音楽ナタリー Power Push - うたパス「Listen with」特集 Vol.2 WEAVER
ファンとつながれる「Listen with」の魅力解説
auの定額制音楽配信サービス「うたパス」に、この秋から新機能「Listen with」が搭載された。
「Listen with」はアーティストやタレントとリアルタイムで同じ音楽を聴きながらチャットができるソーシャル機能。先日より「うたパス」および「KKBOX」アプリを通して参加できる「Listen with」イベントも始まっており、現時点で山崎まさよし、秦基博、MACO、楠田亜衣奈、WEAVER、さかいゆう、ザ・チャレンジらの参加が決定している。
音楽ナタリーでは「Listen with」の特集企画を展開中。今回は第2弾に登場するWEAVERに近況を聞くとともに、「Listen with」に向けての意気込みを語ってもらった。
取材・文 / 中野明子 撮影 / 上山陽介
フェスで感じた自分たちの武器
──WEAVERは今年の夏はいろんなフェスやイベントに精力的に出演していましたね。
杉本雄治(Piano, Vo) はい。今年はデビュー当時に次いで最多だと思います。去年、ロンドンに留学してから3人の演奏力や表現力のレベルが上がったし、ライブに対する自信も付いたのでその成果を報告するのにいろんなイベントに出演したいという思いもあって。デビュー当時にフェスで観てくれた人たちにWEAVERの“今”を伝えられるチャンスだと思って挑みました。
──手応えを感じたイベントはありましたか?
杉本 8月の末に出演した「SWEET LOVE SHOWER」ですね。時間が経つにつれてステージ前に人が増えて、楽しそうにノッてくれて……その景色を見たときはうれしかったです。今回いろんなフェスに出て、周りのアーティストのライブを観ながら、今の音楽シーンの流行と自分たちがやってる音楽は違うんだなって感じたんですよ。でもWEAVERはほかとは違う、自分たちだけの音楽をやるんだって決めていたし、その景色を見てフェスやイベントっていい音楽をちゃんとやってたら人に伝わるんだなって改めて感じました。
奥野翔太(B) 僕も杉本と同じように感じたんですよね。今の音楽シーンの流行と自分たちがやってる音楽は違う。じゃあ、その音楽をフェスやイベントの限られた出演時間の中でどうやって人に伝えようかと工夫していました。
──出演したイベントやフェスの中で特に印象的だったことはありますか?
奥野 男性のお客さんの反応がよかったんですよね。男性がいると盛り上がり方が力強くなるし、おかげで新しい景色を見ることができました。
──河邉さんは?
河邉徹(Dr) 普段は観ることができないアーティストのライブを観られたことが面白かったですね。僕らと同じ世代のバンドにも刺激を受けたんですけど、斉藤和義さんやエレファントカシマシさんが特に印象的で。斉藤和義さんのライブはダントツで音がよくて、PAの人とうまくコミュニケーションができているからなのかな?と思ったり。エレカシはとにかく放たれるパワーがすごくて、本当に勉強になりましたね。
──先ほどフェスやイベントに出演する中で、「自分たちの音楽は今の流行の音楽ではないと実感した」とおっしゃってましたが、ではWEAVERの音楽はどんなところが強みだと思っていますか?
