Little Glee Monster|5人が結ぶ絆の物語

やっと5人で歌えた

──6月に配信リリースされた「君といれば」「REUNION」に続いて、「re-union」には「君といれば」の完成形「君といれば-complete ver.-」も収録されています。

MAYU やっぱりコーラスが4人から5人になるだけで全然厚みが変わってきますね。これまでもテレビの収録などで歌ってきたんですけど、芹奈のパートが来ると、今でも歌いながらグッとくるんですよね。

かれん

manaka 「どこへ向かうのだろう 時には 逸れるでしょう 僕らには どんな時も 何も言わず帰れる場所があるよ」のところは、自分で歌いながら歌詞にじーんとするというか。4人のときは芹奈のことを思って歌ってましたし、5人でやっと完成したものをツアー(「Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<」)で歌ったときは、私の横にいるメンバーは誰1人として欠けてはいけないという気持ちも感じていました。何があっても、絶対にみんなが帰ってこられる場所であることが、リトグリにとっては一番大切にしないといけないことだなという思いを、メンバー全員で歌えているのがすごくうれしいですね。

──「ここにいれば 離れてても 僕らでいることには変わらないよ」のフレーズがmanakaさんから芹奈さんになりました。

manaka そうですね。ホントにいい曲やなって思いながら歌ってるんですけど、その歌詞の部分で芹奈が戻ってきてくれたのも、グッとくるなと思います。

MAYU この曲は「今日の終わり」から始まって、それが「今日の続き」になって、「今日の始まり」になるんですよね。「君といれば この涙も 希望への ひとつになるよ」から「君といれば この笑顔も 輝いて 光になるよ」に変わる。曲のエンディングに向けて、メロディも歌詞も前向きに変わっていくのがいいなって、歌うたびに感じていて。この曲の歌詞には、自分たちも救われたんです。4人でアリーナツアーをやったけど、やっぱり不安な気持ちも大きかった。さいたまスーパーアリーナでこの曲を歌ったときは、正直歌いながら不安だったけど、だからこそ歌っていくたびに、自分自身もこの歌詞みたいにだんだん前向きになれたんです。ホント、歌うたびにいい曲だなと思います。

──完成形のMVには、ホールツアーの初日の映像が使われていますよね。

MAYU ホンマにみんなの前で初めて歌った日の映像ですね。

manaka そう。歌いながら泣きそうになりました(笑)。あの日がひさびさの5人でのライブだったから、1曲目で泣きそうになっちゃいました。なんですかね……4人のときは「しっかりがんばろう」って、どこかで常に気を張っている自分がいるんです。でも、芹奈が戻ってきてくれて、横にいて。やっと5人でライブをすると決まったときに、心の底から安心しました。1人ひとりの役割をちゃんとまっとうすることだけを考えればいい。5人がそろわないとリラックスしてライブできないんだなという気持ちもあったし。だからこそ、この曲は特に、4人から5人で完成という形になった曲だから「やっと歌えたな」としみじみしてしまいましたね。

隣に芹奈がいる安心感

──今日、このペアの共通点を探していたんですが、立ち位置的にセンターの芹奈さんと隣り合っている、もしかしたら特に芹奈さんの不在を感じていた2人ですよね。

MAYU そうですね。4人でのアリーナツアーはホントに精神的につぶれそうな期間があったんです。でも、すぐにホールツアーが決まり、正直「楽しめるかな?」という不安がずっとありました。まだそのときは5人で回れるかもわからないっていう状況やって、ずっとモヤモヤしていたのを覚えています。正直に言うと、やっと全国のみんなに会えるのはうれしいけど、全然気持ちが乗ってくれない時期もありました。でも、5人でできると決まったときに、私もうれしさと安心感を覚えて。私たちの立ち位置はデビュー前から変わらず一緒だから、私の左隣に芹奈がいてくれる安心感は何にも変えられません。

manaka お互いに思う感情は似てる。すごく共感しますね。

MAYU な! 芹奈が隣にいてくれることが、自分が思っていた以上に大事だったというか。やっぱり自分にとって、すごく大きな存在だったんだなと改めて気付かされて。だから、今回のツアーはマイナスなこととかを考えすぎずに、純粋に楽しめているなという気持ちがあります。

