ナタリー PowerPush - きゃりーぱみゅぱみゅ

きゃりーの挑戦は続く「にんじゃりばんばん」

「にんじゃりばんばん」PV撮影現場レポート

手裏剣を投げる振付を踊るきゃりー。

「にんじゃりばんばん」のPV撮影は、2月下旬に神奈川県内のスタジオで行われた。スタジオにいるスタッフは20~30人ほど。忍者風の衣装に身を包んだきゃりーは現場入りしてすぐに振り付けや立ち位置を軽く確認する。そして監督の田向潤が「では本番行きます! 皆さんよろしくお願いします!」と声を張ると、周辺はピリッとした空気に包まれた。

今作の大きな特徴はフルCGであること。そのため撮影も全編グリーンバックで敢行。きゃりーは監督からシーンの説明を受けながら、シーンを想像してグリーンスクリーンの前で実演し、すぐさま監督とともにモニタチェック……という流れをひたすら繰り返した。

特にきゃりーが入念に練習していたのは振り付け。コレオグラファーのまいこによると今回の振り付けのテーマはズバリ「忍者」で、随所に忍者らしいポーズを取り入れているとのこと。カッコいいだけでなく「♪花びらも舞う」の部分に見られるような、女性らしさが見え隠れする動きも見どころだという。

完成したPVでは、モーションキャプチャで制作されたバックダンサーのCGが登場する。実はこの動きの正体はまいこ先生自身。きゃりーのPV作品で彼女がダンスを披露するのは初なので、ブレイクダンスを踊る風神・雷神風ダンサーと、きゃりーと同じ振りを踊るくノ一風ダンサーにも注目して観てもらいたい。

撮影序盤は忍び足で移動したり、手裏剣を投げるポーズをしたり、曲にあわせてダンスを踊るシーンが中心だったが、中盤からは“人並み外れたジャンプ力”を具現化するためにトランポリンが投入された。さらに鯉に乗って登場するシーンでは、送風機を駆使して躍動感を表現。さまざまな小道具を使いながら、グリーンスクリーンの前で要求に応えていくきゃりー。それを見つめるスタッフたちの目も真剣そのものだ。

こだわりの衣装は2パターン。1つは黒地にカラフルな幾何学的モチーフが施されたサテン生地の忍者服。「黒地」も「パンツスタイル」もきゃりーのPVでは新鮮なポイントだ。さらに忍者風のヘッドアクセ、背中に背負った刀など、本人のこだわりも存分に反映され、撮影中も「この衣装カッコいいなあ。原宿とかでぜんぜん売れますよ」とコメントしていた。もう1パターンは「お行儀の悪いお姫さま」をテーマとしたショッキングピンクのアンティーク着物。人形の頭で作られたかんざしなど、きゃりーらしい個性的なアクセントも加えられた。

こうして昼から始まった撮影も、終わる頃には23:00を過ぎていた。その後CGと組み合わせてできあがった「にんじゃりばんばん」ビデオクリップは、きゃりーにとっても大満足の仕上がりとなった。

ニューシングル「にんじゃりばんばん」/ 2013年3月20日発売 / ワーナーミュージック・ジャパン
初回限定盤 [CD+フォトブック] 1800円 / WPCL-11383
通常盤 [CD] 1200円 / WPCL-11384
収録曲
  1. にんじゃりばんばん
  2. Unite Unite
  3. みんなのうた -extended mix-
きゃりーぱみゅぱみゅ

1993年東京生まれ。フルネームはきゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ。高校生のときにファッション雑誌のスナップコーナーにピックアップされたことをきっかけに、原宿系ファッションモデルとしてキャリアをスタートさせる。個性的なルックスとブログでの奔放な言動が話題を集める。2011年8月にはワーナーミュージック・ジャパンから中田ヤスタカ(capsule)プロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビュー。2012年は5月に1stフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」をリリースした後、初の全国ツアー、初の日本武道館ワンマンライブ、「NHK紅白歌合戦」初出場と怒涛の快進撃を続ける。2013年は1月に両A面シングル「キミに100パーセント / ふりそでーしょん」をリリースし、2月からワールドツアーを開催。3月には新たなシングル「にんじゃりばんばん」を発表した。