音楽ナタリー Power Push - LiSA

ベストDVD / Blu-rayから考える“今のLiSA”と“あの頃のLiSA”

“かつての言葉”でMV集の収録曲を紐解く デビューミニアルバム「Letters to U」&シングルヒストリー

ここまではLiSAのBlu-ray / DVD「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」の収録曲に対する、彼女の“今”の思いを聞いてきた。そしてここからは過去編として、ミュージックビデオ集収録曲リリース時の音楽ナタリーや各雑誌でのインタビューを振り返る。今回のインタビューと読み比べてみると、当時のLiSAと今のLiSAの楽曲に対する思いの変化や、はたまた今もかつても変わらぬ思いが浮き彫りになるはずだ。

LiSAディスコグラフィ 社会のできごと

2011年4月20日

1stミニアルバム「Letters to U」

LiSA、デビュー盤の幕開け飾る自作曲を語る
LiSA「Letters to U」初回限定盤ジャケット
デビューミニアルバム「Letters to U」の1曲目はLiSAの自作詞・自作曲のナンバー「Believe in myself」。当時の彼女はこの曲を「昔の私への手紙」と位置付け、「『大丈夫、お前は間違っていないからがんばれよ』って今だったら言える。そんな気持ちで歌ったんです」と、音楽の世界で生きることに憧れていたものの、今のようになれる確信を得られなかった子供時代の自身に向けたものだとした(※1)。
同年度から完全実施される新学習指導要領で小学5、6年生の外国語活動が必修化される(4月2日)。

2011年11月23日

1stシングル「oath sign」

LiSA、“LiSA初のアニソン”を語る
LiSA「oath sign」初回限定盤ジャケット
表題曲はアニメ「Fate/Zero」1stシーズンのOP曲。過去、アニメ「Angel Beats!」の劇中バンドGirls Dead Monsterのボーカリスト・ユイ名義で歌ってきたLiSAにとって初の個人名義のアニソンとなった。彼女はこの曲を前に「作品の中に含まれている想い、音楽に込められている感情、それを伝えることが私の役割」としながらも、「戦いがつらくても、自分の望むものがあれば乗り越えられる——まさに『Fate/Zero』で描いているテーマ」(※2)と当時の自身の心情には結びつきがあった。それだけに「(初アニソンゆえの)プレッシャーがあるかっていったら正直なくて」(※3)と語った。
大阪市長選挙・大阪府知事選挙の投開票が同日開催。大阪市長に大阪維新の会(当時)の橋下徹、大阪府知事に同じく大阪維新の会(当時)の松井一郎(11月27日)。

2012年8月8日

2ndシングル「crossing field」

LiSA、LiSAッ子との間に芽生えた信頼を語る
LiSA「crossing field」初回限定盤ジャケット
当時、各媒体の取材でLiSAは「テーマは信頼」と繰り返している。シングル表題曲はアニメ「ソードアート・オンライン《アインクラッド》編」OP曲。ほかのプレイヤーと力を合わせて戦うオンラインゲームの世界を舞台にしたアニメを「キャラクター同士に信頼があってこそ成り立つ物語」とし、また「それは私も同じ」(※4)とキッパリ。「LiSAとして活動を始めてから1年が経って、ファンの方が信じてくれるから自分自身を信じられるようになった」「みんなと一緒に歩んできた1年をまとめる一曲になった」(※5)と楽曲を表した。
東京・銀座で、ロンドンオリンピックメダリスト出席のパレード開催。沿道に100万人が詰めかける(8月20日)。