──「re-union」には同じくホールツアーの初日公演から「VIVA」のライブバージョンも収録されています。

manaka これもまだライブでは5人で披露できていなかったんです。レコーディングは5人でちゃんと録った曲なんですけど、完成形をみんなの前で歌えずに、今まで芹奈のパートをMAYUが歌ってくれたり、みんなで割り振ったりしていました。やっと音源と同じように5人で歌えた喜びを強く感じましたね。

MAYU 落ちサビのところはずっと、芹奈の声で早く聴きたかったんです。この日、初めて生で聴けて。今もなんですけど、このパートは個人的には一番、心に染みちゃう。ハモりもなくて、芹奈だけが歌ってるところなので、より心に響いてくる。それくらい、自分にとっても芹奈の不在は大きな経験やったんやと思う。4人で歌うことが多かったから、「VIVA」もじんときますね。

──MAYUさんの落ちサビは初回限定盤に収録されているライブ映像で確認してほしいです。manakaさんも芹奈さんの「挫けそうな時こそ 観える景色もあるんだ」「壊れてしまいそうなくらい 重ねた傷跡 それも勲章」のパートを歌っていました。

manaka もともとはイントロの自分の部分から芹奈にバトンを渡すというイメージでレコーディングしてたんです。4人のときはイントロからサビ前まで私が歌っていたので、「あなたがいれば 強くなれるよ 歓びの足音 聞こえるだろう」で芹奈につながるのがうれしいですね。「おる! 芹奈が横に!!」という気持ちに、いつもなります(笑)。

どんな状況でも音楽を止めない

──本作にはもう1曲、卓球の伊藤美誠選手に向けた応援歌「Whenever you call」も収録されています。伊藤選手が出演するスターツグループのCMソングを担当するのは2回目ですね。

manaka 美誠ちゃんのCMの曲をまたリトグリが歌わせていただけることがめちゃめちゃうれしくて。美誠ちゃんのようなスポーツ選手と一緒にお仕事をする機会ってなかなかないじゃないですか。いつも美誠ちゃんとごはんに行ったりすると、「何かで共演したいよね」という話をしていたんです。だから、スターツグループのCM(「伊藤美誠選手・道はじぶんでつくる」)のテーマソングが「In Your Calling」(2020年2月発売のアルバム「BRIGHT NEW WORLD」収録曲)に決まったときもうれしかったんですけど、今回は、新曲でやらせてもらえるならば、美誠ちゃんにより届くような曲になればいいなと思って歌いました。がんばってる人に響く曲になったんじゃないかなと思いますね。

MAYU 私、この曲もすごく好きで。がんばってる人や好きなことのために一生懸命に努力する人ってホントに輝いているし、そんな方たちがより輝ける曲なのかなって。最初の「WOWWOW」から力強くて、まっすぐに背中を押してくれる曲だなと思うので、たくさんの方に刺さるといいですね。

──リトグリといえば明るくて元気な応援ソングを歌うイメージがありますよね。「REUNION」をはじめ、英語詞のダークな「Waves」(「GRADATI∞N」収録曲)など、最近は新しいサウンドにも挑戦していますが、元気なイメージが強いことはどう感じてますか。

manaka うれしいよな。

MAYU うん、うれしい。

manaka 聴いてもらえるだけでもありがたいですけど、私たちが誰かにとって支えとなる曲を歌えているのであれば、それが一番うれしいことですよね。やっぱり音楽って、つらいときに支えになったり、だからこそ、そういう経験とともに忘れられないものになるじゃないですか。人生の中で大変なとき……例えば、受験勉強中とか、試合に向けてがんばってる部活の練習中に聴いてた曲って、一生記憶に残ると思うんですね。大人になってからも「この曲、がんばってたときによう聴いてたな」と思い返すことが多いと思うので、それはやっぱりうれしいですね。