杉本 そうですね……自分たちはもともと歌モノが大好きで、ポップスを追求して音楽を作ってきたんですけど、逆にそのポップな部分にコンプレックスを抱いていたところがあったんです。もっとバンドっぽく見せたいとか、もっと尖ったラウドな音を聴かせたい、ギターロックバンドに負けたくないとか。でも、いろんなフェスやイベントに参加してみて、この編成ではギターロックバンドの音圧や熱量には敵わないところがあると思ったんです。河邉の作る歌詞の世界観も、僕が作る曲もドラマチックでメロウだから、流行りの四つ打ちのロックを鳴らすバンドのような瞬発力や爆発力はない。だったら、僕たちは流行には流されず残っていく音楽を作っていきたいなって思って。僕たちとリスナーの関係性が深くなるような、何年経っても色あせないようなポップスを作っていきたい。それとピアノバンドだからこそできるアレンジもあるし、ライブの面白さはギターロックバンドに負けないと思うんですよね。そういう強みがあることに今年の夏は気付くことができました。
ライブの流れを作れる新曲「Boys & Girls」
──そして今年の夏フェスやイベントで披露されていた新曲「Boys & Girls」が、10月7日にリリースされます。プロデュースは前作「くちづけDiamond」に続き河野圭さんが担当されています。
杉本 はい。もともと河野さんがプロデュースされてきた曲が大好きで、「くちづけDiamond」を一緒に作ってみて河野さんのポップ感やアレンジがWEAVERに合うことがわかったんで、また一緒にやりたいなとは思ってたんです。「Boys & Girls」もすごくポップに仕上げていただきました。でも、河野さんってけっこうひねくれてて、ポップな中に“毒”を盛ってくれるんですよね。
──“毒”というのは?
杉本 今回の曲で言うとストリングスのラインですね。あとは半音の使い方とか、クラシックの要素が入っているところとか。音を聴いたら「これ、河野さんや!」ってわかる。今回の曲も僕たちのプレイヤースピリットだったり、それぞれの楽器の面白さだったりを感じてもらえるようなアレンジにしてもらいました。
──作曲は杉本さんが担当されていますが、どのように作っていったんですか?
杉本 最初はサビのメロディが生まれて。今回は高揚感のあるサウンドにしたかったんで、上に上に上昇していくようなサビにしていって。そのあと曲全体のデモをストリングスのアレンジも含めて自分でだいたい作って、メンバーと河野さんに渡してスタジオであわせていきました。
──河邉さんによる歌詞には、曲の雰囲気とマッチしたポジティブなメッセージが込められています。
河邉 メロディをもらったときから今回はライブのことをイメージして歌詞を書こうと思ったんですね。そのときに、どういう言葉があればお客さんはワクワクするんだろうって考えて。それで出てきたのが「さあ飛べ! 飛べ!」だったり「いざ行け! 行け!」っていうような、これまでWEAVERの曲ではあまり使ってこなかった勢いのある言葉だったんです。今回はストレートで瞬発力のある言葉をサビで使いたいという思いもあって思い切ってみました。
──ライブですでに披露されていますが、お客さんの反応はどうですか?
奥野 新曲ってライブで披露するときは緊張感があるし、定番曲に比べると自分たちも感覚がつかめていないんで構えてしまうところもあるんです。この曲も最初の頃はそうだったんですけど、演奏していく中でライブの流れを作れる曲だなと。初めて聴くお客さんでもすぐリアクションできるような曲を狙ってはいたんですけど、実際に「これはライブでこそ生きる曲だな」って実感してます。
ロンドン留学を経てつかんだ信念
──カップリングの「Door」は、ロンドン留学後のライブから披露されている壮大なミディアムチューンです。
杉本 これはロンドン留学中に作った曲ですね。これが生まれるまで、WEAVERとしてどんな曲を作ればいいのかすごく悩んでたんですよ。ロンドンから帰ったときに、新しいWEAVERを提示しなきゃいけないっていう焦りもあって。そんなときに作ったのが「Door」なんですけど、作っていく中で自分の中の壁を取っ払えたというか。もっと自分の信じるものを作っていこうという覚悟ができたんです。そういう意気込みや前のめりな感じがこの曲に詰まってるんじゃないかと思います。あとロンドンで暮らしていたときに感じた空気感も入ってますね。ちょっと洋楽テイストのサウンドも特長です。
奥野 乾いた質感と奥行きがある感じというか。
──確かに。歌詞もロンドンで書いたんですか?