2013年4月3日

3rdシングル「best day, best way」

LiSA、初のノンタイアップシングルを語る
LiSA「best day, best way」初回限定盤ジャケット
表題曲「best day, best way」はノンタイアップの楽曲ながら、LiSAは「この曲のタイアップ先はLiSA」と明言。そして「でもルーツ的な曲ともちょっと違って、『Letters to U』を作ってから2年、(アニメのタイアップ曲だった)『crossing field』や『oath sign』なんかも歌わせていただけるようになった今(2013年)のLiSAが『自分のやりたいことをやっちゃえ!』って出したのがこのサウンド」とLiSA楽曲の最新モードであることを強調した(※6)。
長嶋茂雄と松井秀喜、国民栄誉賞受賞(4月16日)。

2013年8月7日

4thシングル「träumerei」

LiSA、“LiSAアニソン”の作り方を語る
LiSA「träumerei」初回限定盤ジャケット
次々作「シルシ」発表時、LiSAはアニメ「幻影ヲ駆ケル太陽」のOPを彩った「träumerei」について「原作のないオリジナルアニメだったので、私自身も物語を形作る1人になれた。アニメの脚本や設定資料を読んでLiSAとして感じたこと、私の色を付けて歌えた」(※7)とコメント。また「自分のなかの“アニメとロックの間”(中略)にうまくまとまった」「『LiSAとしてアニメの音楽をやれるかな』って初めて思った」楽曲だとも語っている(※8)。
高知・四万十市で国内観測史上最高となる気温41.0℃を観測(8月12日)。

2014年5月7日

5thシングル「Rising Hope」

LiSA、進化する“LiSAアニソン”を語る
LiSA「Rising Hope」初回限定盤ジャケット
表題曲はアニメ「魔法科高校の劣等生」OP曲にしてアニメソングとしては初の自作詞曲。その詞についてLiSAは「träumerei」での経験を踏まえつつ「やっとアニメのテーマソングを私の言葉で書けるようになって(中略)等身大のLiSAの言葉を並べたんだけど、ちゃんと作品ともリンクした詞になった」(※9)「(アニメ)作品とLiSAと(の割合)が100:100くらい」(※10)と、アニメの世界に寄り添いつつも自身の心情にウソなく言葉を紡いだことを明かした。
3月から国際宇宙ステーション船長を務めていた宇宙飛行士の若田光一がロシアの宇宙船ソユーズで地球に帰還。日本人が国際宇宙ステーションの船長を務めるのはこれが初。また今回の任務で若田が達成した1回の任務での宇宙滞在日数188日、通算の滞在日数348日は日本人最長(5月14日)。

2014年9月17日

6thシングル「BRiGHT FLiGHT / L.Miranic」

LiSA、“PiNK”&“BLACK”に見た自身の力量を語る
LiSA「BRiGHT FLiGHT / L.Miranic」初回限定盤ジャケット
野間康介(agehasprings)作曲・編曲の「BRiGHT FLiGHT」と、MAH(SiM)作曲の「L.Miranic」という作家からして対極をなす2曲による両A面シングル。LiSAは「BRiGHT FLiGHT」を「明るくて“PiNK”」な楽曲、「L.Miranic」を「悪くて“BLACK”」と評し、特に“PiNK”はチャレンジだったとした上で、その両極を歌って「自分のキャパシティとか力量を確かめられた」という。結果得られた答えは「『あれっ!? 私、ピンクもけっこう似合ったんだ』って感じでしたね(笑)」(※11)。
第2次安倍改造内閣が発足(9月3日)。

2014年12月10日

7thシングル「シルシ」

LiSA、“今だから歌えるバラード”を語る
LiSA「シルシ」初回限定盤ジャケット
「シルシ」はLiSAのシングル表題曲としては初のバラード。「初めての武道館(2014年1月)のおかげで自分の思いをバラードに乗せて人に届ける方法を見付けることができて」「この曲はそのあとだから生まれた曲」「バラードでもちゃんと“LiSAの歌”として受け取ってもらえる。今だったら“LiSAのシングルはロック”っていう鎧を脱いでも歌えるなって思えるようになったから、今回はバラードで勝負したかったんです」(※12
米国バラク・オバマ大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長、2国の国交正常化交渉開始を宣言(12月17日)。

