ナタリー PowerPush - JAPAN-狂撃-SPECIAL
これでキミも狂撃だ!個性的過ぎる4人のファッションを徹底解明
暴走族が単車に乗るのと僕らがライブをやるのは、ステージに立つっていう意味では一緒
──今回のシングル「朝日」を聴いて、これまでの狂撃の曲にこういったロマンチックな曲はなかったなと新鮮な驚きを感じました。アレンジも今までになくストレートなパンクですし。
JUNZØ 青春というかなんというか、そんなイメージのやつが1曲欲しいなと思って。もともとは、アルバムのラストの曲にしようと思って作ってたんです。
昭和過激 別にシングルにしようと思って作ったんじゃなく。アルバム出すためにバーッと曲作ってたんやけど、シングルどれ出そうかみたいな会議があったから、全部ええけどこれやな~みたいな。
──JUNZØさんがこの曲を持ってきたときに、みなさんはどんな反応だったんですか?
よーかい 号泣。
JUNZØ ウソ付くな(笑)。
ラン坊 手ぇ震えてギター弾かれへんかった。
よーかい 聴いた瞬間、スポットライトがパーンって当たって、みんなで肩寄せてむせび泣いて(笑)。
ラン坊 涙でギターの弦錆びてましたからね(笑)。
──カップリングはすべてインディーズの曲をリメイクしたものなんですよね。古い曲を新しく録り直してみてどうでした?
よーかい 楽しかったです!
JUNZØ 実際に今やってるライブの中心の曲やからね。今の僕らの感じかな。
よーかい もともと自主制作で出した曲やから知らん人も多いし、でもたまにライブでもやるし、入れとったらええんちゃうん? って。
──スタジオライブを録音したからか良い意味で荒くなったというか、実際のライブをそのまま聴くような迫力が出ていてシブかったです。
JUNZØ でもあれはカップリングだからってことでああいう感じで録ったんですけどね。新曲とは分けて考えてました。新しい曲はもっとちゃう感じでやっていくと思います。
昭和過激 もっとやりたいことは他にもいっぱいあるしな。
JUNZØ 今やりたいことは今度のアルバムに詰め込まれてると思います。
よーかい だからサービスみたいな感じやな、ほんま。ライブ来る人はこういう曲も知っといてくれ、みたいなな。
──狂撃の曲は単車をイメージさせるものが多いですよね。今回のシングルでも「朝日」「泣無魔威駄阿 ROUTE25」「ON THE ROAD PARTY」がそうなんですけど。でも改めてよく歌詞を見てみると、具体的にバイクを意味する言葉ってぜんぜん出てこない。
JUNZØ そうっすね、言われてみればバイクとかはあんまり言ってないですね。実際バイク好きですけどね。
よーかい 俺は常に歩き。
昭和過激 俺はチャリか徒歩。あと盗んだバイクで。
よーかい バイクで? 続きは?
昭和過激 ええっと、盗んだバイクで……校舎の窓ガラスを……卒業するんすよ……。
──意味がわかりませんが(笑)。ということは、実際にバイクに乗っているシチュエーションを思い浮かべて曲を作っている訳ではないんですかね?
JUNZØ いや、思い浮かべてますよ。でもそれだけじゃなくて。バンドでライブをしてるときとバイクで暴走してるときって、同じような感覚なんですよ。
昭和過激 ライブもそうやし暴走族もそうやけど、学生や社会人だって週末の夜になると気持ちが高ぶるでしょ。そういう感覚が曲になってるんだと思う。
JUNZØ そうっすね。暴走族が単車に乗るのと僕らがライブをやるのは、ステージに立つっていう意味では一緒。他の人たちだってそれぞれいろんなステージに立ってるやないですか。だから具体的なシチュエーションとしてバイクに乗ってるシーンを描いてるってより、「ステージに立つこと」を曲にしてますね。
映画の衣装がイヤすぎて……、JAPAN-狂撃-SPECIAL解散の危機
──映画「少年メリケンサック」で俳優デビューを果たしたとのことですが、みなさんはどんな役をやってるんですか?
