ナタリー PowerPush - 近藤夏子
見て! 知って! 聴いて! “あたし”を詰め込んだ初アルバム
自分を一番認めてるのは自分
──しかし、みんなと変わらないとは言っても、普通はなかなか曲を作れないですし、作った曲がこんなに広まるのも難しいと思うので、やっぱり近藤さんには特別な力があるんだと思います。
ありがとうございます。そう思っていただけたらむちゃくちゃうれしいですね。
──そういう自分の才能にはまったく自覚はないですか?
それは難しいですねー(笑)。才能とは思ってないけど、自分のことを一番認めてるのは自分なんです。自分自身を信じてなかったら、たぶんもう辞めてますね。例えばストリートライブをやって誰も止まってくれへんかったとき、才能ないわ、もう終わろうって諦めることもできました。でもどうしても見てほしい、知ってほしくて、私の音楽で何か起こせるかもしれへんって信じて続けてきたから、今があると思うんです。
──キツい場面でも諦めなかったということは、人一倍その思いが強かったんですかね。
そうですね。あと私の場合は、両親が音楽活動をすることをすごく応援してくれたので、それも心強くて。で、信じてくれる人が周りに増えれば増えるほど、その人たちのためにもがんばりたいっていう気持ちが高まって、諦めずやってこれたんだと思います。
──メジャーという大きなフィールドで自分のことを表現することに対して怖さはないですか?
それはやっぱりありますね。私はこうですって発表して、否定されたらどうしようっていう気持ちはもちろんあるし、CDを出すことでランキングという評価が出るのが怖いと思ったこともあります。でも、それに流されて自分の作品に自信を失くしたら、支えてくれてる人たちに申し訳ないじゃないですか。自分自身が弱気になってたら誰にも伝われへんわって、最近はそう思えるようになったかな。
──じゃあ信じてくれる人たちの思いが、そのまま近藤夏子の力になったんですね。
自分のためというより、むしろそっちのほうが大きいと思います。自分が1つひとつ壁を越えるたび、周りの人たちが「なっちゃんすごいなぁ!」って喜んでくれることが、私のがんばれる理由になってます。
「相変わらずなっちゃんはなっちゃんやな」
──では今後のお話を聞かせてください。1stアルバムを経て、ご自身ではこの先の“近藤夏子”をどんなふうに描いていますか。
常に目の前のことに必死なタイプなので、先々のことはあまり考えてないんですよね。さっき話したように毎日書きたい曲も変わるし、正直明日の自分がどうなってるかもわからないし。だから、今のスタイルで毎日がむしゃらにやっていくのが一番かなと思ってます。
──最終的な目標も特に設定していない?
してないですね。何歳まで歌うかもわからない。でもいつも意識していたいのは、何に対してもアンテナを張っておくこと。音楽も、ファッションも、それ以外のまだ触れたことないものもいろいろ吸収した上で、新しい曲ができたり、新しいアルバムができたりするのはすごく面白いだろうなって。
──じゃあアンテナに触れれば、音楽以外のことをいきなりやり出す可能性もありますか?
はい! 絵以外はあると思います! 絵、めっちゃ下手なんで!(笑) まぁいろんなことにチャレンジしつつ、根本的なスタイルや今までずっと通してきたところは変えずにいたいですね。コンマニのみんなにいい意味で「相変わらずやなあ」って言ってもらえるように。
──その言葉、デビューから一貫しておっしゃってますよね。どんなアーティストになりたい? という質問に対して「いつまでも『相変わらずやなあ』と言われたい」って。それは具体的にどういう意味なんでしょう?
感覚的なことなんですけど「相変わらずなっちゃんはなっちゃんやな」っていう感じですね。ストリートからずーっとこのキャラ、このスタイルだから、それが変わっちゃったときに「なっちゃん変わったよな」って言われちゃうと思うんです。どういうキャラに思われてるかわからないから「相変わらず○○やな」ってハッキリ言えないんですけどね。
──では先程のお話にあったように新しいものを取り入れたとしても、根幹の部分は変わらない?
変わらないと思います! やっぱり自分の好きなものを表現するし、人間的にもこのキャラだと思うので、たとえ音楽以外のことをしても、どこかに絶対“近藤夏子”が出てるはず。成長していく部分はあるとしても、根本的な“近藤夏子”はこのままでいたいなと思います。
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 嘘味
- 何年片想い
- うつむきスマイル
- 『リアルでゴメン…』
- シンデレラ
- 小っちゃな戦士
- できれば君がイイ
- がむしゃらな愛で
- 観覧車III
- い~のい~の
DVD収録曲
- 近藤夏子 LIVE TOUR 2010-2011 ~コンマニの、ゆくチョケくるチョケ 2010-2011~
- 2010.12.10 Shibuya CLUB QUATTRO ~後編~
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 『リアルでゴメン…』
- うつむきスマイル
- 何年片想い
- 小っちゃな戦士
- かっこわるいほどの愛
- い~のい~の
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 『リアルでゴメン…』
- うつむきスマイル
- 何年片想い
- 嘘味
- がむしゃらな愛で
- できれば君がイイ
- シンデレラ
- 観覧車III
- かっこわるいほどの愛
- い~のい~の
近藤夏子(こんどうなつこ)
大阪在住のシンガーソングライター。中2の頃からピアノ弾き語りを始め、高校在学中よりライブ活動を開始。大阪府内でのストリートライブが話題を集め、インディーズで4枚のCDをリリース。2010年2月には心斎橋CLUB QUATTROでのワンマンライブを成功させる。2010年4月にワーナーミュージック・ジャパンからシングル「『リアルでゴメン…』」でメジャーデビュー。共感を呼ぶ詞世界とキャッチーなメロディ、エネルギッシュなライブパフォーマンスが、同世代の女性を中心に大きな支持を集めている。