ナタリー PowerPush - 黒猫チェルシー

くだらないブームは断固拒否! バンド史上最大の問題作「猫Pack」完成

黒猫チェルシーが、メジャー移籍第1弾「猫Pack」を5月26日にリリース。この風変わりなタイトルの作品は、新曲3曲+ライブ&カバー音源からなる全6曲入りCDと、約65分に及ぶ長編映像作品「黒猫チャンネル」のDVDをセットにしたスペシャルアイテム。

今回ナタリーでは渡辺大知(Vo)、澤竜次(G)、宮田岳(B)、岡本啓佑(Dr)の4人にインタビューを行い、この作品に賭ける思いを訊いた。

取材・文/大山卓也

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1人1人が意思を持って演奏するようになった

──1stミニアルバムをリリースして、メンバーみんなで上京してから1年が経ちましたが、現在バンドはどんな状況ですか?

澤竜次(G) それぞれ成長してるし、バンドっぽくなったような気はします。それほど実感はないけど。

──バンドの成長ぶりは今回の新曲にきちんと表れてますよね。

 うん、1人1人が意志を持って演奏するようになったってところはあるかもしれない。ただ、今回の3曲はテンションが上がってスタジオに入ったまんまのノリでジャムってるうちにできた曲なんですよ。決めてたのは「ギターじゃなくてリズムで引っ張っていく曲にしよう」って、それくらいで。ほかには何もなかったんで。

──でも前作も前々作も、特にコンセプトありきの作品ではなかったですよね。

渡辺大知(Vo) 最初の頃もノリで作ってたけど、今回はその頃とは全く違うものができたとは思います。そういう意味では何かが変わってるはずなんですけど、何が変わったのかは自分たちではわかんないですね。バンドをやる上での気持ち自体はそんな変わってないし。

──今回は歌詞もこれまでとはだいぶ印象が違いますよね。特に「ベリーゲリーギャング」は、すごく言葉が刺さってくる感覚があって。

渡辺 歌詞はみんなで音あわせたときに最初に感じたインスピレーションから。なんか新しいことできたような気はします。自分が書きたかった歌が書けてると思う。

──「ベリーゲリーギャング」ってどういう意味なんですか?

渡辺 これは意味はないです。みんなで話してるときにでてきた言葉をちょっとアレンジしたという(笑)。僕ら、これまでの曲もタイトルはあまり深い意味を持ってつけてないので。でもタイトルを先に決めて、その言葉からイメージして歌詞を広げていきました。

DVDは肩の力を抜いて観てほしい

──今回の「猫Pack」はCDとDVDのセットという形態でのリリースですが、このアイデアはどこから?

 やっぱ普通にシングル出すっていうのはなんかちょっとパンチがないというか。せっかく出すんやったら、僕らを知ってもらうためのアイテムとして映像も入れてみようと。

──できあがってみての感想は?

渡辺 僕らが楽しんでやってる感じが伝わるもんになったんじゃないですかね。ライブ音源も入れてるから、普段のライブをどんなテンションでやってんのかもわかってもらえると思うし。

──で、音源は素晴らしいんですけど、DVDが……。通して観たんですけど、料理コーナーあり、人生相談あり、グルメレポートあり、探偵ドラマありの謎の内容で、あれはいったいなんなんでしょうか?

宮田岳(B) (笑)あれは、ライブ映像やビデオクリップをそのまま付けるのもどうかなってことで、ああいうハズした感じに。

渡辺 娯楽です。

岡本啓佑(Dr) 最初のコンセプトはメンバー1人1人の人間性というか、キャラクターがわかるような映像を作れたらいいなってとこだったんですよ。

宮田 うん、あんまりなんか気負ってほしくない。かっちりとしたライブ映像だけじゃなく、もっと肩の力抜いて観てくれっていう気持ちです。

岡本 そう、だからライブの映像観たくて買った人はほんまイライラすると思うんですけど(笑)。

──でも意外とやらされてる感がなくて楽しそうなんですよね。

渡辺 僕ら自身がやりたいことや、ほかのメンバーにやらせてみたいアイデアをまず考えて、セリフとかもほとんどアドリブで。中途半端にやったら面白くないし、本気でやってるからだと思います(笑)。

「猫Pack」 / 2010年5月26日発売 / Sony Music Associated Records

  • 初回限定盤 [CD+DVD] / 2500円(税込) / AICL-2123~2125 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤 [CD] / 1680円(税込) / AICL-2126 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. ベリーゲリーギャング
  2. オーガニック大陸
  3. ファンキーガール
  4. 嘘とドイツ兵 (LIVE ver)
  5. 廃人のロックンロール (LIVE ver)
  6. 嫌んなった
初回盤DVD収録内容
  • メンバー&箭内道彦氏率いる風とロック/ロックンロール食堂チームとの共同企画による約60分に渡るスペシャル映像『黒猫チャンネル』
  • 「ベリーゲリーギャング (Lip ver)」ビデオクリップ
黒猫チェルシー(くろねこちぇるしー)

神戸出身のロックンロールバンド。渡辺大知(Vo)、澤竜次(G)、宮田岳(B)、岡本啓佑(Dr)の4名により、高校在学中の2007年3月に結成。2008年には日本テレビの深夜番組「音燃え!」に地元のライブハウスの推薦で出演し、他の学生バンドとは一線を画す格の違いを見せつけた。 2009年4月に1stミニアルバム「黒猫チェルシー」をリリース。現在は都内を中心に精力的なライブ活動を続けている。 なお、ボーカル渡辺大知は2009年夏公開の映画「色即ぜねれいしょん」の主役に抜擢。田口トモロヲ監督、みうらじゅん原作の話題の作品で、岸田繁(くるり)、峯田和伸(銀杏BOYZ)らと共演を果たしている。