ナタリー PowerPush - 黒木メイサ
早くも到着のニューシングルはメイサ流“エレクトロ・フラメンコ”
音と言葉に1人の人間としての本音を詰め込んだ内容と、初回限定盤のどでかいパッケージが大きな話題を呼んだ1stフルアルバム「MAGAZINE」のリリースから約3カ月。早くも届く黒木メイサのニューシングル「One More Drama」は、エレクトロとフラメンコを融合させた斬新なサウンドの上で“もうひとつのドラマを!”と高らかに歌う、彼女にとっての第2章を告げる重要作となった。
本作に注いだこだわりをうれしそうに語ってくれたインタビュー。そこからは、役者業と並行して本格化する音楽活動が心底楽しくて仕方がないという、彼女のポジティブなテンションが感じとれるはずだ。
取材・文/もりひでゆき 撮影/平沼久奈
「あ、この曲今やりたい!」
──今年1月にリリースされた1stフルアルバム「MAGAZINE」の反響はいかがでした?
リスナーの方の反応がまずすごく良かったのがうれしかったです。さらに今回は普段お仕事を一緒にしてる方たちからの反応も良くて。自分自身、いい作品になったなと思える出来だったので、気に入ってもらえたのはうれしかったですね。
──普段一緒にお仕事をされているというのは、映像畑の方々ですか?
そうです。ドラマの共演者の方だったりスタッフさんだったりから「聴いたよ」っていう反応が多かったのが新しい感触でした。
──そういう方々は“歌う黒木メイサ”をどう見てるんでしょうね。
どうなんでしょうね。去年、初めてやったライブを観に来ていただいたある監督さんは「寂しい」って言ってましたけど。音楽を本気でやってるのがわかるから、どんどんそっちに行っちゃうんじゃないかと思うと寂しいなぁって(笑)。
──おぉ、それは褒め言葉ですよね。
そう。私にとってはうれしいことでしたね。
──で、そんなアルバムから3カ月で早くもニューシングル「One More Drama」が届くわけですが。やっぱりアルバムでの手応えを持って、すぐに動きたいという欲求が高まっていたんですかね?
私の場合、ほんとにそのときそのときに思ったことしかできないんですよ。「あ、この曲今やりたい!」っていう感じでいつも動いているので、後は周りの大人の方たちにがんばっていただいてリリース時期なんかは決めるんです。
サイボーグ的なイメージを反映した曲
──ということは今回も「すぐにやりたい!」と思える曲に出会えたことがこのタイミングでのリリースにつながったと。
ですね。今回は「Bad Girl」とか「LOL!」とかを作ってくれたJUNEくんが作曲してくれたんですけど、彼から曲をもらったときに「これ次やりたい!」って話をすぐにさせてもらって。そこからトントントンと進んでいった感じなんですよね。いい曲だなって思っても、後回しにしちゃうといざやるときにテンションが変わってたりするんですよ、私の場合って。
──旬じゃなくなる感じですかね。
うん。やっぱり最初に感じたテンションで曲に乗っかっていきたいなっていうのがあるので、思ったときにやれることが私にとっては一番幸せだなと。
──この曲がメイサさんの中でヒットした一番の理由は?
毎回、自分の中で映像が浮かぶ曲を選んでるんですけど、今回は歌詞が乗る前の曲を聴いたときに、生きてるものと、生きているか生きていないのかわからないサイボーグ的なものがパッと浮かんだんです。なんかそういう映像が浮かんだのが新鮮だったというか。
──有機物と無機物みたいなイメージでしょうか。それは人の形をしていた?
そうですね。それは私なのかもしれない。私って、例えば人と会うときとか仕事してるときとかに、何かフィルターのようなものを1枚かぶっているというか、そういう部分があったりもするんですよね。あと、歌詞を書いてくれたカミカオルさんが「MAGAZINE」のときのインタビューで「黒木メイサは生きてるか生きてないかわからない」みたいなことをおっしゃってて。その表現がすごく面白いなって思っていたので、そういうところからつながった部分もあったかもしれないですね。なので、今回はジャケットとかビデオクリップとかに、そういうイメージを反映させてます。
CD収録曲
- One More Drama
- Go Ahead
- LOL! ARP REMIX remixed by dee.c
- One More Drama (instrumental)
初回盤DVD収録内容
- One More Drama (Music Video)
- SPECIAL MAKING OF One More Drama
黒木メイサ(くろきめいさ)
1988年生まれ、沖縄県出身の女性シンガー。2004年に女優デビュー。2009年4月にアルバム「hellcat」で歌手デビューを果たし、シングルやミニアルバムを多数リリースしている。2010年10月には東京・恵比寿ガーデンホールで初のワンマンライブ2DAYSを敢行。ファッションイベントなどでも精力的にライブを行い、パワフルな歌声とクールでセクシーなダンスで幅広い層を魅了している。2011年1月、初のオリジナルフルアルバムとなる「MAGAZIINE」をリリース。