河邉 はい。僕もプレッシャーや焦る気持ちがあって。ロンドンに行ったら、刺激がたくさんあるから“新しいWEAVER”がすぐ見つけられると思ってたんだけど、そういうわけではなくて。なかなか答えが見つからない中で、「自分が心から信じてきた道を突き進んで、聴いている人に『これいいでしょ?』って自信を持って言えるような音楽を作りたい」っていう結論に達したんです。それを歌詞で表現しました。
──もう1つのカップリング曲「Happiness ~ふたりは今も~」は、奥野さんと杉本さんの2人がツインボーカルを務めています。
奥野 この曲はメロディを作ったあとに河邉が歌詞を作ってきて。1番が男性目線、2番が女性目線っていう構成だったので、周りから「歌い分けしてみたら?」っていう意見が出たんで挑戦してみました。
──この曲は、長年連れ添った夫婦のお互いに対する愛情や感謝の思いがストレートにつづられていますね。「20年前の日と 景色が重なっていく」という歌詞が登場するということは、登場人物は40代の夫婦でしょうか?
河邉 はい。これは自分の両親を想像して書いてみました。1番と2番で視点が違うからこそ、ありふれた言葉やストレートな言葉も面白く聞こえると思ってます。まあ、両親はこの歌詞にあるような「ずっと好きだよ」っていう言葉は言ってないと思いますけど(笑)。
──こういう視点の楽曲を歌えるのは、ストーリーを描く歌詞を得意とするWEAVERならではだなと感じました。ちなみにこの曲はライブで披露したことは?
奥野 まだやってませんね。今度のツアーで披露しようかと。
河邉 きっと盛り上がると思います。僕は2人のデュエットを眺めながら横でドラムを叩きます。
──シングルをリリースしたあとはツアーも控えていますが、今後のWEAVERはどういうふうに進んでいくんでしょうか?
杉本 デビューしてから去年ロンドンに行くまでは、ただひたすらがむしゃらにやってきたんですけど、帰国してから「自分たちなりのポップスを追求していきたい」っていう思いが固まったんです。もっと早い段階でそれを見つけなくちゃいけなかったのかもしれないんですけど、これからは自分たちの音楽に信念を持って、3人でどんどん新しい音楽を作っていきたいなと思ってます。ヒット曲を生み出すことも大切だとは思うんですけど、それは偶然の産物でもあるんで、そこを目指すだけでなく、自分たちが楽しめることや、「この曲を作ることができてよかった」と思える音楽を作り続けることこそが一番大切なんじゃないかなと思ってます。
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うたパス「Listen with」
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「Listen with」とは、有名人やアーティストと一緒に同じ音楽を聴きながらチャットができるソーシャル機能。アーティストが自身の曲、影響を受けた曲、好きな曲などを再生し、ファンはアーティストとチャットで会話が楽しめます。
「Listen with」WEAVER
開催日時:2015年10月18日(日)21:00~22:30[詳しくはこちら]
※「うたパス」「KKBOX」アプリから参加する事が可能です。
WEAVER(ウィーバー)
杉本雄治(Vo, Piano)、奥野翔太(B)、河邉徹(Dr)の3人からなる神戸出身のスリーピースピアノバンド。2004年に高校の同級生同士で結成され、2007年に現在の編成に。2009年10月に配信限定シングル「白朝夢」でメジャーデビュー。2010年2月にメジャー1stミニアルバム「Tapestry」を、同年8月と9月に亀田誠治をプロデューサーに迎えたアルバム「新世界創造記」を前編と後編に分けて発表した。その後もコンスタントにリリースとライブを重ねる中、2014年1月末から半年間のロンドン留学を経験する。6月には初のベストアルバム「ID」をリリースし、9月から10月にかけて「ID」を携えてライブツアーを開催した。2015年5月にシングル「くちづけDiamond」、10月にシングル「Boys & Girls」をリリース。10月より全国ホールツアー「WEAVER HALL TOUR 2015 Still Boys & Girls ~Sing Like Dancing In Our Hall~」を開催する。
- WEAVER「Boys & Girls」
- 2015年10月7日発売
[CD] 1296円
A-Sketch / AZCS-2049
2016年1月12日更新