LiSA|すべてを受け止め進む覚悟のパレード

LiSAの役目をちゃんと背負わせてくれる人

──古屋さんの歌詞も、先の「JUMP!!」よりも、アルバムコンセプトに寄せてきてますよね。

もう、ここは古屋さんの得意分野ですよね。というか、古屋さんが私に預けた分野ですね。「楽しく音で遊ぶ」っていう役割を私にくれたのは、古屋さんだと思ってます。だって、例えば「世界をハラハラさせなさい」って、普通言います?(笑)

──言いませんね(笑)。

LiSA

ねえ。「カラダ振ればスーパースター」とか、自分じゃ絶対書けないことを歌わせてくれる。LiSAの役目をちゃんと背負わせてくれる人です。

──曲名に「Beast」とあるように、「お前の中の獣を解き放て」みたいな内容なのに、やたら面白おかしい歌詞になってるっていう。

そうそう。ププーって笑っちゃう。私が初めて古屋さんに歌詞を書いてもらったのは「WiLD CANDY」(1stアルバム「LOVER"S"MiLE」収録 / 2012年2月発売)という曲なんですけど、この曲は歌詞コンペをして、いろんな作家さんに歌詞を書いてもらったんですよ。その中で「この人しかいない!」って思ったのが古屋さんで。だから、最初から好きな言葉選びの感覚が似てたんです。

──感覚は似てるけど、LiSAさんには「絶対書けない」言葉を持ってくるっていうのも面白いですね。

はい。やっぱり古屋“大先生”なので。私より知識も経験も豊富ですし。もちろん私は私で、女性であるということも含めて自分にしか書けない歌詞があると思ってます。でも、そこから背伸びして古屋さんに近付こうとするよりは、古屋さんの見識をお借りして、LiSAというシンガーを作っていくほうが自然というか。

つらい別れを噛みしめていた、闇の時期に書いた歌詞

──10曲目の「Blue Moon」はみたびカヨコさん作曲で、やはり先の2曲とは異なるエモいバラード。作詞はLiSAさんで、自分のもとを去ってしまった「アナタ」を思う、文字通りブルーな曲ですね。

「Blue Moon」は、アルバム曲の中では最初に作った曲で、「Catch」よりも先にできてたんですよ。で、「Catch」のときって、さっきも言ったように「永遠を作っていけばいいじゃん」っていう前向きな気持ちだったけど、「Blue Moon」は、いくつかのとてもつらいお別れを噛みしめているときに詞を書いてるんです。「人が離れていくときの悲しさとどうやって向き合っていこうか」って1人で考えながら。

──「リングアベル」も似たような心境で書かれたとおっしゃっていましたね。要は、昔の女友達が家庭に入って以前みたく遊べなくなってしまったという状況が起点になっていると。

そうそう。そこは相通じるものがありますね。そういう闇の時期がありました(笑)。

──でも、「Catch the Moment」でそれにもケリをつけた。

そうですね。ただ、やっぱり寂しい気持ちが完全になくなったわけじゃなくて、それを解消する方法を見つけただけ。だから「ケリをつけた」というよりは、「そういう気持ちと折り合いをつけることができた」ということですね。

20代の自分への手紙のような曲にしたかった

──そして、シングル曲の「Brave Freak Out」へと続くわけですが、満を持してキラーチューンをぶっこんできた感がありますね。

そう。「Blue Moon」のあとっていうのがキモです。たぶん、「Brave Freak Out」は序盤にあってもあんまり生きないと思うんですけど、ここに入れたらグッとくるなって。

──ブルーな空気を“BLACK”に塗り替えるような、曲調も歌詞も強い「Brave Freak Out」から、また一転してウォームなバラード「TODAY」へ。

「TODAY」はとにかく、小南(泰葉)さんからいただいたデモのメロディが好きすぎて、そのメロディに乗せる歌詞は、自分が今書くべきことをきちんと書きたいと思って、最後に書いたんです。で、akkinさんにも「きちんとロックしつつ、言葉をちゃんと届けられるバラードにしたい」ってお願いして、こういうサウンドになりました。

──その歌詞の内容を要約すると、地道に歩いてきた先に“今日”があると。

最初のほうにお話ししましたけど、「LiTTLE DEViL PARADE」って、私にとって20代最後のアルバムなんですよね。でも、私は最近になるまで30歳になった自分のことなんて考えたことなかったし、デビュー当時の私は武道館っていう夢のさらにその先に自分がいるなんてことは1mmも想像してなかったんです。だから「TODAY」は、目の前だけ見て一所懸命がんばってる20代の自分に、今ここに立ってる私だからこそ渡せる手紙みたいな曲にしたいなって。

