲を収録。日常のさまざまなシーンを、彼女たちのポジティブなパワーで表現した1枚となっている。

芹奈は長期静養、manakaが突発性難聴で活動休止するという大きな困難に直面しながらも、かれん、MAYU、アサヒの3人で歌い続けることを決断したリトグリ。音楽ナタリーではグループの未来を前向きに見据える彼女たちに6thアルバムの聴きどころや、全国ツアー「Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey」への意気込みを聞いた。

取材・文 / 川倉由起子撮影 / 梁瀬玉実

今だからこそ明るくポップな気持ちになれるアルバム

──6thアルバム「Journey」が完成しました。まずは、どんな思いで制作されたのか教えていただけますか?

かれん 新たなアルバムを出すことしか決まっていないときから、スタッフさんともたくさん話し合いを重ねて作りました。直前のシングル(2022年3月発売「Your Name」、2021年12月発売「透明な世界」)はシックで少し落ち着いた雰囲気ではあるのですが、自分たちの状況的にも世の中的にも、もうちょっと明るくポップな気持ちになれるアルバムが作れたらいいよね……という思いがみんなの中で一致して。タイトルの「Journey」はリトグリがこれまで活動をしてきた時間を“旅”に見立てているところもあって、いいときもそうでないともあったけど、いろんなことがあるのが人生=旅だよねっていう意味が込められています。

──「前向きに人生の旅をしよう」というメッセージがぱっと見で伝わる、リゾート風な今回のアートワークも印象的です。色鮮やかな衣装で、全身黒だった直近のシングル「Your Name」のビジュアルとのギャップがすごい(参照:Little Glee Monsterかれん&アサヒインタビュー|「ヴァニタスの手記(カルテ)」OPテーマで挑んだ新たな試み)。

MAYU あはははは! 確かに。

アサヒ 真逆ですよね(笑)。

かれん ピンクで統一した明るくてポップな衣装は私たちもとても気に入っています。

左からかれん、アサヒ、MAYU。

左からかれん、アサヒ、MAYU。

優里書き下ろしの「心に空を」は心温まるラブソング

──ではさっそく楽曲の話に入ります。1曲目「心に空を」は優里さんが書き下ろしたラブソングですね。

かれん 優里さんはこちら側のオファーを快く引き受けてくださいました。最初にいただいたデモ音源は優里さんがギター1本で歌っていらっしゃって、それを聴いて「すごい!」とテンションが上がりました。

MAYU 優里さんといえば街中の至るところで曲が流れているし、私もカラオケで「ドライフラワー」を歌うんですよ。周りにも好きな友人が多いので、こうして提供いただけてすごくうれしかったです。

アサヒ 優里さんにはまだお会いしたことがないのですが、大活躍されている方ということで光栄に思いましたし、こういう心が温かくなるような恋愛ソングは今まであまり歌ってこなかったなって。人と人とのつながりを歌ったステキな1曲で、アルバムのオープニングにピッタリだと思います。

アサヒ

アサヒ

MAYU ラブソングではあるけど、家族や友人など大切な人を思い浮かべながら聴いてもいいのかなって。あと私が聴いてほしいのはコーラス。最初のデモはシンプルに優里さんの歌声だけだったんですけど、自分たちらしさも入れたいということでコーラスを加えさせてもらったんです。結果、より華やかというか、ゴージャスになったのかなと。

かれん 複雑なコーラスアレンジで正直かなり難しいけど、1曲を通してドラマチックな展開がたくさんあるコーラスになったなって。優里さんの原曲のよさも大切にしながら、リトグリらしさも入れてパワーアップしたような楽曲になっています。

「涙なぜ流れるの」からのサビに共感

──そんな「心に空を」を含めて、アルバムに入っている新曲は4曲。次に収録されているWOWOW「LPGA女子ゴルフツアー 2022」の番組テーマソング「SING」は、休養中の芹奈さん、manakaさんも含めた5人で歌っている唯一の曲です。

かれん 昨年のうちに録り終わっていて、今回の新曲の中では最初にできました。WOWOWさんの“LPGA女子ゴルフツアー”のテーマ曲をやらせていただくのは「Love Yourself」「VIVA」に続いて3回目で。また自分たちの曲で番組を盛り上げることができてうれしいです。最初はちょっと儚い感じで始まって、サビで「もっと君を信じて」「きっとたどり着けるよ」と力強く応援するエールソング。いつも「リトグリの応援歌が好き」と言ってくれるファンの方や、がんばっているすべての人たちに届けばいいなと思います。

かれん

かれん

MAYU 今まで“LPGA女子ゴルフツアー”のテーマソングに選んでいただいた3曲は全部、歌いながら自分たちに重なる部分を感じたり、響いてくるものがあるなって。音楽とスポーツは遠いようで近い存在だと思うんです。例えば、選手の皆さんは試合前やトレーニングのときに曲を聴いてモチベーションを高めると言うじゃないですか。そういうときに背中を押せるような歌を歌いたいと思うし、この「SING」に関しては、「歌って」というサビの歌詞が自分たちにも言ってるような気持ちにもなるんです。

──歌いながら、自らの背中を押される感じですか?

MAYU そうですね。「歌い続けたい」という強い意志を持って、今はメンバー3人で活動をしているので。5人でレコーディングしたときから「素敵な曲だな」と思っていたんですが、今、ツアーのリハで3人で歌っているときは歌詞がより刺さります。

MAYU

MAYU

アサヒ 私が好きな歌詞は「涙なぜ流れるの」からのサビ。リトグリがいろいろあった期間の中で、なぜか涙が流れてくることが少なくなかったんです。それは悲しい涙もあるけど、いろんな感情が入り混じった涙だったのかなと思うところもあって。そうやって気持ちをうまく言葉にできない瞬間って皆さんにもきっとあると思うし、共感してもらえたらいいなと思います。