フランスとの架け橋になれたらいいなと思っています

──4曲目の「Dispersion」は、凛とした歌声が印象的です。

これはアコースティックギターで始まるんですけれども、今までの私の曲は電子音が多かったので新しいことにチャレンジさせてもらえてすごくうれしかったです。あと、この曲は昨年末にリリースした私の写真集「ADAMAZEIN（アダマス）」ともリンクしてるんです。ADAMAZEINはギリシャ語でダイヤモンドという意味なんですけれども、きれいなだけじゃない硬い強さを歌詞に入れてほしいなと思ってリクエストさせていただきました。「蹴散らし光、このプリズム」とか。写真集を見ながら聴いていただけたらうれしいです。

──リード曲「アイリス」は日本を意識した和テイストのバラードですね。

「フランスの方が和っぽい曲を書いてくれたんだ！」という逆輸入感にもびっくりしました。かなりしっとりした曲なので、最初は怖じ気付いて「大丈夫かしら？」と思ってたんですけど、出来上がったら一番お気に入りの曲になりましたね。

──アルバム制作中、Lightningさんとはどんなお話をされましたか？

基本的にLightningさんは私のことを全肯定なんです。なのでダメ出しとかもなくて。私も私で文句なく、「ここを直してください」ということもなかったんです。Lightningさん自身の曲は激しいロックが多かったので全曲そういう感じで来るのかなと思っていたら、いろいろバリエーション豊かな曲を提供してくれたので、才能あふれる人なんだなと思いました。一緒にライブをしたときも、私は緊張しているのにLightningさんは楽しそうで、リハーサルも全然しないまま本番を迎えてて。すごく優しい方です。

──こうして日本とフランスのアーティストが一緒に作品を作り上げるってすごいことですよね。日本でもLeChatさんをきっかけにALYSという存在を知る方は多いと思います。

本当ですね。なのでできるだけ私もフランスとの架け橋になれたらいいなと思っています。アーティスト活動をし始めてから、こんなに考えたことないくらい自分のことを考えてて。「私ってどんな人なんだろう」とか「どういう表現をするのが私に合ってるんだろう」と考えながらがんばっているところです。

自分がライブをやる側になって、オーケンさんに申し訳ないことをしてたのがわかりました

──「こういうライブをやってみたい」といった、アーティストとしての夢はありますか？

さっき「Style」の話でも言ったんですけど、私は「イエー！」みたいに盛り上がったことがあまりなくて。そういうのをちょっとやってみたいなという憧れはあります。

──お客さんとしてライブに行くときはどんな感じで観ているんですか？

私、筋肉少女帯のライブに行くと瞬きするのももったいないと思ってしまうので、「イエー！」をやる暇がないんです。なるべく瞬きせずにステージを観てます（笑）。

──筋少もメジャーデビュー30周年を迎えて、ますます充実した活動をされてますよね。近年のアルバムもすごくいいですし。

ファンとしては本当にうれしいです。新曲もたくさん聴くことができて。

──LeChatさんと大槻さんの世界観は近いところがあると思いますので、何かの機会にジョイントしたらきっと面白いライブになるんじゃないでしょうか。

それはもう夢のような話ですね。以前、初音階段とオーケンさんとのコラボでオーケン初音階段としてライブをやらせてもらったことがあるんですけど、その頃の私は人前で歌ったこともなかったですし、「どうやって声を出すんですか？」みたいな状態での共演だったので、今思うと悔しいというか。なのでいつかリベンジできたらいいなと思っています。

──これからのさらなる活動も楽しみにしております。ファンの方はもちろん、ロックやノイズ好きの方にも今回のミニアルバムを聴いていただきたいですね。

ああ、それはもう何よりです。ぜひぜひって感じで。

──LeChatさんのライブも、瞬きせずに観ているお客さんは多いと思いますので。

でも、自分がライブをやる側になって思うのが、そういうお客さんは非常にやりづらい（笑）。なのでオーケンさんには申し訳ないことしちゃってるんですけど、でもやっぱり筋肉少女帯のライブで瞬きするのはもったいないなと思います（笑）。