8人の多様なバックグラウンド

──まずは、皆さんの音楽的な経歴や「三代目ケツメイシオーディション」に参加したきっかけを教えてください。

TOSHI（MC, Vo）　僕は静岡から上京して10年間、音楽活動をしてました。いろんなユニットをやっては解散してというのを繰り返し、そのうちに自分の年齢で受けられるオーディションが少なくなってきて。その中でこのオーディションは、20歳以上の男女だったら誰でも受けられるものだったでチャンスだと思って受けたんです。

neco.（MC, Vo）　僕はもともと美容師だったんですが、カラオケがうまくなりたくて歌のレッスンに通ううちに歌手になりたい気持ちが強くなっていって。それで思い切って美容師を辞めたんです。そのタイミングでちょうどこのオーディションがあって、運命みたいなものを感じました。

IMANISHI（MC）　僕は地元の大阪で介護業界で働きながら、20歳くらいからラップをやってました。音楽でメシを食いたいと思いながらも、現実はうまくいかず。このオーディションがあると知ったときにオカンやオトンから「お前、ケツメイシ好きやったんちゃうん？ 受けたらええんちゃう？」って言われて。そんなこと今までなかったんですよ、お前なんかじゃムリだって言われてたんで（笑）。だからちょっとやってみようかと思って生まれて初めてオーディションを受けてみたんです。

大志（MC, Vo）　僕も今までオーディションというものを受けたことがありませんでした。歌手になりたいとは思ってたんですけど、何もしてなくて。でもある日、仕事中に友達から連絡がきて、「お前が好きなケツメイシがオーディションやってるよ」って。締切の1時間半前くらいでしたが「これは俺のためのオーディションかな」とピンと来てあわてて応募しました。

TaKu（Vo）　僕は20歳からクラブなどでR&B系の歌を歌ってたんですけど、親に音楽活動をすごく反対されてたんです。でもとりあえず2年間がんばらせてくれと言ってオーディションを何回も受けたもののダメで、もうムリかなあと思ってたところで今回のオーディションの話を聞いて。オーディションが開催された12月は親との約束の2年間の最後の月だったので、大志と同じく開催告知を見たときは「これで最後だし何かあるな」と思いました。

J-CROWN（MC, Vo）　僕はゴスペル主体のグループで活動していたんですけど、「このままでいいのかな？」ってどこか疑問を感じてたんですね。それで25歳を迎えて「何かやるんだったらラストだな」と思い、金は全然なかったんですけど、オーディションの情報を集めるために10万円くらいはたいてMacBookを買ったんですよ。で、検索したときに初めて見付けたのがこのオーディションで。合格したから、あのとき10万出してよかったです（笑）。

イリナ（MC, Vo）　私は札幌でずっとシンガーとして活動していました。なかなか芽が出なくて、環境を変えてみたいと決意してオーディションの2カ月前に東京に引っ越してきてたんですね。上京してからSNSで偶然見付けたのがこのオーディションだったんです。

Cha-ka（MC）　私は東京で4年くらいヒップホップのグループで活動していて。そのあと地元の愛媛に戻って就職したんですけど、地元でもソロシンガーとしてクラブでずっと歌ってたんです。グループからソロに変わって、自分で全部曲を作るという活動に行き詰まりを感じていたときに今回のオーディションを知って。ケツメイシさんが曲作りを教えてくれるっていうのはいいなと思って応募しました。

まだ直接聞かされていない

──1 FINGERというグループ名は、ケツメイシのメンバーから直々に発表されたんですか？

IMANISHI　いや、実は誰もケツメイシさんの口からは直接聞いてないんですよ。ある日会議室に入ったらホワイトボードに書かれてて。それで「たぶんこれやな」って（笑）。

TaKu　僕なんて、最初は大志からLINEで「グループ名が決まりました。MOVEMENTです」って間違った情報を教えられましたからね（笑）。

TOSHI　最初に名前を知ったのは全員じゃなくて4人。俺とIMANISHI、イリナ、J-CROWNだったかな。で、あとで会った大志に伝えて。

TaKu　そう。あとでまた大志からLINE で「1 FINGERだそうです」って送られてきました。

大志　ふふふ（笑）。

TaKu　ケツメイシさんからは後日スタジオに行ったときに改めて言われるのかなと思ってたら、結局何も言われなくて。

IMANISHI　ケツメイシさんはいつも大事なことを居酒屋で突き出しを出すような軽い感覚で伝えるんですよ（笑）。

自分の世界を変えていこう

──1 FINGERお披露目の1曲と言える「Change The World」は、どんなふうに作っていったんですか？

TOSHI　まずサビにだけRYOJIさんが書いた歌詞が入ってるトラックをいただいたんです。そのサビに合ったメロディと歌詞をそれぞれ期日までに作って提出するっていう形ですね。

──その中でいいものが採用されるんですか？

TOSHI　はい。どの曲もそうなんです。

──ということは、競争心が煽られますね。

大志　うん。みんな採用されたくて真剣でした（笑）。

──トラックはいろんなタイプのサウンドが混在してますね。イントロはダンスホールレゲエみたいだし、そのあとトラップに変わって、王道EDMテイストに変わって、サビはすごくキャッチーな歌モノJ-POPになる。

イリナ　だから最初にトラックを聴いたときは難しそうだなって思いました。出だしの雰囲気とサビの雰囲気がまったく違うので、どういうふうにつながっていくんだろう？って。仮でまとまってきたものを聴いたときに、「あ、こういうふうになるんだ」ってようやくちょっとつかめたんです。

──歌詞はどんなテーマで書いたんですか？

TOSHI　RYOJIさんがテーマを箇条書きにした紙があって。そこには世界を変えていこう、みたいなことが書かれていたんです。

IMANISHI　でもそれは世の中とか社会っていう大きい世界じゃなくて、自分の世界のことで。未来っていうよりは目の前の明日とか、そういう身近なところから考えてみようと。僕らはみんなバイトしながら音楽活動をやっているから、そういう目線で書こうと考えました。