LiSAがアニメ「Fate/Apocrypha」の2ndクールオープニングテーマである「ASH」をシングルとしてリリースする。
「ASH」はシドのマオ(Vo)が作詞、明希(B)が作曲を手がけた、儚さと力強さを内包したドラマチックなナンバー。「Fate/Apocrypha」のストーリーや登場キャラクターたちに寄り添うような歌詞や、LiSAのエモーショナルな歌声が印象的なロックチューンだ。
「ASH」の誕生を記念して、音楽ナタリーではLiSA、マオ、明希の鼎談を企画。LiSAが2人に楽曲提供を依頼した経緯やレコーディング秘話、2人から見たLiSAの魅力などを語ってもらった。
取材・文 / 須藤輝 撮影 / 須田卓馬
「Fate」に対して、何かお土産を持っていかないと
──今回のコラボは、どういった形で実現に至ったんですか?
LiSA 完全に私のワガママからです(笑)。私にとって「Fate」って、デビューしてすぐ、1stシングル(表題曲「oath sign」が2011年放送のアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマに採用された)で関わらせてもらった作品なんですね。それで今回、6年越しにまた主題歌を歌わせていただくにあたって「何かお土産を持っていかなきゃいけないな」って思ったんですよ。
──お土産。
LiSA はい。で、お世話になった作品に感謝の意を込めつつ、前よりパワーアップしたものを一緒に作ってくれる人は誰か。「Fate」の世界をLiSAっていう人が歌うことや、作品の持つ女性らしい部分やちょっと“陰”な部分もまるっとカッコよくロックにしてくれる人って誰かなって考えた結果、「あの、ダメ元でシドさんにお願いしてもらっていいですか……?」って。
明希 今、ご本人発のオファーだったっていうのを知って、めちゃめちゃうれしかったですね。てっきり制作チームの方の発案だと思ってたので。
マオ うんうん。
──ひょっとして、LiSAさんとマオさん、明希さんがお話しするのって……。
マオ 俺とLiSAさんは初めてですね。
LiSA 明希さんはレコーディングにもいらしてくださって、そのときに少し。でも、きちんとこういう場でお話しするのは初めてなので、今すっごいドキドキして「ヤバい! どうしよう!?」みたいになってます(笑)。
──ちなみに、シドのお二人がどなたかに楽曲を提供するのって、今回が初めてですか?
マオ 自分のプロデュースしてるバンドに歌詞を提供することはあるんですけど、明希と2人でっていうのは初めてですね。
明希 うん。シド以外では初めて。
マオ だから自分らの中にも発想がなかったので、お話をいただいたときに「あ、それアリなのかな」っていう(笑)。よくよく考えれば、いつもやってることなんですけど。
LiSA あはは(笑)。
声が切なく強く、ときには痛く刺さるような曲を
──では、作曲の明希さんに伺います。今回の楽曲はアニメ「Fate/Apocrypha」のタイアップであり、かつシドのマオさんでもなくソロアーティストとしてのご自身でもなく、LiSAさんが歌う曲ですが、どのように作曲を?
明希 まず、女性に曲を提供するっていう機会がほぼほぼなくて。だからメロディの展開やキーに関しては探り探りだったところもあるんですけど、以前あるイベントでご一緒したときに、LiSAさんのステージを袖でずっと観てて、すげえパワーがあって、なのに繊細な歌声が印象に残ってたんですよ。それをより強く打ち出せるロックサウンドをイメージしたら、わりとピタッとハマったんです。で、アニメの脆く儚い感じの世界観に寄り添いつつ、LiSAさんの声が切なく強く、ときには痛く刺さるような曲を、と。イメージが固まれば速いので、あまり迷わず書けましたね。
LiSA いただいたデモの仮歌に、明希さんの歌が入ってたんですよ。だから最初「これ、明希さんの歌だな」って(笑)。
明希 いやいや。出るわけないじゃないですか、女の人のキーが(笑)。もうひーひー言いながら歌いましたよ。
LiSA いえいえ、「このままリリースできるやん」って思いましたよ。これまで私が歌ってきた曲って、譜割りが細かい曲が多いので、合間に自分の癖を入れていくと間に合わなくて。だからけっこうストレートに、極端に言うとカクカク歌っちゃうことが多かったんです。でも明希さんにいただいた曲はメロディをきちんと届けるものだったので、音符と音符の間を埋める歌のニュアンスがすごく求められるなって思いました。と同時に「これを自分は歌いこなせるんだろうか?」っていう不安もあって、レコーディングのときもめちゃくちゃ迷ったんですよ。
明希 うん。「どうやって歌ったらいい?」って最後まで言ってたよね。
LiSA 言ってましたね(笑)。
──その明希さんがLiSAさん用に書かれた曲を、マオさんはどう思われました? 例えば「いつものシドと違うな」とか。
マオ そもそも、シドは俺以外のメンバー3人が作曲してるんですけど、いつもみんな「シド用の曲です」って感じで持ってこないと言うか。だから毎回「えっ、これもシドなの?」って驚かされるんですよね。今回も、もちろん「LiSAさん用に書いたんだろうな」とは思ったんですけど、「だからシドとは違う」とはあまり思わなくて、また新しい明希を見せてきたなって。シドのメンバーである前に1人の作曲家として、引き続きちゃんとやってるなって思いましたね。
──今おっしゃった「新しい明希」さんというのは、具体的に言語化できますか?