MAYU 新曲を出させていただくたびに、歌うジャンルは増えていって。それはもちろんうれしいんですけど、やっぱり一番リトグリらしい曲は応援ソングだったり、明るい曲だったりするのかなと思う。いろんなことに挑戦していきたいけど、ベースにある自分たちらしさというのは、ずっと残していきたいなと思います。

──長々とお話を伺いましたが、全曲そろって、ご自身にとってはどんな1枚になりましたか。

芹奈

MAYU (小さな声で)内容濃いな……。あはははは。思わずぼろっと言っちゃった。今、話し終わって改めて思ったんですけど、やっぱり4人での期間があって、5人が再集結できて、そこから生まれた曲があったり、今までの自分たちの曲も入っていたり。物語みたいですよね。ファンの皆さんにとっても、今までのアルバムとは違う受け取り方をしてくれるのかなと思いますし、私たちにとっても、より大切な1枚かなと思いますね。

manaka ここ最近の私たちのいいところをギュギュッと凝縮して聴いてもらえるんじゃないかなと思います。ベストアルバムのあとで、新しいことにチャレンジしている部分もあって。やっぱり、いろいろと挑戦していかないと、自分たちがどんなことができるのか、その可能性みたいなものを探れないと思うんですよね。

──今後についてはどう考えていますか?

MAYU なかなか厳しい状況が続いていくし、やりたいことが完全にできるようになるまでにはまだ時間がかかると思うんですけど、まずは今のツアーがクリスマス前まであるので、楽しく安全に完走することとが目標ですね。そして、これは去年からずっと言ってるんですけど、どんな状況であれ、私たちは音楽を止めないっていう決断をして、今もステージに立っている。いろんな形で音楽を届けられることも学んだので、変わらず歌い続けたいと思います。

manaka 4人体制のときのライブでも、5人で活動を始めてからも、自分のことのように喜んでくださってる人たちがたくさんいて。改めて、私たちのことを待ってくれてる皆さんの愛を感じるんですよね。そんな方々に「リトグリってどんどん面白くなっていくな」と感じてもらえるように、いろんなジャンルもやりたいですし、常に進化しながらも、いい部分は変わらない5人であり続けたいなと思いますね。

ライブ情報

Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<(※終了分は割愛)
  • 2021年10月14日(木)青森県 弘前市民会館
  • 2021年10月15日(金)秋田県 能代市文化会館
  • 2021年10月19日(火)北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
  • 2021年10月21日(木)北海道 旭川市民文化会館
  • 2021年10月31日(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター劇場棟
  • 2021年11月3日(水・祝)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2021年11月12日(金)新潟県 長岡市立劇場
  • 2021年11月14日(日)長野県 ホクト文化ホール(長野県県民文化会館) 大ホール
  • 2021年12月2日(木)岡山県 岡山シンフォニーホール
  • 2021年12月4日(土)広島県 上野学園ホール
  • 2021年12月5日(日)山口県 周南市文化会館
  • 2021年12月17日(金)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール
  • 2021年12月20日(月)大阪府 フェスティバルホール
  • 2021年12月21日(火)大阪府 フェスティバルホール
Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)
「研ぎ澄まされた歌声で人々の心に爪痕を残す」ことをテーマに結成された女性ボーカルグループ。メンバーは芹奈、かれん、MAYU、アサヒ、manaka。2014年10月にシングル「放課後ハイファイブ」でメジャーデビューした。2018年8月リリースの「世界はあなたに笑いかけている」がコカ・コーラの年間イメージソング、2019年9月発表の「ECHO」が「NHKラグビーテーマソング」に採用されるなど、数々のCMや番組にて楽曲が使用されている。また2017年より4年連続で「NHK紅白歌合戦」に出場。2021年1月にベストアルバム「GRADATI∞N」、9月にミニアルバム「re-union」をリリースし、12月まで全国30カ所32公演で構成されるホールツアー「Little Glee Monster Live Tour 2020→2021 >BRIGHT NEW WORLD<」を開催中。