音楽ナタリー PowerPush - Lead
上昇気流に乗った3人が明かす13年目の決意
収録曲を恋一色にしようというところから始まった
──レトロでシンプルな表題曲から一転、カップリングではいろんなタイプの曲に挑戦しています。今回は1つテーマを設けて、それに沿ってメンバー1人ひとりが作詞、作曲に挑んだのが面白いなと。まず「Summer Love Story」という曲があって、そこに散りばめられた言葉やフレーズがそれぞれのソロ曲に生かされてるわけですよね。
鍵本 そうなんです。今回のシングルではまず、収録曲を恋一色にしようというところから始まって。次に「Summer Love Story」の歌詞からメンバーそれぞれが気になるワードを拾って、それを広げて作詞や作曲をしていったんですけど、本当に面白い企画だなと。
──ちょっとしたコンセプトアルバム的な手法ですよね。
鍵本 今のLeadだから実現できるっていうのもありますよね。メンバーが3人いて初回盤がA、B、Cと3種類ある。しかもシングルなのに全仕様あわせて5曲あるっていう、そういうところもすべてがつながってると思うんです。
古屋 そうだね。ミニアルバムぐらいのボリュームで出すことができてるわけで、そこに今回のテーマがすごくハマったなっていうのもあるんですけど。
谷内 ここ何作かシングルを数パターン出すことが続いていたので、今回はまた違った形で楽しんでもらいたいなってことでこういう内容になったんです。作っていても楽しかったですね。誰がどのワードを拾うかもそうですし。
古屋 ちょっと粋やなって、自分たちでも思いながら作ってたよね。
鍵本 自画自賛ですか(笑)。
──「Summer Love Story」とそれぞれのソロ曲に関して思ったのは、どれもテンポ感が心地よいというか、夏の終わりの切なさや余韻を感じさせますね。
古屋 リリースタイミングも9月半ばで、まさにそういう時期ですもんね。「この夏はこんなことがあったな」と、いろいろ思い出しながら聴ける曲がいっぱいできたなと思います。
人生経験を積まないといろんな人に響かない
──こういった新たな挑戦を経て、創作意欲がどんどん膨らんでいくんじゃないかと思うんです。それこそ極端な話ですが、作詞作曲をすべて3人だけで手がけた作品を1枚作ってしまうとか。
3人 ああ……。
鍵本 そうですね。ゴールではないですけど、そこを目指してやっていきたいですよね。
古屋 うん、いずれやりたいね。
谷内 そのためには、もっといろいろ勉強して。
古屋 僕、1曲の詞を書くのにまだ、けっこう時間がかかっちゃうから。
谷内 今の自分たちだけで作ろうとすると、そこまで幅ができないような気がしますね。
古屋 もっといろんな人生経験を積まないと、いろんな人に響かないと思うんで。外の世界もいろいろ見てみたいし……でも、基本3人ともシャイなんですよね。
鍵本・谷内 (笑)。
古屋 シャイというか、インドア派なんですよ。
──えっ、そうなんですか?
谷内 特に輝はそうだと思います。
鍵本 超インドアです。みんなでワイワイするのも好きなんですけど、どっちかっていったら家で1人で曲作ってるほうが楽しいです。ネクラですね(笑)。
──1つのことにのめり込んじゃうタイプなんですね。
鍵本 そうですね。一度パソコンの前に座ったら平気で5時間くらい作業していて、気付いたら朝になってるみたいな(笑)。そんなことがちょくちょくあります。
今は「枝を育てて葉っぱを付けているところ」
──いろいろお話を聞いてきましたが、やっぱり今のLeadにはいい波が来てる気がしました。これまでのいろんな積み重ねが、いい形で結果に表れてるんじゃないかと。
鍵本 昔は本当に真っ平らで、個性があるようでなかったんですけど、最近はLeadという木からいっぱい枝が生えてきたような感じで。みんないい意味で違うところに向かっていっているんですけどちゃんとLeadという軸はあって、それぞれが枝をどんどん育てて、葉っぱを付けていく作業をしているところなのかなって思います。
古屋 そうだね。僕たち、デビュー当時はまだ子供でしたし周りの大人の方々に対して「ハイ!」しか言えなくて。「Leadは素直だね」と事務所のスタッフさんに言われることも多かったんです(笑)。でも、いつまでもこのままじゃダメだ、自分でどうにかしたいって気持ちが出てきて、成長していったんだなと。最近は特に感じますね。
──そういったことがこの先、15周年や20周年を迎えたときにどう形になっていくのか、今から楽しみですね。
谷内 はい。ライブにも作品にも、どんどん出していけるようになりたい。そして、同性のファンがもっと増えたらうれしいですね。
鍵本 うん。男だけが集まるライブとかやってみたい。男臭い感じでやりたいです(笑)。
谷内 今応援してくれている女性のファンのみんなが、彼氏を連れてライブとかに来てくれたらいいんだよ。
鍵本 デートの場としてね。
谷内 で、彼氏が「Lead、いいじゃん」と思ったら、次は男友達と一緒に来て。なんかそういうふうに広がっていくといいなって思いますね。
古屋 でもなんか、嫉妬しそう。こっちが。
鍵本・谷内 こっちが?(笑)
古屋 Leadってけっこうファンの人たちと距離感が近いんですよ。だから彼氏となると……でも、そこは気持ちを鬼にして。
──鬼にして乗り越えることもまた成長ということで(笑)。
古屋 そうですね。大きな課題だな。がんばります(笑)。
鍵本 冗談はさておき(笑)、自分たちで限界を決めたくないんで、これからも行けるところまで行きたいなって思います。
- ニューシングル「想い出ブレイカー」 / 2014年9月17日発売 / ポニーキャニオン
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 1850円 / PCCA-04102
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 1850円 / PCCA-04103
- 初回限定盤C [CD] / 1500円 / PCCA-04104
- 通常盤 [CD] / 1000円 / PCCA-70414
初回限定盤A CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 君と歩く未来 ※谷内伸也 作詞&RAP制作
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- 君と歩く未来 (Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- 想い出ブレイカー Music Video
- 想い出ブレイカー Music Video OFF SHOT
初回限定盤B CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- Fairy tale ※鍵本輝 作曲&トラック制作
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- Fairy tale (Instrumental)
初回限定盤B DVD収録内容
- 想い出ブレイカー Music Video Dance Ver.
- Making & Interview
初回限定盤C CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 線香花火 ※古屋敬多 作詞
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- 線香花火 (Instrumental)
通常盤CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
Lead(リード)
谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝からなるダンスボーカルユニット。谷内、古屋、鍵本、中土居宏宜の4人で2002年7月にシングル「真夏のMagic」でメジャーデビューを果たす。切れのあるダンスパフォーマンスを前面に打ち出しファンを魅了し続けるも、2013年3月をもって中土居が卒業。同年4月より現在の3人で活動を続け、「Upturn」「GREEN DAYS / strings」「サクラ」といったヒットシングルを連発する。また谷内と古屋は作詞、鍵本は作曲&トラックメイキングにも挑戦するなど、アーティストとして活動の幅を広げている。2014年9月に24thシングル「想い出ブレイカー」をリリース。