音楽ナタリー PowerPush - Lead
上昇気流に乗った3人が明かす13年目の決意
同性に興味をもってもらうには?
──Leadのライブではお客さんは女性が中心ですよね。男の僕が見てもめちゃめちゃカッコいいことをやっているのに、それが同性になかなか伝わりにくいのがすごく歯がゆいというか、もったいないなと思っていて。Leadがもっと男性を惹き付ける、同性に興味を持ってもらうには今、何が必要だと思いますか?
鍵本 デビュー当時からずっと、同性の方に応援してもらうのってうれしいよねと話していて。実際ライブに来てくれる男性ファンもいるんですよ。
谷内 少しずつですが増えてる感じはあるんですよね。でもファンに対してのアプローチの仕方は、やっぱり女性の方が多いので女性に伝えるような言葉を選ぶことが多くて……でもやっぱりスキルなんですかね、必要なのは。そこをもっと磨いていって、これだけできるってことをもっと提示していかないと、って思います。
鍵本 僕も男なんで気持ちわかるんですよ、女性の方が多いライブ会場に行くのがちょっと恥ずかしいっていう。実際ラジオのメッセージとかでそういう声もちらほら聞いたりもしますし。同じ立場だったら行くのに勇気がいるかもしれないけど、僕ら的には常にウエルカムなんですよね。
谷内 うれしいよね。
鍵本 うん。僕には夢があって、ライブ中のコール&レスポンスで男だけで「Say Ho!」とか、すごいやりたいんですよね(笑)。
──野太い声援が返ってくるでしょうね(笑)。
鍵本 はい。伸也も言ってましたけど、そのためには今はもっと実力を付けないとなと強く思いますね。もっともっと向上できる部分はたくさんありますし、そこが全部備わったらおのずと気軽にライブに来てくれるようになるのかなって思います。
古屋 あと、イメージ的なものもあるのかな。例えば……みんな坊主にするとか、剃り込み入れるとか。
鍵本 大冒険だよ、それ(笑)。逆に今応援してくれている人に見放されるから、「Lead、どうした?」って。
古屋 あははは(笑)。確かに。
谷内 まあ1人だけやってもらって(笑)。
古屋 僕は全然いいんですけど、事務所NGが入ると思うんで……。
鍵本 (マネージャーのOKサインを見て)OK出ました(笑)。
──1人くらいそういう人がいてもいいかもしれませんね。
鍵本 そうかもしれないですね。ただ僕が思うに、それをやるのは少なからず敬多ではないなと(笑)。
この詞は昔だったらちゃんと表現できなかった
──さて、新曲「想い出ブレイカー」の話題に移りましょう。今作はまずジャケットのビジュアルがめちゃめちゃカッコいいですね。
谷内 ありがとうございます! モッズを意識した、レトロな感じで攻めてみました。
──実際、楽曲もレトロというか、ちょっと懐かしい昭和歌謡のテイストが強いです。こういうタイプの楽曲はここ最近のLeadにはなかったですよね?
