現代版の「ファイト！」

──今回アルバムを通して聴いて、皆さんの声の変化も如実に感じられました。例えば1stシングル曲「放課後ハイファイブ」を改めて聴いてみるとどこか幼く聞こえます。当時と今とで変わったと感じますか？

manaka　そうですね。1日1日で声も変わってますし、みんなそれぞれ考え方も変わって。「放課後ハイファイブ」をレコーディングしたときは6人の中に中学生が3人もいたから、やっぱり子供っぽい部分もあって、そういうのは音楽に表れるんやろうなって思います。「小さな恋が、終わった」「全力REAL LIFE」とかを聴くと自分たちでも少し大人になったと感じますし。

MAYU　曲調も変わってきてますしね。例えば今回「小さな恋が、終わった」っていう “The 恋愛曲”をリトグリのオリジナル曲として初めて歌ったりとか、ホントに少しずつですけど、自分たちのカラーがいろいろ出てきてるのはすごくいいことだなって思います。これからももっと色を付けていってカラフルにしたいなって気持ちです。

──カラフルさで言えば、アルバムの初回限定盤に付属する5曲入りカバー集の幅広さもまたすごいですよね。このラインナップ、中高生のグループの選曲なのかっていう。だって「レイニーブルー」の歌詞に「電話ボックス ダイヤル回して」ってありますけど、皆さんダイヤル回したことあるんですか？っていう。

芹奈　あははは（笑）。小さい頃ある。

MAYU　ありますあります。

──失礼しました（笑）。でも、それにしたって中島みゆきさんの「ファイト！」の歌詞のテーマは中高生としては深すぎなんじゃないかって思いました。

manaka　ふふ（笑）。でも今回はそういう曲にも挑戦して、大人の方が聴いても「いいな」って思える曲をカバーしたくて。それで上の世代の人が知ってるような曲を多めに入れてるんです。

麻珠　「ファイト！」のレコーディングは大変でしたね。

manaka　ね。この曲だけじゃなくて全部長い時間をかけてレコーディングしたけど、「ファイト！」は一番長かったです。1週間弱ぐらいかけてこの1曲に費やしました。歌を何回もやり直した子もいますし。やっぱり難しかったですね。

──どんな心がけで歌おうとしたんですか？

manaka　自分たちの歌で現代版の「ファイト！」をどれだけ作れるかってことを一番に考えて作ったんです。だから大変やったよな？

芹奈　大変やったね。感情を込めるのはそんなに大変ではなかったんですけど、似せて歌っても現代版「ファイト！」にはならないから自分たちなりの歌声、パワフルさで歌おうって。その上で改めて感情を込めると音がブレたりとかして細かいところが難しかったんです。

今作が新しいスタート地点

──多彩な内容に仕上がった1stアルバムですが、リリースを控えた今どんな気持ちでいますか？

芹奈　やっぱり、出せるっていうことがすごくうれしいです。応援してくれる皆さんがいたことで出せたわけだから、ガオラ―（リトグリのファン）の皆さんには本当に感謝してます。

MAYU　うん。これまで4枚もシングルを出せただけでもうれしかったけど、CDを出せることが当たり前じゃない中でアルバムも、ってすごいことやなって。それに、アルバムを発売してまた新しいスタートが切れるなと思ってます。

──新しいスタート？

manaka　はい。2016年初めのリリースっていうこともあるんですけど、今後の自分たちにとってこのアルバムが立ち返る場所というか、活動していく上で忘れちゃいけない初心を思い出せるような場所、原点になるんじゃないかなって。

芹奈　次の目標、2ndアルバムも出せるようにつなげていきたいですね。そんな気持ちで歌ったので、聴いてくれる人にもぜひこのアルバムで新年早々いろいろ感じてほしいです。

かれん　まだリトグリのことを知らないたくさんの人たちが、このアルバムをきっかけに知ってくれたらいいなって思ってます。