ナタリー PowerPush - 近藤夏子
見て! 知って! 聴いて! “あたし”を詰め込んだ初アルバム
自分を包み隠さずぶっちゃけること
──そんな1stアルバム「近藤夏子1」を聴いてみたら、エッジの効いたロックチューンやピアノ1本の弾き語り曲など、ここで初めて知る多面性に驚かされました。私たちが今抱いているイメージとは違うテイストの曲もたくさんあって。
そうですね。シングルになるのはラブソングが比較的多いので、恋愛の曲ばっかり書いてるイメージがあるかもしれないんですが、今ストックにある600曲、700曲の楽曲のうち、半分くらいは恋愛に関係ない曲なんです。やっぱりアルバムではそういう違う面も出したいなと思って入れました。
──なるほど。それから、アルバムの曲を聴いていると、まるで近藤さんとお喋りしているような気分になりますね。
そうそう、まさにそんな感じで作ったんです。私も聴く人に向けて話すような感覚で歌ってるので、そう思ってくれたらうれしいな。なんというか、一般とアーティストっていう分け方はしたくないんですけど、私はテレビに出て歌っても、自分は普通の人となんら変わりないって思ってるんですね。今でも友達とカフェで恋の話するし、街で「いつもテレビで観てます!」って声かけられても「そんなんいいよ! 同じ人間やで!? 普通やから!」って返しちゃう。自分も普通の人と同じようにがんばってるし、同じように悩むし、同じように芸能人に会ったら舞い上がっちゃう(笑)。
──そのように友達感覚でリスナーに接していることが、近藤夏子のファン=「コンマニ」を生み出す一因なのかなと思います。近藤さんを見て、同じ気持ちを分かち合える、同じ目線に立ってると思うファンは多いんじゃないかと。
それは本当にうれしいですね。
──近藤さん自身は、自分のどんなところがコンマニに愛されていると思いますか?
私は、ココが売りで、ココを見てください、そしてコンマニになってくださいっていうより、自分を包み隠さずぶっちゃけることで、そのどこかを好きになってくれたり、どこかに共通点を感じてくれたらいいなと思ってるんです。だからコンマニの中には私の曲が好きな子、ファッションが好きな子、おかっぱ頭が好きな子、といろんな人がいると思いますね。
──でもきっと、曲だけが好きとか局地的な理由ではないですよね。近藤さんの音楽は自分をさらけ出したものだからこそ、曲に惹かれてる人はキャラクターも好きでしょうし。
そうですね。私の場合は歌うときも、喋るときも、モデルとして雑誌に出るときも、全部“近藤夏子”を飾らずに出してるので、一緒くたなんですよね。だからどこか限定じゃなくて丸ごと好きって言ってくれる子が多かったりするかな。ホントうれしいです。
日記帳をみんなに読んでもらいたい
──ところで、近藤さんはいわゆる“アーティスト像”を演じるタイプではないですよね。その、自分の心の内を赤裸々にさらけ出すスタイルを採ることに、何かこだわりや理由があれば教えてください。
自分でも特に考えたことがないので、意識的にやってることではないですね。ただ昔から、がんばってキレイな言葉を使ったり、自分の知らない世界について書くよりも、実際経験したことや身近で起こったことを自分の言葉で書くほうが楽しいな、って思ってたのは確かですね。元々隠しごとができずなんでもかんでも表に出しちゃう性格なので、それが曲作りにも表れてるのかな。
──ではもっと根本的な質問ですが、そういう経験したことや身近で起こったことは、日記に書いたり心の中に留めておくだけでもいいのに、曲という形にしてアウトプットするのはなぜでしょう。
おっしゃるとおり、日記に書いとけばいいと思うんです。でもやっぱり性格的に、聴いてほしい見てほしい知ってほしい、私のことをなるべく広めたいと思ってしまって。それで友達が増えたらうれしいし、逆に「この人合わへんわ」って思われたとしても、じゃあその人はどういうのを合うって思うんやろ? と興味が出る。とにかく自分の思いを外に出すことで、人とのつながりが持てるのがうれしいんです。
──音楽がコミュニケーション手段の1つになってるんですね。
そうなんですよ。自己表現っていうほど大それたものじゃないけど、私のことをアピールするには日記帳をみんなに読んでもらったほうがいいんじゃないかなって。だから私の思うことはほぼ全部音楽の中に詰め込んでますね。
──また、自分の思いを表現する手法も絵や立体物、ダンス、書道などさまざまなフォーマットがある中、音楽を選ぶのは?
それは、2歳からピアノを習い始めて、自然と歌うのが好きになって、バンドをやりだして……と、人生の中で音楽がずっとそばにあったからかな。選んだっていう意識はないんです。もしも絵を描いて、これが好きだって思ったら絵で表現してたと思う。そういう意味では、皆さんが何を仕事にしようかと選ぶ感覚と変わらないかも。
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 嘘味
- 何年片想い
- うつむきスマイル
- 『リアルでゴメン…』
- シンデレラ
- 小っちゃな戦士
- できれば君がイイ
- がむしゃらな愛で
- 観覧車III
- い~のい~の
DVD収録曲
- 近藤夏子 LIVE TOUR 2010-2011 ~コンマニの、ゆくチョケくるチョケ 2010-2011~
- 2010.12.10 Shibuya CLUB QUATTRO ~後編~
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 『リアルでゴメン…』
- うつむきスマイル
- 何年片想い
- 小っちゃな戦士
- かっこわるいほどの愛
- い~のい~の
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 『リアルでゴメン…』
- うつむきスマイル
- 何年片想い
- 嘘味
- がむしゃらな愛で
- できれば君がイイ
- シンデレラ
- 観覧車III
- かっこわるいほどの愛
- い~のい~の
近藤夏子(こんどうなつこ)
大阪在住のシンガーソングライター。中2の頃からピアノ弾き語りを始め、高校在学中よりライブ活動を開始。大阪府内でのストリートライブが話題を集め、インディーズで4枚のCDをリリース。2010年2月には心斎橋CLUB QUATTROでのワンマンライブを成功させる。2010年4月にワーナーミュージック・ジャパンからシングル「『リアルでゴメン…』」でメジャーデビュー。共感を呼ぶ詞世界とキャッチーなメロディ、エネルギッシュなライブパフォーマンスが、同世代の女性を中心に大きな支持を集めている。