俺らは将軍じゃなくって農民だから

──アルバムをひととおり聴いて、実は狂撃の歌詞はすごく社会派だと感じました。たとえば格差社会のような問題について、弱い者からの視点で「なめんなよ！」っていう強い気持ちを突きつけてるようなメッセージを感じて。

よーかい　やっと気づいたんですか！

ラン坊　何を隠そう、僕は社会が一番得意やったんですよ！ 特に歴史が！

──いや、あの、今は教科の社会について話してるんじゃないんで（笑）。

昭和過激　でも確かにそれは俺も思うな。JUNZØが持ってくる歌詞を見ると、そんなにディープなことは書いてないし、頭のいい人からするとしょうもないようなことだけど、俺らなりの言葉でわかりやすく今をちゃんと表現してるんやなって。それはすごい思う。

ラン坊　うん、そやな。思うな。

よーかい　もちろん自分たちも同じ気持ちがあるし。

JUNZØ　まあメンバーに対してももちろんそうやけど、聴いてくれる人にね、それが伝わってくれたら一番嬉しいですね。

──でも社会派っていっても、怒ってるわけではなくすごくポジティブなんですよね。

JUNZØ　うん、僕ら雑魚やからね。スターじゃないので。

よーかい　だから雑魚の代表としてがんばってます。

──「No民」という曲にしても、年貢を取られている農民が一揆を起こす歌詞ですけど、歌ってる内容はそのまま現代社会に当てはまるなと。

JUNZØ　俺らは将軍じゃなくって農民なんですよ。年貢納めなダメなんです。

よーかい　しかも将軍をやっつけても、ずっと農民のまんまなんです。

──ちなみにJUNZØさんはいつもどうやって歌詞を書くんですか？

JUNZØ　まずね、曲ができたときにそのイメージから仮タイトルみたいなのを先に付けるんですよね。

昭和過激　そこから広げていく感じなのかな。ちょっとしたことをテーマに。

JUNZØ　そうそうそう。引きこもりがどうとか、自殺する人がどうとか、ちょっとしたテーマはある。

──それはJUNZØさんの中にある、たとえば日本社会に対する不満だったりとか。

JUNZØ　いやいや、そういう難しいことはわからへんですけども。もっと身のまわりで起こってる言いたいことっていうのを考えて。

昭和過激　日本がどうたらとかじゃなくもっと個人的なこと。

よーかい　でも、JUNZØだけの個人的な感覚で書いとるのに、誰が読んでも共感できるやろ？

昭和過激　きっと、そういうヤツのほうがこの世には多いんやろなと思う。

JUNZØ　要するに雑魚はみんなおんなじ目線を持ってるってことなんでしょうね。

よーかい　いやいや、JUNZØの歌詞は将軍が読んでもわかるよ。

JUNZØ　おう、将軍も読まなあかんで。

よーかい　将軍が読んだらドキっとするで。

ラン坊　「俺って上の人間やないんや！」って。「人間に上も下もないんや！」ってな。