新しい段階に入りつつ背伸びをしなくなった

──シングル「UNDER / SHAFT」発売の3日前にはSHIBUYA-AXでのライブも控えています。どんな内容になりそうですか？

デビュー2周年記念のライブだけに、オリジナル曲やアニメのタイアップ曲、ゲームのテーマ曲などいろんな入り口から私を知ってくれた人が来てくれると思うので、これまでを振り返りつつ、今後を示唆できるようなライブにしたいなと思っています。実際「過去から未来へ」っていうテーマでセットリストを組んでいますし。その「未来へ」の部分では新しい試みとして、さっきお話したようなミュージカルチックな動きというか、メタルで踊るというパフォーマンスをお見せできるのかな。

──おお、それは面白そうですね！

「UNDER / SHAFT」で既に示唆している部分でもあるんですけど、よりロック色の強いライブのできるアーティストになるんだ、という意思を表明する構成になってる感じですね。そろそろ「黒崎真音＝○○」というイメージを強く打ち出す必要があると思っているので。

──先程お話させていただいたとおり、黒崎さん自身にとって「進化形」であり「新機軸」ともいえるシングルと、それを伴ったライブになる？

こういう表現が合っているのかわからないんですけど、新しい段階に入った感じはありつつも、むしろ背伸びをしなくなった感じかもしれませんね。

──新しい段階に上がりつつも、目線は低くなってるんですか？

うーん、なんて言えばいいんだろう（笑）。この2年間、いろんなタイプの楽曲を歌わせていただいてきたんですけど、新しいジャンルの曲をいただくたびに新しい歌い方や新しい黒崎真音像を作り上げる作業を繰り返していたら、本来の自分の姿というものがよくわからなくなってきちゃって。だけど今回のシングルとライブでは、皆さんの知っている黒崎真音像とは違うものかもしれないけど、実は背伸びをしていない素の私、ロックやゴシックメタルが好きな私というものを見せられるのかなっていう気がしているんです。

今後はきっちりと黒崎真音像を固めていきたい

──「今後を示唆する」ということは、これからは「UNDER / SHAFT」の路線を推し進めていくと？

そうですね。いろいろな挑戦をさせていただいたことでボーカリストとしては確実に成長できたし、もちろんこれまで歌ってきたどの曲も大好きなんですけど、今後はきっちりと黒崎真音像を固めていきたい、ひとつのことを貫いて極めていきたいなと思っています。

──「UNDER / SHAFT」の出来栄えを見るに、そういう選択をする気持ちはイヤってほどわかるんですけど、その半面シーンの間には「ハードロックであれハウスであれR&Bであれ、なんでも巧みに歌いこなせる黒崎真音」という認識も確実にあるわけですよね。ジャンルや進むべき道を絞ることで、そういう評価を失うかもしれないことに対する恐怖感はないですか？

ファンの方をビックリさせてしまうのかな？という不安はありますけど、それよりも自分が本当に好きな、本当に自分らしい音楽をやって、黒崎真音の個性や軸を作り上げていきたいっていう気持ちのほうが今は強いです。もしそれでダメになったら、多分辞めるだけ。元からそういう気持ちでいましたし、これまでどんな曲でも全力で歌ってきたように、これからも中途半端な気持ちで何かをやるのは嫌なんですよ。