ナタリー PowerPush - 近藤夏子
見て! 知って! 聴いて! “あたし”を詰め込んだ初アルバム
キュートなルックス、ポップな楽曲、そしてキーボードを叩き弾くライブパフォーマンスが魅力の女性シンガーソングライター、近藤夏子。2010年4月にシングル「『リアルでゴメン…』」で関西から全国へ飛び出し、4作のシングルで着実に知名度を高めてきた彼女が、デビューから1年2カ月を経てメジャー初のアルバム「近藤夏子1」を完成させた。
彼女の最大の武器は、自分の言いたいことを曲にさらけ出すスタイルと、それを100%の力で伝えるエネルギー。これに魅了された近藤夏子のファンは「コンマニ」(=コンドウマニア)と呼ばれ、彼女を仲の良い友達のように慕う。この、人を寄せつける魅力やオープンな精神はどこから来るのか。インタビューでは、デビュー以後の変化やアルバムの話を交え、唯一無二の“近藤夏子スタイル”についてじっくりと語ってもらった。
取材・文/鳴田麻未
忙しい=人とたくさん会える=楽しい
──アルバムが発表されるのを楽しみに待ってました。
ありがとうございます。ついに出ます! 自分でも早くアルバム出したかったので、やっとっていう感じですね。
──昨年の春にデビューして、いきなり各メディアに引っ張りダコでしたが「メジャーって忙しい!」とは思いませんでした?
確かに忙しくはなりましたね。デビューして何が変わったかって、かかわる人の数が一気に増えたんですよ。周りにいるスタッフだったり、ライブに来てくれるお客さんだったり、こうしてインタビューしてくださる方だったり。でも私は人と接するのが大好きなので、全然苦じゃなくて。忙しい、でも人とたくさん会える、楽しい、そういう感覚にどんどんなっていきました。
──デビュー当時は「大型新人」「新星」といったキャッチフレーズを付けられることもあったと思います。それに対するプレッシャーはなかったんでしょうか。
全っ然なかったですね!(笑)「大型新人」とか「期待の」なんて言われると、それに応えられるようにがんばろうって気持ちもあったんですけど、なるべく今までどおりのペースでいることを心がけてました。だっていきなり今まで以上のことができるわけでもないし、これからメジャーシーンで活動するとなると、むしろこれまでと同じようにやるのが一番だなって。
──とてもマイペースですね。
自分のペースで活動することはすっごい大事にしてます。ストリート時代から自分のペースでやってきたからこそ、ここまでこれたと思ってるし、そこが崩れてたらあかん気がするんです。だからペースはなるべく崩さないように、変わらないように意識してますね。
──なるほど。ですがそれまでの環境と一変したことで、戸惑いや辛さを感じることはなかったですか?
落ち込むときももちろんあったんですけど、普段からそういう時間はなるべく短くするタイプで。
──どうやって短くするんですか?
まず、自分の気持ちに無理をしてがんばったりはしないんですよ。その分、疲れたときは思いっきり休む! 落ち込むときは思いっきり落ち込む! そうすると落ちてる時間なんてもったいないわっていう気になって、すぐ切り替えて元気になれるんで。落ちてるのは、時間にして1日のうち10分くらいですかね(笑)。
毎日生きてれば毎日違う曲ができる
──デビュー以後、曲作りの面で変化はありましたか?
やっぱり忙しくなったので、曲を書くペースはデビュー前より減っちゃったんですけど、でき上がる曲はより濃いものになりましたね。歌詞の内容も自然と成長しましたし。
──「歌詞の内容も自然と成長」というのは?
私は自分の思ってることをそのまま詞に書くスタイルなので、生活が変われば曲も変わるんです。毎日生きてるといろんな気持ちになるように、歌詞に書きたいと思う言葉も毎日違ってきます。例えば昨日の考えが今日になったら間違ってたと思うかもしれへんし、その逆もある。はたまた1年前と同じ考え方に戻ることもあったり、成長してるけど実は根本的に変わってないこともあったり。
──ということは、無数のタイプの曲ができるわけですよね。その中からパッケージとして世に出す曲って、どんな基準で選ばれるんでしょうか。
基本的に自分が好きな曲とか、作ったときの感覚が気持ち良かったもの……かなり直感で選んでますね。今みんなに聴いてほしいのはこの曲、とか、ある意味気分で選んでるかもしれない。でもアルバムの内容を見てみると、やっぱり基本的には自分の好きな曲ですかね。私、俗に言う良い曲、悪い曲って正直よくわからないので。
──良い曲? 音楽的に優れているってことですか?
はい。世の中で「いい曲」って言われてる曲も感じ方は人それぞれだと思うんですよ。「この曲いい」って思う人もいれば「別に」って思う人もいる。そういう中で、近藤夏子の1stアルバムはどんなものにしたらいいかって考えたら、とにかく私が好きなもの、好きなジャンル、好きな曲を寄せ集めた作品にしたいなと思って、この曲たちを選んだんです。
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 嘘味
- 何年片想い
- うつむきスマイル
- 『リアルでゴメン…』
- シンデレラ
- 小っちゃな戦士
- できれば君がイイ
- がむしゃらな愛で
- 観覧車III
- い~のい~の
DVD収録曲
- 近藤夏子 LIVE TOUR 2010-2011 ~コンマニの、ゆくチョケくるチョケ 2010-2011~
- 2010.12.10 Shibuya CLUB QUATTRO ~後編~
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 『リアルでゴメン…』
- うつむきスマイル
- 何年片想い
- 小っちゃな戦士
- かっこわるいほどの愛
- い~のい~の
CD収録曲
- リハーサル
- ハナビラナミダ
- 『リアルでゴメン…』
- うつむきスマイル
- 何年片想い
- 嘘味
- がむしゃらな愛で
- できれば君がイイ
- シンデレラ
- 観覧車III
- かっこわるいほどの愛
- い~のい~の
近藤夏子(こんどうなつこ)
大阪在住のシンガーソングライター。中2の頃からピアノ弾き語りを始め、高校在学中よりライブ活動を開始。大阪府内でのストリートライブが話題を集め、インディーズで4枚のCDをリリース。2010年2月には心斎橋CLUB QUATTROでのワンマンライブを成功させる。2010年4月にワーナーミュージック・ジャパンからシングル「『リアルでゴメン…』」でメジャーデビュー。共感を呼ぶ詞世界とキャッチーなメロディ、エネルギッシュなライブパフォーマンスが、同世代の女性を中心に大きな支持を集めている。