テレビ朝日系オーディション番組「ラストアイドル」から生まれたアイドルプロジェクト・ラストアイドルが、4thシングル「Everything will be all right」を10月24日にリリースした。
デビューできるメンバーの座を個々で争ったファーストシーズンを経て、シングルの表題曲を歌う権利をかけたユニットバトルを展開してきたラストアイドル。そして今回、AbemaTV「ラストアイドル in AbemaTV」で行われたバトルの末に勝利をつかんだのが、ラストアイドルのデビューシングル「バンドワゴン」の歌唱グループでもあるLaLuceだ。
「Everything will be all right」は後藤次利がプロデュースを手がけた、スケール感あるアップチューン。LaLuceらしいパワフルでダイナミックなダンスも見どころの1つだ。音楽ナタリーでは今回、楽曲のテーマである「カッコよさ」や、バトルを通じて経験した挫折と栄光など、5つのテーマについてメンバーに意見を交わしてもらった。
取材・文 / 小野田衛 撮影 / 映美
テーマ1「カッコいい」って何?
今回のシングル「Everything will be all right」のテーマはズバリ「カッコよさ」。LaLuceはこの楽曲と向き合う中で、「カッコいい」をどう定義していったのか。
──ひとくちに「カッコいい」と言っても、人によって定義は違ってくると思うんです。例えば「嘘をつく人はカッコ悪い」という人はいるでしょう。でも、一方で優しい嘘も世の中には存在するという考えもあります。
安田愛里 なるほど。私がカッコいいなと感じる人って、やっぱり皆さん、ほかの人から尊敬されているんですよね。だから、カッコいい=人から尊敬されるっていうのは言えるかもしれないな。私自身も俳優さんとかアーティストさんで尊敬している方はたくさんいますし。それに自分自身がアイドルになってから、「今まで活躍されていたアイドルの方ってすごかったんだな」って改めて気づいた部分も多いんですよ。AKB48さん、乃木坂46さん……そういった方たちをリスペクトする気持ちが増すと同時に、自分はまだまだだなって反省する部分も出てきました。いつかは私もほかの人から尊敬されるような、カッコいいアイドルになりたいって思いますね。
長月翠 うん、私も愛里ちゃんと考え方は近いかな。つまり、人から憧れられる人がカッコいい。そのためにはもちろん内面も重要だし、その前に第一印象として容姿やビジュアルもよくなかったら憧れられる対象にはならないですよね。だから「あの子、かわいいな」って思われたら、それはもうカッコいいの第一歩なのかも。
鈴木遥夏 「かわいい」ことも「カッコいい」ということか……。
長月 そうそう。アイドルの場合、かわいさをアピールするお仕事だからね。
大石夏摘 うーん、そう考えるとカッコいいっていろんなパターンがありますよね。私は、めげない人がカッコいいなって思う。
安田 めげない人?
大石 1回気持ちが落ちても、そこで決して心が折れない人。なんて言えばいいだろうな……。具体的には愛里ちゃんみたいな人のことだよ。
安田 えっ!? なんなの、いきなり(笑)。
大石 でも、これは本当のこと。Abema(AbemaTVで放送されたラストアイドルのプロデューサーバトル第2弾「ラストアイドル in AbemaTV」)の生放送のとき、愛里ちゃんが沈んじゃったことがあるんですよ。
──放送を観ていない方もいるかもしれないので、当時の状況を説明していただけますか?
安田 私、そのときはプライベートのことでものすごくメンタルが落ちていたんですよね。だけど、それってLaLuceとか番組のバトルとはまったく関係ない話だから、本当はその気持ちを生放送に持ち込んじゃう時点でダメだったんです。もちろん自分でも気持ちを切り替えようとはしているんだけど、動揺しているからマイクスタンドを倒しちゃって……。「ヤバい、ヤバい」とか焦っていたら、今度は派手にコケちゃった(笑)。バトルにも負けてしまって「自分のせいだ」って、さすがに本気で落ち込みました。
大石 いや、でも次の週にはもう笑い話にしていたじゃん。その気持ちの切り替えが本当にカッコいいなって私は思ったんです。
安田 ホントに!? そう言ってくれると、本気でうれしいなあ。でも、あのときはメンバーのみんなが支えてくれたから立ち直れたんだよ。私がカッコいいんじゃなくて、みんなに助けてもらっただけなんだって。
──そういう謙虚な姿勢もカッコいいですね(笑)。鈴木さんはいかがですか?
