音楽ナタリー Power Push - 近藤晃央×ダイスケ
正反対の2人が共作したクリスマスソング
近藤晃央とダイスケがコラボソング「クリスマスチキン」を完成させた。約7年前のアマチュア時代に知り合い、食事に行ったりお互いのライブに足を運んだりと関係を深めてきた2人による初の共作曲だ。
今作は11月23日にリリースされる近藤の両A面シングル「涙腺 / クリスマスチキン feat. ダイスケ」と11月30日に発売されるダイスケの両A面シングル「スノウドーム / クリスマスチキン feat. 近藤晃央」に共通で収録。各シングルにはそれぞれのソロ曲も収められている。今回のコラボに至った経緯や制作秘話はもちろん、2人の出会いや現在の関係性についてもざっくばらんに語ってもらった。
取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 後藤壮太郎
最初は挨拶した記憶もあまりない
──まずはお二人が出会ったきっかけから教えてください。
ダイスケ 僕らはもともとソニーミュージックのSDグループ(新人開発・発掘セクション)の同期で。同時期にアーティストとしての育成を受けて、デビューを目指してがんばっていたんです。
近藤晃央 当時SDグループは男性シンガーソングライターの育成を強化していた時期で、僕ら以外にも若い男の子が30~50人いて。月に1回、5、6人ずつ順番にフリーライブに出させてもらっていたんですけど、そこで一緒になった人と仲よくなるっていうのはあんまりなかったよね? みんな一匹狼的な感じで。
ダイスケ シンガーソングライターって人見知りだし、ましてや全員がデビューできるとは限らなかったから。どちらかというとライバルっぽい関係だったかもね。オレとこんちゃん(近藤)も当時は会話ゼロ。会っても挨拶くらい。
近藤 僕は挨拶をした記憶もあまりない(笑)。(ダイスケは)いっぱいいる新人の中の1人って認識だったかな。
──そこからどのように距離を縮めていったのでしょうか?
近藤 仲よくなったのは2人がデビューしたあとだよね。岡山のイベントで一緒になって、そこから距離が縮まった気がする。
ダイスケ 連絡先もその日初めて交換したんだよ。
近藤 そっかー。SD時代の懐かしい話とかで盛り上がったよね。で、東京に戻って、しばらくしてメシ行ったんだっけ?
ダイスケ 下北沢で食べた気がする。
近藤 それからは定期的に会うようになって。メシに行ったり、お互いのライブを観に行ったりして最低でもワンシーズンに1回は会ってるかな。
共通点が全然ない
──パッと見はビジュアルも雰囲気も正反対の2人ですよね。
近藤 ホント真逆ですよ。毒と薬みたいな。
ダイスケ どっちが毒? 俺が薬だよね?
近藤 まあ、そうなるんじゃない?(笑)
ダイスケ よかったー。でも俺も面白い関係性だと思う。
近藤 共通点が全然ない。顔も濃い(ダイスケ)、薄い(近藤)。人当たりがいい(ダイスケ)、口が悪い(近藤)……。
ダイスケ 背も高い(近藤)、低い(ダイスケ)。
近藤 それは僕の口からはあまり言えないけど……。
ダイスケ いつもイジってるじゃないか!(笑) でも今、こんちゃんは自分を「毒」って言ったけど、俺はそれがありがたいときもあって。確かに毒舌だよ? でも嘘を付かないというか、建前でモノを言わないから信頼して相談ができる。
近藤 お、そう思ってたんだ。昔「“ダイ”スケなのにちっちゃいじゃん」って言ったことあるよね?
ダイスケ あったね。
近藤 それで名前の由来を聞いたら「未熟児で産まれたから大きく育つようにって両親が付けてくれたの」って真面目な返しをされて、なんか恥ずかしくなった。僕、空気読めないヤツだなって。
ダイスケ そうだぞー!? 俺の両親に謝れ!(笑)
近藤 あんまり軽はずみにいろんなこと言っちゃダメだなって。
ダイスケ 本当に思ってる?
近藤 その一瞬だけ思った。
──会話のテンポもばっちりですね。
ダイスケ そうなんです(笑)。
近藤 今回のコラボで、最近は今までにない頻度で一緒にいるので、個人的にはダイスケが僕といてストレス溜まらないか心配。
ダイスケ 今のところ大丈夫。こんちゃんは実はかまってちゃんで、毒を吐くのも「かまってアピールなのかな?」って勝手に思ってるから。
近藤 僕、すげー面倒くさいやつじゃん(笑)。
──お互いの音楽活動についてはどんな印象でしたか?