2015年5月27日

8thシングル「Rally Go Round」

LiSA、“神様のいたずら”との折り合い方を語る
LiSA「Rally Go Round」初回限定盤ジャケット
表題曲はLiSAが作詞、じんが作曲するパーティチューン。彼女はこの曲がOP曲に採用されていたアニメ「ニセコイ:」がラブコメディであることに言及し「そこから解釈を広げて、恋も含めた夢を追いかける誰かの背中を押す応援歌が作りたいなっていう私の気持ちに繋げ」た。「何かしら起こる神様のいたずらに対し、『ま、いいか。明日頑張ろう』って思えるような応援歌を私は作りたかった」と、この曲の底抜けにかわいらしく、また陽性な歌詞に込めた思いを語っている(※13)。
錦織圭、テニス全仏オープンでベスト8に。日本人としては82年ぶりの快挙(5月31日)。

2015年9月30日

9thシングル「Empty MERMAiD」

LiSA、幸せのカタチを語る
LiSA「Empty MERMAiD」初回限定盤ジャケット
表題曲はTHE MUSMUSのYOOKEY作曲の“BLACK”な1曲。このヘヴィでダーティな楽曲にLiSAは自らの幸せの希求する“強い” 言葉を乗せている。「周りから『お前満たされてるじゃん』って言われたとしても、自分が実感できてないなら『もっと!』って言ってもいいし、逆にマーメイドのように『いや、それ不幸でしょ』と思われていたとしても、それに幸せを感じるなら貫けばいい」「『幸せの形は人それぞれなんだし、自分が望む幸せを求めていいんだよ』って。そう歌ってみたらもっと面白いことが始まるんじゃないか、と思っています」(※14
ラグビーワールドカップイングランド大会で日本代表が強豪・南アフリカに34-32の歴史的逆転勝利(9月19日)。
DVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」2016年6月29日発売 / アニプレックス
「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」
Blu-ray2枚組 5940円 / ANSX-10044~5
DVD2枚組 4860円 / ANSB-10044~5
DISC 1

LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015

  1. Believe in myself
  2. 妄想コントローラー
  3. oath sign
  4. crossing field
  5. best day, best way
  6. I'm a Rock star
  7. träumerei
  8. Rising Hope
  9. BRiGHT FLiGHT / L.Miranic
  10. シルシ
  11. No More Time Machine
  12. Rally Go Round
  13. Empty MERMAiD
DISC 2

BONUS DiSC「LiVE is Smile Always ~メガスピーカー~in幕張メッセ国際展示場」

  1. ID
  2. rapid life シンドローム
  3. crossing field
  4. 妄想コントローラー
  5. say my nameの片想い
  6. アコガレ望遠鏡
  7. ギフトギフト
  8. リスキー
  9. DOCTOR
  10. L.Miranic
  11. Empty MERMAiD
  12. Rally Go Round
  13. エレクトリリカル
  14. WiLD CANDY
  15. Bad Sweet Trap
  16. EGOiSTiC SHOOTER
  17. コズミックジェットコースター
  18. ROCK-mode
  19. Rising Hope
  20. シルシ
  21. Mr.Launcher
  22. BRiGHT FLiGHT
  23. ジェットロケット
LiSA「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」
the Sun

2016年11月26日(土)神奈川県 横浜アリーナ

the Moon

2016年11月27日(日)神奈川県 横浜アリーナ

LiSA(リサ)
LiSA

6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年末には「COUNTDOWN JAPAN 14/15」に、2015年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「氣志團万博」にも出演するなどさらに活動の幅を広げている。デビュー5周年となる2016年4月にはミニアルバム「LUCKY Hi FiVE!」をリリース。さらに6月にはこの5年間で発表してきたミュージックビデオをまとめたDVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」を発表する。また11月にはキャリア最大キャパシティとなる神奈川・横浜アリーナで2DAYSライブ「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」を開催する。