音楽ナタリー Power Push - LiSA

ベストDVD / Blu-rayから考える“今のLiSA”と“あの頃のLiSA”

「メガスピーカー」で行かせたい高校が決まった

──「Empty MERMAiD」(2015年9月発売の9thシングル)はリリースから1年にも満たない曲ですし、当時と今の心境の差というのは……。

LiSA

そんなにはないですね。でも「Empty MERMAiD」は今のツアーですごく力を発揮してきていると思います。自分の中では最初から100点ではあるんですよ、どの曲も。ただこの曲は去年の年末の「メガスピーカー」(2015年12月23日に千葉・幕張メッセ国際展示場で開催されたワンマンライブ「LiVE is Smile Always~メガスピーカー~」。MV集DISC 2に収録)で、“彼”の使い方というか、キャラクターというか、今後行かせたい高校は決まった。

──あはははは(笑)。今のツアーではライブ中盤のピークタイムを作る1曲になってますよね。

今は無事志望校に入って、がんばってる途中です(笑)。

“私”と“LiSA”と“エル・アイ・エス・エー”の距離感

──MV集を観て改めて思ったんですけど、LiSAさんはなんでこんなに楽曲に恵まれるんですかね? 言い換えるなら楽曲を提供している作家さんたちが的確にLiSA像を把握している、または作家さんに対するLiSAさんの人間性のバレ方がハンパないということだと思うんですけど……。

あはは(笑)。私は作家さんにお願いするとき、いつも「好きなものを作ってください!」って言うんですよ。私はある意味作家さんを選択する人、楽曲の路線を考えたあと「この道、この路線だったらこの作家さんかな」って、お願いする作家さんを考える人なんだと思っていて。あとはもう信頼関係ですね。その作家さんのことを信頼しているから「好きなものを!」ってお願いできるし、さすが信頼している作家さんだけあって、ちゃんと“そのときどきのLiSA”に似合う曲を書いてきてくれて。だから曲に恵まれているように見えるんだと思います。しかも最近は、もう5年のお付き合いのある作家さんもいますし。そういう方なら「好きなものを!」って頼んでも、そこに込めた私の気持ちを受け取りやすくなっていると思うし。これからはもっとLiSAらしい曲がたくさん生まれるんじゃないかな、って思ってます。

──今はその“LiSAらしさ”ってどういうものだと思ってます? 1年前、「Launcher」(2015年3月発売の3rdフルアルバム)発売時に伺ったときはLiSAという存在を「本名の私でも、シンガーのLiSAでもない。もっと抽象的な『エル・アイ・エス・エー』っていう合言葉みたいなものになりつつある」っておっしゃってましたけど(参照:LiSA「Launcher」インタビュー

LiSA

最近は“私”自身と“LiSA”と“エル・アイ・エス・エー”が近付いている気がしてます。そもそも最初から“LiSA”や“エル・アイ・エス・エー”だって“私”の中にまったく存在しないキャラクターではなくて。自分自身の気持ちに素直になって“LiSA”像、 “エル・アイ・エス・エー” 像を作り上げてきているから、最初から好きなものがブレることはあっても、まったく違う誰かになることはなかったんですけどね。好きだった肉が嫌いになりましたみたいなことはなくて、「“エル・アイ・エス・エー”はこってりしたカルビが好きかもしれないけど、本名の“私”は最近はちょっとサッパリがいいからハラミもいいな」みたいな、そのときどきのモードが違うだけで。でも、今は“エル・アイ・エス・エー”の肉の好みも“私”の好みもすごく近い感じがしていて。だから「LiSAとは?」って聞かれたら、「私のことです」って答えられるし、以前よりも「“LiSA”の曲は“私”の曲だ」って言い切れる感じになってますね。

もっとすっごい楽しいことできるんじゃないかってワクワクしてる

──さて、6年目以降のLiSAさんはどうなっていくのでしょうか。

去年くらいから、私に対するみんなのイメージが変わってきた気がしているんです。昔からライブに来てくれていたり、LiSAの音楽を理解しよう、愛そうと思っている人たちは、けっこうはっきりLiSAのイメージを持ってくれてるし、私のそのときどきの変化もきっと細かく知ってくれてると思うんですけど、まだLiSAのことをあんまり知らない人がパッと私を見たときの印象って、少しずつ変わってきてるんじゃないかなって。

──以前はどう思われてると思ってました?