鈴木 弱みを見せない人がカッコいいと私は思います。どんなことがあっても、ステージ上では100%出し切る姿勢。自分がアイドルになる前、夢みるアドレセンスさんのライブを観てものすごく感動したことがあるんですよ。「もう本当に最高!」とか思って。ところがあのとき、志田友美さんが39度台の高熱を出して、注射を打ちながらステージに立っていたことをあとから知って、ビックリしたんですよね。というのは、全然そんなことを感じさせなかったから。「これがプロの世界か……」っていう驚きがあったんです。
──また志田さんは普段おちゃらけているキャラクターの印象が強いから、なおさら驚きますよね。
鈴木 そうなんですよ! だから、そういうギャップがカッコいいと思うポイントなのかもしれませんね。
阿部菜々実 みんな、いろんな考えを持っているんだなあ……。私が考える「カッコいい」は、自分にしかできないことをやっている人かな。それまで誰もやったことがないことを最初にやっている人もカッコいいと思うし。私が今アイドルをやっているのは、好きなアイドルさんができて、そういう人たちに憧れたからなんです。だけど、そういったアイドルさんたちって、誰かの真似をしているわけじゃなくて、自分だけの個性をしっかり持っているんですね。だから私も「阿部菜々実だけの個性」をしっかり作りたい。それは本当に最近よく考えます。
テーマ2パフォーマンス論
「ラストアイドル」出演アイドルがほかのアイドルグループと異なるのは、毎週番組内でパフォーマンスバトルを行い、その勝ち負けを明確にジャッジされてしまうこと。では、LaLuceにとって「理想のアイドル流パフォーマンス」とはどんなものなのか。
──そもそも論として「アイドルのパフォーマンスに、どこで優劣をつけるのか?」という問題がありますよね。これこそ人によって評価軸が分かれると思うのですが。
長月 むっちゃ難しい質問!
鈴木 私は「グループとしてバッチリそろっている。だけど、それぞれのメンバーの個性もしっかり見える」っていう状態がアイドルとして理想形だと思います!
全員 (拍手が巻き起こる)
安田 遥夏の意見にまったく異論はないんですけど、あえてそこに加えるとしたら、「普段の生活から気を引き締める」ということになりますかね。私、パフォーマンスってステージの上だけで勝負するものではないと思うんです。例えばステージ上でメンバーが目を合わせたときの表情って、普段の関係性がそのまま出てくるものなんですね。作り笑顔で仲がよさそうな感じを装ったところで、お客さんには見透かされちゃうはずですし。普段の楽屋での人間関係とか、プライベートの過ごし方とか、そういうのが全部パフォーマンスには出るものですから。
──安田さんって見た目は派手ですけど、発言は道徳の教科書みたいですよね(笑)。
安田 たしかに自分でもめっちゃ真面目だなって思います(笑)。
大石 パフォーマンスのどこを評価するかって、本当に人それぞれだと思うんですよ。自分はアイドルさんを観ているとき、ギャップでグッとくるんです。「パフォーマンス中はすごくカッコいいのに、MCになるとくだけていて面白い」とか、そういう落差ですよね。すごく憧れちゃう……(※チラチラと安田のほうを見ながら)。
長月 なんかさっきから見ているし(笑)。そんなギャップがあるアイドルって、例えばどんな人がいるんですか?
