タイトル「ルミナスター」はファンからもらった言葉

──メジャーデビューアルバム「ルミナスター」は、そのタイトルが放つイメージどおり、ものすごくキラキラした世界観が描き出されていますね。

POCO　ファンの人に空中分解のイメージを訊いたとき、「キラキラ輝いてルミナスターみたいです」っていう感想をもらったことがあって。後々調べてみると「（魔法の天使）クリィミーマミ」に出てくる魔法アイテムの名前だったんですけど（笑）、そのキレイな言葉にすごく惹かれて。アルバムタイトルは絶対この言葉にしようって思ってました。

──空中分解は言葉選びにこだわっている印象がありますよね。

POCO　そうですね。僕の場合、キャッチーな言葉がポンと自分の中から出てきたら、それに合わせて曲を作っていくことが多いんです。例えば「アンテナガール」っていう言葉が出てくれば、電波を拡散するようにみんなへ広まるような曲にしようとか。言葉先行、イメージ先行な部分が大きいですね。言葉遊びの延長で歌詞に絵文字を使っちゃったりもしてますし（笑）。

──だからこそ聴き手にもいろんなイメージが広がるんだと思います。アンテナガールさんもレコーディングは苦労されたとおっしゃっていましたが、歌うのは気持ち良かったんじゃないですか？

アンテナガール　うん、うん（笑）。

POCO　ここまで歌えるエレクトロってあんまりないと思うんですよね。

アンテナガール　メロディと言葉が自然にハマってるというか。そういうところがすごく気持ちいいんですよ。

POCO　そこはやっぱり僕が歌ってたからっていうのは影響してると思います。歌い手だからこそ気付ける部分はあると思うので。子音や母音の響きもかなり意識して作ってますから。

コンセプトは「みんなが歌えるエレクトロ」

──アルバムの中で特に印象的だったのは、6曲目の「ギリギリミュージック」や7曲目の「WARP」。キラキラ感の強い曲たちに混ざって、サウンド的にちょっとへビーな表情が見えていますよね。

POCO　ちょっとロックな感じですよね。

──そうそう。そこにアンテナガールさんのキュートなボーカルが乗ることで、またひと味違った空中分解の世界を感じることができたんです。

アンテナガール　ああ、そこに気付いてもらえたのはうれしいな。

POCO　アンテナガールの声はかわいい曲にはハマりやすいと思うけど、じゃあロックテイストだとどうなるんだろうっていうことで、“カッコかわいい”に挑戦してみたんです（笑）。本人は歌い方でかなり悩んだみたいなんですけど、いい感じにハマったと思いますね。

アンテナガール　POCOが歌ってるデモテープのイメージに近付けすぎると、アンテナガールっぽさから外れそうになってしまうので、曲としてまとめるためにどう歌えばいいかっていうのは結構考えましたね。

POCO　ロックテイストの曲をクールに歌うとありきたりになってしまいますからね。結果としてちゃんとポップというカテゴリに入る曲になったので良かったです。こういう曲ができたことで、「みんなが歌えるエレクトロ」という空中分解のコンセプトをアンテナガールがアイコンとして担ってくれているんだなっていうことをより強く実感できました。

──「みんなが歌えるエレクトロ」っていうキャッチコピーはいいですね（笑）。

POCO　この作品で空中分解を多くの人に知ってもらって、ぜひカラオケで歌ってほしいですね。今までのファン層は10代から20代前半の女の子がメインだったんですけど、女性ボーカルになったことできっと男性ファンも増えてくれるんじゃないかなって思うんです。それもすごく楽しみで。そのことによって曲や歌詞のテイストが変わってくることもあると思うので、現場の声を感じつつ動いていければなって思ってます。

──ちなみに今後POCOさんのボーカルは完全封印ですか？

POCO　オファーがあればイベントとかで歌うことはあるかもしれないですけど、優先順位的にはアンテナガールプロジェクトに全力を尽くしていくつもりです。僕が歌うと空中分解として掲げたコンセプトが揺らいじゃうことにもなりますからね。

アンテナガール　目指すは「ルミナスター2」ですね（笑）。できたらいいな。

──アンテナガールの声を生で聴けるライブにも期待したいですね。

POCO　ライブもポツポツやっていこうかなと思ってます。ね？

アンテナガール　ふふふふ。これから度胸をつけて、がんばります（笑）。