ナタリー PowerPush - 空想委員会
100円のネクタイがつかんだ“現実”
何かと何かを組み合わせるのが好き
──「種の起源」もそうですし、曲のタイトルや歌詞など、三浦さんの言語のセンスって独特ですよね。どこからインスピレーションを受けてるんですか?
三浦 よく聞かれるんですけど、あんまり自分ではどこからの影響かわからなくて、毎回申し訳ない気持ちになります(笑)。ただ何かと何かが結びついたら面白いだろうなあっていうところから物語が始まる感じがあって。なので組み合わせるのが好きっていうのはあるかもしれないですね。
──タイトルありきで話が浮かんでくることが多いんですか?
三浦 タイトルが先にあるほうが多いですね。たぶん漠然とテーマはあるんですけど、歌いたいテーマに合うタイトルが見つかると一気に歌詞ができるっていう感じですかね。
──「ドッペルゲンガーだらけ」みたいなことをぼんやり考えて……?
三浦 「ドッペルゲンガーだらけ」は実際に自分に起こってることなんです。似てるっていう人がいっぱいいるんですよ。
岡田 自分でも見たことあるんでしょ?
三浦 この前電車でそっくりな人に遭遇しましたね(笑)。それで、例えば自分と同じ顔の人がいっぱいいたら自分はどうやって存在するんだろう?とかそういうところから話が始まります。
「ライブはそんなに敷居高くないですよ」
──アルバム発売のあとはバンド史上最大規模のツアーが始まります。
佐々木 毎回そうなんですけど、CDができて、完成したって思えるときって、僕はライブなんですね。ライブやって、例えばお客さんが盛り上がって、手拍子したり口ずさんだりしているのを観てやっと「伝わってるんだな」っていう感覚になるので、そこで初めて完結すると思ってるんです。あと僕はアレンジを担当してるんですけど、ライブをイメージすることが増えてきて、その確認もできるので。僕がイメージしてた以上のことが起きるとうれしいですし。そういう意味で、CD作ってツアー行けるっていうのはすごい楽しみです。
三浦 今まで空想委員会好きだった方も、この作品で知る方も気軽に足を運んでもらって、みんなで楽しめるライブにできたらいいなと思ってます。ライブっていうところはそんなに敷居高くないですよと。
──オフィシャルサイトでは、チケットの取り方やルールを明記するコーナーも用意してますもんね。
三浦 初めてライブに行くときってハードル高いじゃないですか。ライブハウスっていうところがどんなところかもわからないですし、やっぱり暗くて怖いっていうイメージが強いと思うので、そうではないというのを提示できたらいいなと。あとは学生さんとか若い方が多いので、親御さんが安心して送り出せるようなライブでありたいなとずっと思ってます。
岡田 ライブに来たことがない人に、ライブのよさを知ってもらいたいっていうのが強いですね。初めての人も来て大丈夫だよって提示できたら。
三浦 チケットの取り方とか、知ってたら怖くないからね。
岡田 そうそう、1回知っちゃえば。
三浦 自分がそうだったんで。
佐々木 怖かったねー。いっぱいなんか貼ってあるし、めっちゃ書いてあるしさー。
三浦 壁に落書きしてんじゃねーよとか思ってた(笑)。
岡田 今回のツアーもライブハウスに来たことない人たくさん来てほしいですね。
佐々木 メジャーデビューして初のツアーなので、よくなった部分もたくさん見せたいですし、CDを完成させるのも楽しみですし。あとは、どうやって楽しませようみたいなのをずっと考えています。
三浦 バンドやっててそれが一番うれしいからね。
佐々木 なんでもやっぱり初めてって特別なことだと思うんです。メジャーデビューのフルアルバムってこれしかないですし、メジャーデビューしてから初めてのツアーってこれしかないですし、だから1本1本噛みしめてツアーを回りたいですね。
ビデオクリップ
空想委員会 / 八方塞がり美人MV
空想委員会 / 自然選択説 MV (Short Ver.)
- メジャーデビューアルバム「種の起源」 / 2014年6月4日発売 / キングレコード
- 通常盤 [CD+DVD] / 2800円 / KIZC-255~6
- お試し価格盤 [CD] / 2000円 / KICS-93066
収録曲
- カオス力学
- 八方塞がり美人
- 残響ダンス
- エリクサー中毒患者
- ラブトレーダー
- 主の機嫌
- To DARWIN(instrumental)
- ドッペルゲンガーだらけ
- 「ユートピア」検索結果
- 空想進化論
- 自然選択説(※通常盤のみ)
空想委員会(クウソウイインカイ)
三浦隆一(Vo, G)、佐々木直也(G)、岡田典之(B)からなる3人組ロックバンド。2011年にリリースしたインディーズデビュー作「恋愛下手の作り方」がタワレコメンに選ばれ、一気に知名度を上げる。その後もハイペースでCDをリリースし、各地のイベントやフェスに出演。2014年2月にはゲスの極み乙女。との共同ツアーを開催し、話題を集めた。2014年6月にキングレコードから「種の起源」をリリースし、メジャーデビュー。恋愛に対する不平不満や、ひねくれた感情を書いた独特の歌詞が、学生を中心に多くの共感を呼んでいる。