大石 LaLuceというグループにいる安田愛里ちゃんです(笑)。ヤバいな、今日は全部が愛里ちゃん推しの発言になっちゃう……。
長月 アイドルに求められるパフォーマンスって、普通のアーティストさんとは違うと思うんです。もちろん歌唱力は大事だけど、アイドルの場合、「間違えてしまうのも愛嬌として許される」みたいな部分がありますから。だからピッチとか以上に、必死さとか曲の世界観を前面に出すことが大事なんじゃないかな。歌詞の意味をよく考えて、世界観にしっかり入り込んで……。曲によっては感情移入するのが難しいこともあるんですけど、そういうときでもしっかり観ている人に伝える。それがアイドルのパフォーマンスとして一流ってことじゃないですかね。
阿部 うん、私も翠ちゃん寄りの考え。歌がうまい人やダンスがうまい人はいくらでもいるじゃないですか。でも、アイドルってそのうえで何かを伝えられなかったらダメなんですよ。観ている人が元気になるとか、勇気をもらうとか、そういう影響が何もないんだったら、極端な話、いる意味がないと言うか……。だからこそ、翠ちゃんが言うようにパフォーマンスに意味を込めることが大事になってくるんです。
長月 熱く語るねー。
阿部 あと、曲と曲の間の移動中とか、曲の中でのフォーメーション移動……あれも一種のパフォーマンスだと私は思うんです。私自身もほかのアイドルさんを観るとき、ついつい注目しちゃいますし。だから、歌とダンスだけしっかりやっておけばOKという話じゃないってことですよね。ステージの上では常に気は抜けないなって改めて感じます。
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テーマ3 挫折と栄光
- ラストアイドル
「Everything will be all right」 - 2018年10月24日発売 / Virgin Music
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初回限定盤TYPE-A
[CD+DVD]
1800円 / TYCT-39089
- CD収録曲 / ユニット
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- Everything will be all right / LaLuce
- いつかキスするその日が来ても / Love Cocchi
- 眩しすぎる流れ星 / ラストアイドル
- へえ、そーお? / Good Tears
5~8. 各曲Instrumental
- DVD収録内容
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- 「Everything will be all right」MUSIC VIDEO
- 「へえ、そーお? / Good Tears」MUSIC VIDEO
- カレッジ・バトルPV / LaLuce
- カレッジ・バトルPV / Good Tears
-
初回限定盤TYPE-B
[CD+DVD]
1800円 / TYCT-39090
- CD収録曲 / ユニット
-
- Everything will be all right / LaLuce
- いつかキスするその日が来ても / Love Cocchi
- 眩しすぎる流れ星 / ラストアイドル
- いつの日かどこかで / Someday Somewhere
5~8. 各曲Instrumental
- DVD収録内容
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- 「Everything will be all right」MUSIC VIDEO
- 「いつの日かどこかで / Someday Somewhere」MUSIC VIDEO
- カレッジ・バトルPV / LaLuce
- カレッジ・バトルPV / Someday Somewhere
-
初回限定盤TYPE-C [CD+DVD]
1800円 / TYCT-39091
- CD収録曲 / ユニット
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- Everything will be all right / LaLuce
- いつかキスするその日が来ても / Love Cocchi
- 眩しすぎる流れ星 / ラストアイドル
- Love Docchi♡ / Love Cocchi
5~8. 各曲Instrumental
- DVD収録内容
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- 「Everything will be all right」MUSIC VIDEO
- 「Love Docchi♡ / Love Cocchi」MUSIC VIDEO
- カレッジ・バトルPV / LaLuce
- カレッジ・バトルPV / Love Cocchi
-
初回限定盤TYPE-D [CD+DVD]
1800円 / TYCT-39092
- CD収録曲 / ユニット
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- Everything will be all right / LaLuce
- いつかキスするその日が来ても / Love Cocchi
- 眩しすぎる流れ星 / ラストアイドル
- 夜中 動画ばかり見てる… / シュークリームロケッツ
5~8. 各曲Instrumental
- DVD収録内容
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- 「Everything will be all right」MUSIC VIDEO
- 「夜中 動画ばかり見てる… / シュークリームロケッツ」MUSIC VIDEO
- カレッジ・バトルPV / LaLuce
- カレッジ・バトルPV / シュークリームロケッツ
- LaLuce(ラルーチェ)
- テレビ朝日系のオーディション番組「ラストアイドル」から生まれた、阿部菜々実、大石夏摘、安田愛里、長月翠、鈴木遥夏からなるアイドルグループ。2017年12月にシングル「バンドワゴン」でメジャーデビューを果たした。メンバーの吉崎綾、古賀哉子の卒業を経て現在の体制に。プロデューサーバトル第2弾「ラストアイドル in AbemaTV」で見事勝利し、2018年10月24日にリリースされるラストアイドルの4thシングル「Everything will be all right」の表題曲の歌唱権を勝ち取った。