音楽ナタリー Power Push - LiSA
2015年に芽吹いた花
LiSAの2015年は、東京・日本武道館での2DAYS公演「LiVE is Smile Always~PiNK&BLACK~」で幕を開けた。体調不良で満足なパフォーマンスができなかった前年の初武道館公演のリベンジをしっかりと果たした彼女は、その後3rdフルアルバム「Launcher」と2枚のシングルを発表し、夏にはアニメソングの祭典「Animelo Summer Live 2015 -THE GATE-」でトリを担当。また「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「氣志團万博2015」といったビッグイベントでもパワフルなステージを展開し、幅広い音楽ファンに対して強烈な印象を残した。
充実した1年を過ごしたLiSAは、その締めくくりとして12月2日に初の配信シングル「ID」をリリース。さらに12月23日には千葉・幕張メッセ国際展示場でのワンマンライブ「LiVE is Smile Always~メガスピーカー~」を行う。音楽ナタリーではライブを目前に控えたLiSAに話を聞き、この1年を振り返ってもらった。
取材・文・撮影 / 臼杵成晃
覚悟が決まった1年でした
──今年もLiSAさんはいろいろとニュースの多い1年だったよなあ、と思って先ほど音楽ナタリーの今年の記事を数えてみたんですけど、現時点(12月上旬)で54本ありました。
えーっ! ハンパねー!
──あと「ミニオンズ」吹替版関連の記事(参照:LiSAが“謎の黄色いヤツら”の母親に!?「ミニオンズ」吹替で天海祐希らと共演)が映画ナタリーに4本ありました。本当に広く活躍した1年だったと思うんですけど、ご本人が振り返るにどんな1年でしたか?
覚悟が決まった1年でした。これまで私はずっと、アニメにもロックにも自分の居場所がないと思っていたんです。自分はいろんなところに居場所を借りて歌を歌っている。それぞれの中で自分の居場所を探していたんですけど、いつの間にか積み重ねてきたものがあって、たくさんの扉を開けてくれる人がいた。大きな出来事で言うと、アニサマ(「Animelo Summer Live 2015 -THE GATE-」)でトリを務めさせてもらったり、ロッキン(「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」)にも出演させていただいたりとか。
──「氣志團万博」(参照:「氣志團万博2015」最後は鬼死団、血のクロ、オーメン登場の黒ミサ)もあれば、初登場の「Mステ」(参照:エイル&LiSA、明日「Mステ」でアニソン競演)もあって。そんな1年の締めくくりには「COUNTDOWN JAPAN 15/16」で初日のCOSMO STAGEのトリを務めるという。どんどん居場所が広がっている印象です。
その中で自分ができること……今までは誰かが引いてくれたレールに乗っかってるだけだと思ってたんですけど、それは私のことを信じてくれる人がいるからこそ用意されたレールなのであって、道を切り開いているのは自分自身でもある。そう思ったときに、例えば「Mステ」に出るときは、ちゃんとみんなの気持ちを連れて、私はその代表としてそこに立たなくちゃいけない、駆け抜けていかなきゃいけないという覚悟が芽生えました。
春ですね
──その覚悟は、新しい扉を1つひとつ開けながら少しずつ実感してきたのでしょうか。
そうですね。1年かけてその思いが少しずつ強くなってきて……その締めくくりが「CDJ」のトリでしょ? 意味わかんないですよ!(笑)
──今やロックフェスや「氣志團万博」でも“アニソンシーンからの刺客”的な呼ばれ方ではなく、ソリッドでラウドなロックを得意とする女性アーティストの1人としてのオファーになりつつあると思うんですよね。
チクチクと少しずつ蒔いてきた種が一気に芽吹いたような感覚ですね。ずっと自分の中にあったものだけど、いっぺんに出してしまうとみんな迷ってしまうし、自分も何がしたいかわからなくなりそうだから、1つのことをしっかりやりながら、あとは裏でチクチクと育てていたんです。
──アニソンという大きな花を大事に育てながら同時に蒔いていたいろんな種が、ここにきて芽吹き始めたと。
はい。春が来た感じです。うふふふ(笑)。2015年を一言で言うと、春ですね(笑)。
──アーティスト人生における春が今(笑)。でもそれはすごく納得です。別に何か大きなシフトチェンジをしたわけじゃなく、LiSAさんが持っていたものがごく自然な形で広がっているというか。
それって絶対に私1人だけじゃできないことなんですよ。作家さんも、周りのスタッフも、作品を広めてくれるお店の人やメディアさん、ファンの人もそう。みんなが私のことを信じて力を貸してくれたから春が来たんだなと思うんです。
──いい気分で年が越せそうですね。ここはダメだったなあという反省点は?
ツアーでは体調を崩してしまったし(参照:LiSA、急性気管支炎でツアー名古屋公演延期)、ちょっと自分を過信していたなと思います。どこまでもがんばれる、どんなことだって楽しめるって思っていたから、最初からフルスロットルで行っちゃったんですよ。ツアーの全公演をしっかりこなすには、ペース配分も大事なんだなって。それも含めて、すべてのことに意味がある1年になったなと思うんです。去年までと違うのは、マイナスを力技でひっくり返そうとしていたのが、積み重ねてきた経験値でなんとかなることがわかったから、ズンと落ち込むことがなくなりました(笑)。それって1年目や2年目では絶対にわからなかったことだし、5年やってきたからこそだと思うんですよね。
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収録曲
- ID
- ギフトギフト
- ギフトギフト -クリスマス ver.-
- ID -Instrumental-
- LiSA
「LiVE is Smile Always~メガスピーカー~」 - 2015年12月23日(水・祝)
千葉県 幕張メッセ国際展示場
OPEN 16:30 / START 17:30
※チケット完売(後方追加立見席発売中)
LiSA(リサ)
6月24日、岐阜県生まれのボーカリスト。2010年春、テレビアニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、同年5月にGirls Dead Monster名義のシングル「Thousand Enemies」をリリース。2011年4月にLiSA名義のミニアルバム「Letters to U」でソロデビュー後はアニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマ「oath sign」、「ソードアート・オンライン」のオープニングテーマ「crossing field」などスマッシュヒットを連発。2013年にはシングル「best day, best way」がノンタイアップながらオリコン週間シングルランキング6位を記録し、また10月に発表したアルバム「LANDSPACE」がオリコン週間アルバムランキング2位をマークし、アニソンシーン内外で高い人気を誇る存在となる。2014年末には「COUNTDOWN JAPAN 14/15」に、2015年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「氣志團万博」にも出演するなどさらに活動の幅を広げている。同年12月には初の配信シングル「ID」をリリースし、千葉・幕張メッセ国際展示場にてワンマンライブ「LiVE is Smile Always~メガスピーカー~」を行う。