よーかい 不良の役です。なんか長ランとか着て。
昭和過激 何をする役かっていうと、人を殴る役です。ただそれだけです。
──(笑)。
ラン坊 暴れたり人殴ったり、ライブぶちこわしてなあ。最低のクズ野郎の役やな(笑)。
昭和過激 できればやりたくなかったよな。
JUNZØ ほんまは違いますってちゃんと書いといてください。ほんまはガリ勉でした、って(笑)。
ラン坊 エリートです。
よーかい インテリです。
──狂撃が出るシーンは1980年代っていう設定なんですよね。
ラン坊 そうですね。回想シーンみたいな。
──台詞とかあるんですか?
昭和過激 いや、特になかったんちゃう? わーわーって。
よーかい なかったけど勝手に作った(笑)。
JUNZØ むちゃくちゃ疲れたな、撮影。
ラン坊 疲れたなあ。5分くらいずっと100メートル走。現場に着くなり朝からいきなり。
JUNZØ でも試写会観た人は良かったって言ってたけどな。
──演技が?
JUNZØ 演技かな? 何が良かったんやろ。
ラン坊 そもそもアレ演技って言うんかな(笑)。
よーかい 衣装も私服やしな。
ラン坊 ライブハウス襲撃のシーンは全員私服やったんですよ。
昭和過激 最初は衣装用意されてたんやけどね。なんか特攻服みたいなのを用意されてて。衣装合わせのときに監督の宮藤官九郎さんが「いいなあ」とか言うてるんやけど、俺らは「どうしようかな……、こんなの着て出たら終わりだな……、映画公開されたら狂撃解散やな……」って思ってて。
よーかい 逃げようやとかみんなで言ってな(笑)。
ラン坊 肩幅すごいヤツ持ってきて「着てみてください」って。
JUNZØ 中学に入学するときにおっきめに作った学ランみたいになってて。
昭和過激 だから、ホテルに帰る道の途中で「もういやや」って言うて、ディレクターに電話してもらって。
よーかい 「あの衣装じゃ出えへんとかごねてるよ」って言ってもらって。
昭和過激 最終的に向こうもなんでもええわってなったんか知らんけど、「それじゃみんな私服で出てください」ってことになったんです。汚れますよって言われたけど、別に俺行けるなあと思って気に入ってる服で行って。そしたら役者の人と揉み合いになったときに砂の上に引きずり倒されて、土と血糊でドロッドロにされた。ちょっとクリーニング代請求したろかな思ったわ(笑)。
ラン坊 でも面白かったよな。
よーかい ただただ面白かったからな。監督には「今度は恋する役やらせてください」ってお願いしてます。
昭和過激 まだオファーけーへんな(笑)。
JAPAN-狂撃-SPECIAL
(じゃぱんくるうすぺしゃる)
キワメミチJUNZØ:ヴォーカリスト 元ゴミ屋
なめんなよーかい:ベーシスト(?) 特攻隊長
ラン坊:ギタリスト 元ペンキ屋
昭和過激:ドラマー 無職屋
昭和?年に関西各地の府営スラム団地で産声をあげた4人。紆余曲折など、うんぬんかんぬんなど(長くなるので割愛)、その他もろもろあり(コレもカット)、遂に出会ったしまった4人。コブシを交わして築いた(気付いた)結束は固く、「なめんなよの精神」のもとに日本最強の暴走音楽結社を結成することを決意する。その名をJAPAN-狂撃(くるう)-SPECIALと名付けた。(正式名称は長いので割愛)
昭和78年、1st DEMO「THE PUNX(4曲入)」を自主レーベル「爆裂レコード」よりリリース。翌年、この世で最もイカしたファッション「ジャパトラ」、そしてこの世で最もイカしたヘアースタイル「ジャパトラ・パーマネント」を生み出す。マスコットキャラクター「なめぞう君」も誕生。
昭和82年-1st アルバム「I LOVE PUNKY NIGHT...(10曲入)」リリース。同年突如、キューンレコードの新人コンベンション ライブに彗星のごとく登場!そのイカしたパフォーマンスで話題をさらう。その後、パーマ代の支払いが原因でキューンレコードとの契約が難航中であったが、パーマ問題も無事解決して!?、晴れて08年11月26日 キューンレコードよりシングル「カミカゼロード」にてメジャーデビュー。