マオ デモの段階では「いつも通りの明希だな」と思ったんですけど、LiSAさんの歌が乗ったものを聴いて、「ああ、こうなんるんだ!」って。つまり、いつも通りに見えて、ちゃんと女性の歌声にハマる曲に仕上げていたんだって、あとから気付かされました。
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明希のアイデアを汲んだ、おいしいアレンジ
- LiSA「ASH」
- 2017年11月29日発売 / SACRA MUSIC
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初回生産限定盤 [CD+DVD]
1728円 / VVCL-1130~1 -
通常盤 [CD]
1296円 / VVCL-1132 -
期間生産限定盤 [CD+DVD]
1728円 / VVCL-1133~4
- 初回生産限定盤、通常盤CD収録曲
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- ASH
[作詞:マオ(シド) / 作曲:御恵明希(シド) / 編曲:江口亮] - 罪人
[作詞:LiSA / 作曲・編曲:Sho(MY FIRST STORY)] - ONLY≠LONELY
[作詞:金井政人(BIGMAMA) / 作曲:小南泰葉 / 編曲:堀江晶太] - ASH -Instrumental-
- ASH
- 初回生産限定盤DVD収録内容
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- 「ASH」ミュージッククリップ
- 期間生産限定盤CD収録曲
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- ASH
- 罪人
- ONLY≠LONELY
- ASH -TV ver.-
- 期間生産限定盤付属DVD収録内容
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- TV アニメ「Fate/Apocrypha」2nd クール ノンクレジット OP 映像
- LiSA(リサ)
- 6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。その後、横浜アリーナ2DAYSやさいたまスーパーアリーナ2DAYSなど大会場でのワンマンライブも完売させ、また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立した。5月に4thアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」、7月に12thシングル「だってアタシのヒーロー。」、11月に13thシングル「ASH」を発表。
- シド
- マオ(Vo)、Shinji(G)、明希(B)、ゆうや(Dr)からなる4人組ロックバンド。2003年に結成され、翌年1stアルバム「憐哀-レンアイ-」をリリース。2006年には初の日本武道館ワンマンライブを敢行。2008年10月にアニメ「黒執事」第1期オープニングテーマとして採用された「モノクロのキス」でメジャーデビューする。2009年7月にはメジャー1stアルバム「hikari」をリリースした。その後も精力的なリリースとライブ活動を繰り広げ、2010年7月にはさいたまスーパーアリーナ、12月には東京ドームでライブを行う。結成10周年を迎えた2013年は初のベストアルバム「SID 10th Anniversary BEST」のリリースをはじめ、アニバーサリーライブなどさまざまな企画を実施。2017年1月に劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」の主題歌として書き下ろしたシングル「硝子の瞳」を、5月にはシングル「バタフライエフェクト」を発表し、日本武道館で2DAYSライブを行い両日共に即完。8月にアニメ「将国のアルタイル」のオープニングテーマ「螺旋のユメ」を収録したシングルを、9月にアルバム「NOMAD」をリリースした。
- シド「夜更けと雨と / 夜明けと君と」
- 2017年12月27日発売 / Ki/oon Music
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[Blu-ray Disc]
12960円 / KSBL-6297~8 -
[DVD]
10800円 / KSXL-252~3
- シド 結成十五周年記念公演「シド初め」
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2018年1月1日(月・祝)Zepp Tokyo
- SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018 ID-S限定LIVE
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2018年5月5日(土・祝)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
2018年5月6日(日)東京都 Zepp DiverCity TOKYO - ファン投票LIVE(大阪編)
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2018年5月12日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 暴れ曲限定LIVE
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2018年5月13日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- ファン投票LIVE(名古屋編)
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2018年5月18日(金)愛知県 Zepp Nagoya
- 暴れ曲限定LIVE
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2018年5月19日(土)愛知県 Zepp Nagoya
- ファン投票LIVE(福岡編)
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2018年5月26日(土)福岡県 DRUM LOGOS
- 暴れ曲限定LIVE
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2018年5月27日(日)福岡県 DRUM LOGOS
- インディーズ曲限定LIVE
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2018年6月2日(土)北海道 Zepp Sapporo
- 昭和歌謡曲限定LIVE
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2018年6月9日(土)宮城県 SENDAI GIGS
- ファン投票LIVE(東京編)
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2018年6月15日(金)東京都 Zepp Tokyo
- 暴れ曲限定LIVE
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2018年6月16日(土)東京都 Zepp Tokyo