ミュージシャンとしての経験値が上がった
──ピアノの音がさらに聴く人の感情を波立たせてくれますよね。
近藤 mayuちゃんがピアノの展開を1番と2番ではっきり分けてくれて。2番から勢いが増す感じがすごく好きですね。
mayuko 歌詞の世界観をどうやって表現するか、ということだけでなく、「歌詞で言えてないことまで音で表現できたらいいな」と思いながら弾きました。実はこの1つ前のバージョンがあって、それでは私がはりきりすぎちゃって1番からかなり前のめり気味だったんです(笑)。改めて歌詞の世界観を感じながら抑えて弾いたのが今回の音源で。
近藤 結果、一番メリハリがついた状態になりましたね。男性に弾いてもらっていたらもっと抑揚のない曲になったと思うし、今回一緒にやらせていただいて僕のミュージシャンとしての経験値がすごく上がりました。
mayuko 私にとってもそうです。ありがたい機会でした。
近藤 ほかにもmayuちゃんが僕と会ったときの印象を表現してくれた別の曲もあるんです。メジャー進行で広がっていく感じに展開する曲で。それをまた別の機会で形にしたいなと。
mayuko 「ファンの女性の方がグッとくる色気みたいなのは、こういうのじゃないかな」と思って弾いた音源を送ったんです。私の中の勝手な願望も入れて。
近藤 それは母性本能的な願望?
mayuko そうそう。キュンと来る系って言うのかな。近藤くんの曲はマイナー調で男らしく歌う曲が多いじゃないですか。そうじゃなくて、「報われない恋だとしても、それも含めて好き」みたいなことを言いそうな優しい男性の世界観ですね。明るい声色で微笑みながら歌ってほしいという思いもあって。
近藤 でも、人間としては俺あまりエロさがないんで。
mayuko あはははは!(笑) でも、自分でそういうふうに思ってる人からにじみ出る、ちょっとした色気ってあるんですよ。たぶん。
救ってあげたいと思われる男性に
近藤 Aqua Timezの男性陣を見ていて、何歳のときから変わったなと思いました?
mayuko 三十代中盤ぐらいじゃない? それまでは私が勝手に「しっかりしないと」って思いながらやってたのもあるんだけど、「やっぱり男の人って頼り甲斐があってしっかりしてるんだな」ということをここ数年で感じ始めてる。
近藤 へえ。やっぱ三十代中盤ぐらいなんですね。
mayuko でも、近藤くんはすでにしっかりしてるから。
近藤 いや、それに伴う情緒不安定さがヤバいですよ。
mayuko そうなんだ? そういう葛藤もすでに終えてるのかなと思えるくらいに腹が据わってるって言うか、自分の人生をしっかり生きてる感じがすごくする。
近藤 確かに、よく「1人で生きていけそうだね」って言われちゃいますね。
mayuko うん、それは思う(笑)。だって何でもできるもんね。料理とか女の子的なことも含めて。
近藤 そういう意味でも、女性が救ってあげたいと思える男性にならないとダメですよね。じゃないと俺は次のステップに行けない気がします。人に頼るとか。
──最後にメジャーデビュー5周年を迎えた近藤さんに、mayukoさんからひと言お願いします。
mayuko とにかく近藤くんは人としてすごいんです。いろんな才能があって、非の打ち所がない感じがする。なので、これからはそうじゃないところを見せていったらいいのかもしれないね。甘えられるときは甘えたほうがいいし。
近藤 ありがとうございます。
mayuko 私もがんばりますので。また一緒にやりましょう!
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近藤晃央「存在照明」インタビュー
- 近藤晃央「存在照明」
- 2017年9月13日発売 / アリオラジャパン
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初回限定盤 [CD+DVD]
2000円 / BVCL-827~8 -
通常盤 [CD]
1300円 / BVCL-829
- 初回限定盤CD収録曲
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- 存在照明
- ベッドインフレームアウト
- ひとつになれないことを僕らはいずれ知ってゆくよ
- 存在照明 -instrumental-
- ベッドインフレームアウト -instrumental-
- ひとつになれないことを僕らはいずれ知ってゆくよ -instrumental-
- 通常盤CD収録曲
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- 存在照明
- ベッドインフレームアウト
- ひとつになれないことを僕らはいずれ知ってゆくよ
- めぐり - Bonus Track -
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 存在照明 Music Video
- ベッドインフレームアウト Music Video
- メイキングムービー
- 近藤晃央「存在照明」リリース記念イベント
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2017年9月16日(土)
神奈川県 タワーレコード横浜ビブレ店
START 14:00
内容:ミニライブ&特典会 -
2017年9月17日(日)
愛知県 新星堂アスナル金山店
START 14:00
内容:ミニライブ&特典会
- 近藤晃央5th Anniversary Live 「KAIKAKI」
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2017年9月23日(土・祝)
東京都 Zepp DiverCity TOKYO
OPEN 16:00 / START 17:00
- 近藤晃央(コンドウアキヒサ)
- 愛知県出身のシンガーソングライター兼グラフィックデザイナー。2012年9月にシングル「フルール」でメジャーデビューした。その後テレビアニメ「宇宙兄弟」のエンディングテーマ「テテ」、テレビアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマ「ブラックナイトタウン」、ドラマ「名もなき毒」の主題歌「あい」、ドラマ「ペテロの葬列」の主題歌「心情呼吸」など数々の楽曲を発表。グラフィックデザイナーとして自身のグッズやほかのアーティストの作品のデザインを手がけているほか、フリーペーパー「OKMusic UP's」ではグラフィックの連載を持っていた。2017年9月にメジャーデビュー5周年を記念したシングル「存在照明」を発売。同月にワンマンライブ「近藤晃央5th Anniversary Live『KAIKAKI』」を開催する。
- Aqua Timez(アクアタイムズ)
- 太志(Vo)、OKP-STAR(B)、大介(G)、mayuko(Key)、TASSHI(Dr)からなるロックバンド。2003年の結成後、東京を中心に活動を展開し、2005年発売のインディーズ盤「空いっぱいに奏でる祈り」がクチコミを中心に話題を集め、70万枚を超えるセールスを記録する。そして2006年4月にはミニアルバム「七色の落書き」でメジャーデビュー。さらに同年リリースのシングル「決意の朝に」「千の夜をこえて」が立て続けにスマッシュヒットし、その年の「NHK紅白歌合戦」にも出演する。以降、さまざまなジャンルを融合させた独特のサウンドと、琴線に触れるエモーショナルな歌声、メロディを武器に16枚のシングルと6枚のオリジナルアルバムをリリース。そして2016年12月、7枚目のオリジナルアルバム「アスナロウ」を発表した。