Kroiが現在実施中の対バンツアー「Kroi Live Tour 2021-2022 "Dig the Deep"」。音楽ナタリーではツアーの開催を記念し、Kroiとゲストアクトのインタビュー企画を展開している。
「Dig the Deep」はKroiが活動初期より実施している対バンライブ企画だ。今回のツアーは、Kroiが11月17日に新作音源「nerd」をリリースしたことを記念したもので、ゲストアクトにはどんぐりず、韻シスト、ニガミ17才、CHAI、マハラージャン、在日ファンクといった個性豊かなアーティストがラインナップ。先日公開された特集第1弾では、どんぐりずと韻シストを迎えたインタビュー2本を掲載した(参照:Kroi 対バンツアー開催記念インタビュー第1弾)。
今回は北海道・札幌PENNY LANE24公演に出演するCHAI、大阪・梅田CLUB QUATTRO公演に出演するニガミ17才、東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の1日目に出演するマハラージャンの3組が登場。それぞれKroiとの共通点や、楽曲制作におけるこだわりを語っている。
取材・文 / 黒田隆太朗撮影 / トヤマタクロウ
CHAIから見たKroiの魅力
──2組はもともと面識はあったんですか?
カナ(CHAI / Vo, G, Key) ラジオ局で会ったよね?
内田怜央(Kroi / Vo) そうだ。俺と千葉さんだけFM802でたまたまお会いして、そこでご挨拶させていただきました。
──CHAIのお二人は、Kroiにどんな印象を持っていましたか?
マナ(CHAI / Vo, Key) 私たちのヘアメイクをやってくれている子のインスタでKroiのアー写を見て、「こういう男の子グループ珍しいな」と思っていました。アー写があんなにカッコいい子って、あんまりいないじゃん?
カナ うん。私はフレデリックの(三原)康司くんから教えてもらって。写真がかわいくていいなと思ってました。
マナ そう!かわいい。そして曲を聴いてみたらカッコいい。
内田 うれしいです(笑)。
長谷部悠生(G) アー写やMVは、ファニーな要素やユーモラスなものを意識していて。メンバーとビジュアルについて話し合ったことはないので、そういうのが好きなやつらが集まったんですかね。
内田 R&Bやソウルのアーティストの奇抜なビジュアルに憧れてきた人間なので、俺個人としては自分たちが表現する立場のときは絶対にそこはこだわりたいと思っていて。
長谷部 CHAIのビジュアルもクリエイティブですよね。グッズもめっちゃかわいいです。
マナ ありがとう!
──CHAIのお二人は、Kroiの「LENS」(2021年6月リリースのメジャー1stアルバム)は聴いていました?
マナ うん。1曲目の「Balmy Life」が好き。
カナ 私は「NewDay」と「a force」かな。
マナ 最後の「feeling」も終わり方に物語性があって、勝手にCHAIと共通するものを感じてました。あの感じがすごく好きで。最後に1分くらいで完結する曲が入っているのは海外っぽいなって思う。
カナ オーケストラみたいだよね。フュージョンとかファンクとか、いろんなものが混ざっていて新しい。
マナ ラップもめっちゃカッコいいしね。
新しいものを求めて
──CHAIは「WINK」(2021年5月リリースの3rdアルバム)でサウンドがガラッと新しくなった印象があります。
マナ はい、新しくなりました(笑)。
内田 CHAIさんは進化が止まらないですよね。自分たちも新しいものを求めているというか、そこを美徳としている部分があるので、共通の意識があるのかなと思っています。CHAIさんは作品を作るとき、どういうところからインスピレーションを得ていますか?
マナ 音楽をいっぱい聴いてます。クレイロ、セイント・ヴィンセント……あとはタイラー(・ザ・クリエイター)とビリー(・アイリッシュ)のアルバムもよかった。最近いいアルバムが多くて、ドージャ・キャットもよかったです。でも、私は「Hot Pink」(ドージャ・キャットが2019年11月にリリースした2ndアルバム)のほうが好き。
内田 好きそう(笑)。
マナ マック・ミラーも大好きだし、The Internetも好きだし、TLCもよく聴くなあ。
──「WINK」はR&Bやヒップホップに接近した音でしたね。
内田 今までもファンクの色はあったと思うんですけど、現代のR&Bの感じではなかったじゃないですか。その変化は海外進出がきっかけなんですか?
マナ そうそう。
カナ 今の音をちゃんと入れたかったんだよね。昔の音もいいんだけど、新しい音を取り入れたうえでCHAIのサウンドを作りたかったから。そこをみんなで話し合って作りました。
長谷部 CHAIはどの楽器もすごく個性的で、聴いたらすぐCHAIだとわかりまりますよね。
内田 「END」のサウンドデザインもヤバいなって思います。ブーンバップのビートが大好きで、イントロが流れた瞬間「これ好き!」みたいな(笑)。そこにガーン!ってベースが乗ってくる感じがすごくよくて、CHAIさんはビジュアルとのギャップにも燃えますし、こんなカッコいいアーティストが今日本にいるのかって思います。
マナ うれしい!
カナ 幸せー。
DM送ればいいんだよ
内田 「WINK」はフィーチャリングで参加してるゲストもよくて。
マナ よかったあ。
内田 キーボードの千葉(大樹)さんと「マインドデザインいいよね」って話をしてたら、CHAIさんが一緒にやってるという。
──Kroiは海外アーティストとフィーチャリングしたい気持ちはありますか?
内田 したいすけど……できるんですかね? 俺ら(笑)。
カナ できるできる。
マナ DM送ればいいんだよ。
内田 なるほど。
長谷部 俺、DM送るのめっちゃ得意。
カナ 得意なんだ?(笑)
長谷部 バンド結成もDMでベースの関(将典)と俺がつながったのがきっかけなんですよ。英語は全然しゃべれないんですけど……。
カナ まあ、翻訳があるから。
長谷部 DM送ってみようかな(笑)。
内田 ファンクを聴き始めたのは、何がきっかけだったんですか?
マナ 周りの人が教えてくれたんだよね。
カナ 高校の頃の顧問の先生がファンク好きで、ファンクのギターをめっちゃ弾いてたの。それで私も好きになって、絶対にこれやる!って思った。
長谷部 いい学校だなあ。怜央とは中高一緒だったんですけど、学校でファンクの話ができるのは俺ら2人しかいなかったから。
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KroiとCHAI、2組の共通点