近藤 ダイスケはここ2、3年で弾き語りが急激にうまくなった気がする。以前よりアコースティック色が強くなってきたなって。
ダイスケ 僕がこんちゃんを見てて思うのは、セルフプロデュース能力が高いなってこと。どんな小さいことにもこだわるというか、あなた、自分のライブで使う照明の電球1つも自分で買いに行くんだよね?
近藤 うん。いいものがあれば。
ダイスケ 1つひとつ自分がちゃんと納得してなきゃダメっていうプロフェッショナルな姿勢は尊敬するし、刺激も受ける。作る曲に関しても僕にはない世界観で、こんちゃんの世界というものを確立してるよね。特にダークファンタジーな曲は聴いててすごく楽しいよ。
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- 近藤晃央 ニューシングル「涙腺 / クリスマスチキン feat. ダイスケ」 / 2016年11月23日発売 / アリオラジャパン
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 2000円 / BVCL-758~9
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 1800円 / BVCL-760~1
- 通常盤 [CD] / 1300円 / BVCL-762
CD収録曲
- 涙腺
- クリスマスチキン feat. ダイスケ
- 操り人形劇 feat. ダイスケ
- 恋文 -plugless ver.-(※通常盤のみ)
初回限定盤A DVD収録内容
「近藤晃央 2nd ONEMAN TOUR~IRIE LAND~」東京公演
- グラデーションフライ
- かわいいひと
- 理婦人ナ社会
- らへん
- ビビリーバー
- テテ
初回限定盤B DVD収録内容
- 「涙腺」Music Video
- 「クリスマスチキン feat. ダイスケ」Music Video
- レコーディングメイキングムービー
- ジャケット&アーティスト写真撮影メイキングムービー
- ミュージックビデオメイキングムービー
- ダイスケ ニューシングル「スノウドーム / クリスマスチキン feat. 近藤晃央」2016年11月30日発売 / EPICレコードジャパン
- 期間限定生産盤A [CD+DVD] / 1700円 / ESCL-4770~1
- 期間限定生産盤B [CD+DVD] / 1700円 / ESCL-4772~3
CD収録曲
- スノウドーム
- クリスマスチキン feat. 近藤晃央
- 類人猿 feat. 近藤晃央
期間限定盤A DVD収録内容
- 「スノウドーム」MV
- 「スノウドーム」メイキング映像
期間限定盤B DVD収録内容
- 「クリスマスチキン feat. 近藤晃央」MV
- 「クリスマスチキン feat. 近藤晃央」メイキング映像
チキン達のクリスマス ~近藤晃央×ダイスケ クリスマス2マンライブ~
- 2016年12月22日(木)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
- 2016年12月25日(日)大阪府 soma
近藤晃央(コンドウアキヒサ)
愛知県刈谷市出身の男性シンガーソングライター。中学生時代にギターを始め、ライブハウスや音楽関係の会社で働いた後、23歳のときにアーティストとして活動することを決意し退社する。2009年より楽曲制作に専念し、東京や地元の愛知県を中心にストリートライブを開始した。以来着実に活動の範囲を拡大し、2012年には愛知県の学生たちとコラボレーションしたフリーライブイベント「UTAPHICA」を主催し、「ap bank fes’12 Fund for Japan」にも出演する。9月にシングル「フルール」でメジャーデビューを果たす。2013年6月には1stフルアルバム「ゆえん」を発表。テレビドラマやアニメの主題歌を数々担当し、2016年4月に2ndアルバム「アイリー」を発売した。同年11月にダイスケとのコラボ曲「クリスマスチキン」を含んだ両A面シングル「涙腺 / クリスマスチキン feat. ダイスケ」をリリース。
ダイスケ
1988年神奈川県湘南生まれの男性シンガーソングライター。2000年代後半に東京・八王子駅周辺で路上ライブ活動を開始し、ピーク時には数百人の聴衆を集める。2010年秋にはインディーズアーティストながら大学、専門学校など21校の学園祭や文化祭に出演し、翌2011年2月にシングル「ボク☆ロケット」でメジャーデビューを果たした。また2011年より日本テレビ系の情報番組「ZIP!」内のコーナー「ZIP!スマイルキャラバン」にレギュラー出演。約2年間で47都道府県を2周し、その土地土地の模様を歌を交えてレポートした。巧みなアコギさばき、一度聴いたら耳に残る特徴のある歌声が魅力のシンガーソングライター。2016年11月に近藤晃央とのコラボ曲を収めた両A面シングル「スノウドーム / クリスマスチキン feat. 近藤晃央」をリリースする。