誰だ、コイツ?って感じ(笑)。でも今はロックフェスに出ても「アニサマ」に出ても、ちゃんと受け入れてもらっている感じ、ちゃんと私に対するイメージを持ってくれてる感じがして、それがすごくうれしいなと思っていて、だからこそ、これからはもっともっとみんなと楽しいことがしたいし、そのとき一緒にいる人たちと行けるところまで行ってみたいって思ってます。それが6年目、7年目の目標ですね。今応援してくれてる人のことも、これから私を知ってくれる人のことももっと楽しくさせる自信がある。「みんなと一緒に楽しいことを作ってくることができた」と自信を持って言える5年間だったので、もっと多くの人に「ここに来たら楽しいことがあるよ」って伝えたいです。「私の音楽で楽しめ!」じゃなくて、みんなとそこにいる時間で、もっとすっごい楽しいことできるんじゃないかって私がワクワクしてる、と言ったほうが正しいですね。

──ワクワクしている気持ちって「私、ワクワクしています」って言ったところで伝わらないと思うんですよ。どうやって伝えるものなんでしょうね、ワクワクって。

LiSA

最近気付いたんですけど、私、海外公演ってとても得意なんですよ。この間マレーシアに行ってきたんですけど、初めての場所なのに、すごく楽しかったし、みんなもすごく楽しんでくれているなというのが伝わってきて。きっと言葉の通じない海外で一番伝わるのって、表情なんだと思うんです。マレーシアのライブがすごく楽しかったから、私ずっと笑顔だったんですけど、だから自分が楽しんでいることが伝わっちゃったんだと思いますし。

──ワクワクを“伝えようとした”わけではないけど “伝わっちゃった”?

って思ったんですよ。それは言葉で知ったことじゃないですから。「ワクワクしてるよ」「楽しみにしてたよ」っていう会話を現地の言葉で聞いて理解したわけじゃないけど、お客さんの表情を見て私には伝わっちゃいましたから。だからきっと私のワクワクも表情で伝わってるんだろうなって思ってます。そしてそういうコミュニケーションができる場所がライブなんだと思うんですよね。

DVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」2016年6月29日発売 / アニプレックス
「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」
Blu-ray2枚組 5940円 / ANSX-10044~5
DVD2枚組 4860円 / ANSB-10044~5
DISC 1

LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015

  1. Believe in myself
  2. 妄想コントローラー
  3. oath sign
  4. crossing field
  5. best day, best way
  6. I'm a Rock star
  7. träumerei
  8. Rising Hope
  9. BRiGHT FLiGHT / L.Miranic
  10. シルシ
  11. No More Time Machine
  12. Rally Go Round
  13. Empty MERMAiD
DISC 2

BONUS DiSC「LiVE is Smile Always ~メガスピーカー~in幕張メッセ国際展示場」

  1. ID
  2. rapid life シンドローム
  3. crossing field
  4. 妄想コントローラー
  5. say my nameの片想い
  6. アコガレ望遠鏡
  7. ギフトギフト
  8. リスキー
  9. DOCTOR
  10. L.Miranic
  11. Empty MERMAiD
  12. Rally Go Round
  13. エレクトリリカル
  14. WiLD CANDY
  15. Bad Sweet Trap
  16. EGOiSTiC SHOOTER
  17. コズミックジェットコースター
  18. ROCK-mode
  19. Rising Hope
  20. シルシ
  21. Mr.Launcher
  22. BRiGHT FLiGHT
  23. ジェットロケット
LiSA「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」
the Sun

2016年11月26日(土)神奈川県 横浜アリーナ

the Moon

2016年11月27日(日)神奈川県 横浜アリーナ

LiSA(リサ)
LiSA

6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年末には「COUNTDOWN JAPAN 14/15」に、2015年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「氣志團万博」にも出演するなどさらに活動の幅を広げている。デビュー5周年となる2016年4月にはミニアルバム「LUCKY Hi FiVE!」をリリース。さらに6月にはこの5年間で発表してきたミュージックビデオをまとめたDVD / Blu-ray「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」を発表する。また11月にはキャリア最大キャパシティとなる神奈川・横浜アリーナで2DAYSライブ「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」を開催する。