ナタリー PowerPush - 近藤夏子
関西ガールポップの台風の目が赤裸々ラブソングでメジャーデビュー
キュートなルックスと、鍵盤弾き語りによるエネルギッシュなパフォーマンスで注目を集めるシンガーソングライター、近藤夏子。すでに関西のインディーズシーンでは大きな話題となっている彼女が、シングル「『リアルでゴメン…』」でメジャーデビューを果たす。
その場にいるだけで空気が華やぐ天性の明るさ、関西発のパワフルなトークなど、そのキャラクターには人を惹き付ける不思議な引力がある。一度でも話をした人は、きっと彼女のことが好きになるだろう。今後の音楽シーンを席巻しそうな次世代エンタテイナー、近藤夏子。要注目!
取材・文/川倉由起子
ピアノの発表会で、1人だけ「Over the Rainbow」を歌った
──初登場ということで、今回は近藤夏子というアーティストを丸裸にしていきたいと思います。
もう、なんでも聞いてください! 常にフルパワーで臨んでるんで、聞かれてないことまで喋るかもしれないですけど(笑)。
──よろしくお願いします。まず、もともとは2歳からピアノをやっていたんですよね。
はい。最初はもちろん自分の意思ではなかったんですが、ママが習わせてくれて。両親とも音楽がすごく好きで、今でもパパは和太鼓、ママはコーラスをやってるんですよ。
──当時、ピアノのレッスンは好きだったんですか?
先生と相性も良かったので大好きでした。当時のビデオを見ると、こんなに喋る私がピアノの前にいるときだけは黙ってるんですよ(笑)。他にも水泳やバレー、習字やそろばんなど習い事はたくさんやりましたが、ピアノはずっと続けてましたね。
──いろんなことに興味を持つ好奇心旺盛な子だったんですね。
やりたかったらやる! みたいな(笑)。両親もそんな私の気持ちを尊重してくれてたので、本当に感謝ですね。
──ピアノはもともとクラシックを?
そうです。でも中学2年の発表会のとき、発表会で弾き語りをやったんですよ。目立ちたがりやし、人と違うことをやりたいって思ってたので、先生に「歌っていいですか?」って聞いて(笑)。ステージでは1人だけマイクをセッティングして「Over the Rainbow」を歌ったんですが、観た人は衝撃だったと思います(笑)。
──「歌った!」……みたいな(笑)。
そうそう。でも、そのあと「なっちゃん、すごいな!」とか「歌うまいなぁ!」とか、すごいほめられて。急にチヤホヤされてテンションも上がり、「こういうのをもっとやりたい!」って思うようになったんです。完全な調子乗りなんですけどね(笑)。
──でも、ご自身の中で手応えや夢中になる何かがあったんでしょうね。
そうですね。手応えプラス、やっぱり楽しいって確信できるものがあって。今までずっと音楽を続けてこれた理由も、それに尽きると思います。
小学校時代の謎の遊び“ポエムごっこ”
──そんなピアノ大好き少女が、作詞作曲を始めるようになったのはいつ頃ですか?
作詞は、小学校のときに友達と“ポエムごっこ”っていう謎の遊びをしてて、それが最初かもしれないですね。その場で見た景色とか、例えば「あの夕陽がこうで……」とか、すごいクサいことを言い合って帰るみたいな(笑)。それを家に着いてから絵に書いて、絵日記みたいに描きためていたんですよね。
──なるほど。じゃあ作曲のほうは?
多分、中2くらいからなんとなく鼻歌で作ってたのが最初ですかね。たまにピアノを弾きながら歌ったりしてたんですけど。
──じゃあやっぱり、子供の頃から音楽の道に進みたいと思っていたんですか?
いいえ、それが全然! 高校時代は、ピアノが弾けるし小さい子が好きやから保育士になろうと思ってたし、ショップ店員や美容師に憧れた時期も。でも、人前に立つのが好きやし、人と違うことがやりたいっていう気持ちはあったから、高校卒業くらいに、なんとなく音楽を続けていこうかなって決めて。「こんなキッカケで目指しました!」っていうのが本当にないんですよ。2歳からピアノを始めて今もずっと音楽やってます、っていう感じですね。
ストリートライブは、会話も楽しんでもらえることが大事かなって
──高校を卒業後は、地元の大阪でストリートライブを始めたんですよね。
はい、ホント思いつきで(笑)。大阪の心斎橋筋と京橋とか、定番のところにピアノを運んで。
──周りにはライバルも大勢いるわけですよね。
そうなんです。しかもバンドでやってる人たちが多い中、私は鍵盤だけなので「どうしたら立ち止まってくれるんやろう?」と。音も小さいし動ける範囲も狭いし、最初は全く人が止まらなかったですね。でも私、かなり負けず嫌いなんで「(このままだと)ダッサイで、おまえ」みたいな自分もどこかにいて。自分らしくやらないと諦めがつかないと思って続けたんです。
──何か埋もれないような秘策を考えた、と。
はい。とにかく自分らしくいこうと思って、アップテンポの曲を立ち上がって弾き始めたんです。そしたら「なんかあの子、立ったまま弾いてる! しかも股をがっさー開いて!」って(笑)、まずは見た目で注目してもらえるようになって。
──確かに、それはキャラが立ってますね(笑)。
はい。で、そのあと工夫したのはMC。やっぱり大阪なんで、通行人に気さくに語りかけるような、次の曲の話を面白おかしくしたりしてましたね。近い距離だからこそ会話も楽しんでもらえることが大事かなって思ってたんで。
──なんだか楽しそうなストリートライブですね。当時そこを通ってみたかったです(笑)。
初回限定盤 CD収録曲
- 『リアルでゴメン…』
- ありがとごめんネ
- ヒーロー
初回限定盤 DVD収録内容
- ライブ映像2曲
- オフショット & ドキュメンタリー映像
通常盤 CD収録曲
- 『リアルでゴメン…』
- ありがとごめんネ
- で、神様
- ヒーロー
近藤夏子(こんどうなつこ)
大阪在住のシンガーソングライター。中2の頃からピアノ弾き語りを始め、高校在学中よりライブ活動を開始。大阪府内でのストリートライブが話題を集め、インディーズで4枚のCDをリリース。2010年2月には心斎橋CLUB QUATTROでのワンマンライブを成功させる。2010年4月にワーナーミュージック・ジャパンからシングル「『リアルでゴメン…』」でメジャーデビュー。共感を呼ぶ詞世界とキャッチーなメロディ、エネルギッシュなライブパフォーマンスが、同世代の女子を中心に大きな支持を集めている。