谷内 ひさしぶりですね。
古屋 シングルでは「バージンブルー」(2006年3月発売)とか「ギラギラRomantic」(2009年8月発売)とか、そのへんに色が近いなとは思うんですけど。そこに新しいダンスを混ぜてみると、すごく面白い化学反応が起こるんじゃないかと思ったんです。
谷内 「想い出ブレイカー」は曲とダンス、セットで楽しんでもらいたいです。ダンス、振り付けも自分たちで考えたんですけど、ロックンロールやツイストの振りに、入れ替わりの激しいフォーメーションも取り入れている。さらにただカッコいいだけじゃなくて、思わずニヤッと笑ってしまうようなコミカルな振りも入ってるので、かなり楽しんでいただけるんじゃないかと思いますね。
──歌詞も曲調もですけど、この曲は20代半ばに突入した今のLeadが歌うから面白いのかなと。
古屋 なるほど。10代の頃に歌ってたら、もっとやんちゃな感じになってたかもしれないですね。
──どこか切なさが感じられるのも、今の年齢だからこそだと思いました。
鍵本 ああ、それはうれしい意見ですね。
古屋 この詞は切ない男心を歌ってるんですけど、昔だったらちゃんと表現できなかったなって確かに思います。今だから自然にできたんでしょうね。
谷内 10代だと背伸びしちゃってる感が強く出ちゃうのかもね。ラップパートの、「前に進む事も悪くないけど あんに それが前向きとは思えない」ってフレーズにも、すごいハッとさせられるんですよ。これって恋愛に限らずに言えることだと思うし、歌いながらすごく考えさせられます。
──人生においてもまったく同じことが言えますもんね。
谷内 常に前進だけじゃなくて、ときには立ち止まって振り返ることも必要ですし。そういうことを大事にしたいなって改めて思うような歌詞ですね。
こだわりが見える曲にしたい
──2014年にあえてこういったタイプの楽曲で勝負に挑むのも、非常に興味深いですね。
谷内 自分たちの世代からすると今流行のテイストとはひと味違ったサウンドですけど、お父さんお母さん世代にとっては聴きなじみのあるドンピシャなメロディなのかなって。そういう意味では幅広い世代に聴いてもらえる曲になったんじゃないかな。
──逆に若い世代にとっては、こういったレトロなテイストが新しく感じられるんじゃないかと思うんです。
谷内 確かに、今その流れが来てますよね。
──耳に残りやすいメロディですしね。
鍵本 この曲は聴けば聴くほど好きになっていくというか。最初に聴いたときは「あ、覚えやすくてきれいなメロディだなあ」と思ってたんですけど、1回聴いたときよりも2回目、2回聴いたときよりも3回目という感じで、どんどん好きになってる自分がいましたね。
古屋 スルメみたいな感じだね。スルメソング。
──特に難しいことをやってない、シンプルな曲調なんですよね。
谷内 実はこの曲、もともと音数が多いアレンジだったんです。
古屋 もっとシンプルに、もっとシンプルにっていう段階を経て、このバージョンになったんです。ファレル・ウィリアムスの「Happy」もすごいシンプルなのに、音の1つひとつにこだわってる感じがあって……ああいうこだわりが見える曲にしたいねっていうのは、制作中からメンバー同士で話してました。
次のページ » 収録曲を恋一色にしようというところから始まった
- ニューシングル「想い出ブレイカー」 / 2014年9月17日発売 / ポニーキャニオン
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 1850円 / PCCA-04102
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 1850円 / PCCA-04103
- 初回限定盤C [CD] / 1500円 / PCCA-04104
- 通常盤 [CD] / 1000円 / PCCA-70414
初回限定盤A CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 君と歩く未来 ※谷内伸也 作詞&RAP制作
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- 君と歩く未来 (Instrumental)
初回限定盤A DVD収録内容
- 想い出ブレイカー Music Video
- 想い出ブレイカー Music Video OFF SHOT
初回限定盤B CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- Fairy tale ※鍵本輝 作曲&トラック制作
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- Fairy tale (Instrumental)
初回限定盤B DVD収録内容
- 想い出ブレイカー Music Video Dance Ver.
- Making & Interview
初回限定盤C CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 線香花火 ※古屋敬多 作詞
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
- 線香花火 (Instrumental)
通常盤CD収録曲
- 想い出ブレイカー
- Summer Love Story
- 想い出ブレイカー (Instrumental)
- Summer Love Story (Instrumental)
Lead(リード)
谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝からなるダンスボーカルユニット。谷内、古屋、鍵本、中土居宏宜の4人で2002年7月にシングル「真夏のMagic」でメジャーデビューを果たす。切れのあるダンスパフォーマンスを前面に打ち出しファンを魅了し続けるも、2013年3月をもって中土居が卒業。同年4月より現在の3人で活動を続け、「Upturn」「GREEN DAYS / strings」「サクラ」といったヒットシングルを連発する。また谷内と古屋は作詞、鍵本は作曲&トラックメイキングにも挑戦するなど、アーティストとして活動の幅を広げている。2014年9月に24thシングル「想い出ブレイカー」をリリース。