──過去の自分への手紙、送れたらいいですよね。僕も20代の自分に言いたいことは山ほどあります。

そうそう。でも、今の私が過去の私に一番言いたいのは「そのままでいいよ」ってこと。一所懸命やっていれば、その先に必ずいいことがあるから。

──「そのままでいいよ」というのも、アルバムのテーマに重なりますね。今回のアルバム曲の歌詞は非常にコンセプチュアルというか、つながりが見えます。表面的な部分だと、「LiTTLE DEViL PARADE」と「LOSER」には、いずれも酒(「ワイン」と「アルコール」)と「牙」が出てきたり。「牙」に限れば、「TODAY」にも「牙をむき出した僕は」という一節があります。

そう。そうなんです。特に「牙」は、デビルたちの象徴として意識的に入れました。

──と同時に、「牙」はコンプレックスの象徴でもあるのかなと。つまり「そこにコンプレックスを感じる必要なんかないし、むしろかわいいから見せていこうよ。それも含めてあなただよ」っていう。

そうそうそう。嫌いだったところを認めるっていう意味では、私も自分の八重歯が嫌いだったので。でも、それが自分のシンボルとしても認められるようになったから、自分のブランド名も「YAEVA(MUSiC)」にできた。

LiSA「LiTTLE DEViL PARADE」
2017年5月24日発売/ SACRA MUSIC
LiSA「LiTTLE DEViL PARADE」Blu-ray付き初回限定盤 [CD+Blu-ray Disc]

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4104円 / VVCL-1040~1

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LiSA「LiTTLE DEViL PARADE」DVD付き初回限定盤 [CD+DVD]

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3780円 / VVCL-1042~3

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LiSA「LiTTLE DEViL PARADE」通常盤 [CD]

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3240円 / VVCL-1044

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5400円 / VVCL-1045~7

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CD収録曲
  1. LiTTLE DEViL PARADE
    [作詞:LiSA / 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!?]
  2. Catch the Moment
    [作詞:LiSA / 作曲:田淵智也 / 編曲:江口亮]
  3. LOSER ~希望と未来に無縁のカタルシス~」
    [作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:江口亮]
  4. the end of my world
    [作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:堀江晶太]
  5. JUMP!!
    [作詞:古屋真 / 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)]
  6. 狼とミサンガ
    [作詞:LiSA / 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)]
  7. Rally Go Round
    [作詞:LiSA、古屋真 / 作曲:じん / 編曲:akkin]
  8. Empty MERMAiD
    [作詞:LiSA / 作曲:YOOKEY(THE MUSMUS) / 編曲:akkin]
  9. Peace Beat Beast
    [作詞:古屋真 / 作曲:南田健吾 / 編曲:江口亮]
  10. Blue Moon
    [作詞:LiSA / 作曲:カヨコ / 編曲:akkin]
  11. Brave Freak Out
    [作詞:田淵智也 / 作曲・編曲:高橋浩一郎]
  12. TODAY
    [作詞:LiSA / 作曲:小南泰葉 / 編曲:akkin]
  13. そしてパレードは続く
    [作詞・作曲:田淵智也 / 演奏・編曲:東京スカパラダイスオーケストラ / ホーンアレンジ:北原雅彦]
DVD / Blu-ray収録内容
  1. LiTTLE DEViL PARADE -Music Clip-
  2. Catch the Moment -Music Clip-
  3. Brave Freak Out -Music Clip-
  4. Hi FiVE! -Music Clip-
完全生産限定盤 Blu-ray収録内容
  1. LiTTLE DEViL PARADE -Music Clip-
  2. Catch the Moment -Music Clip-
  3. Brave Freak Out -Music Clip-
  4. Hi FiVE! -Music Clip-
  5. TODAY in L.A.the movie
LiSA「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」
  • 2017年9月24日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2017年9月30日(土)長野県 ホクト文化ホール
  • 2017年10月1日(日)石川県 本多の森ホール
  • 2017年10月7日(土)岐阜県 長良川国際会議場
  • 2017年10月9日(月・祝)静岡県 静岡市民文化会館
  • 2017年10月15日(日)神奈川県 川崎市スポーツ・文化総合センター
  • 2017年10月21日(土)滋賀県 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
  • 2017年10月28日(土)栃木県 栃木県総合文化センター
  • 2017年11月3日(金・祝)香川県 サンポートホール高松
  • 2017年11月9日(木)東京都 中野サンプラザホール
  • 2017年11月18日(土)広島県 広島文化学園HBGホール
  • 2017年11月19日(日)福岡県 福岡サンパレス
  • 2017年11月24日(金)北海道 わくわくホリデーホール
LiSA(リサ)
LiSA
6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年1月に初の東京・日本武道館ワンマン「LiVE is Smile Always ~今日もいい日だっ~」を行い、翌2015年1月には日本武道館2DAYS「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」を成功させた。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「Animelo Summer Live」「氣志團万博」などさまざまな大型音楽イベントに出演し個性を発揮している。2017年春にはオリジナルブランド「YAEVA MUSiC」を設立。5月に通算4枚目となるフルアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」をリリースした。9~11月にはアルバムを携えてのライブツアー「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~『そしてパレードは続く』」を行う。