ナタリー PowerPush - 小松未可子

100%みかこしアルバム「THEE Futures」完成

誰が書いたのかわからない「おすしのうた」

──もう1つ、このアルバムの言葉遊びの最たるものにボーナストラック「おすしのうた」があると思うんですけど「寿司ネタのダジャレが並ぶ曲を作ろう」っていうアイデアはどこから?

ノリです!(笑) 私がラジオか何かで「自分へのご褒美っていったら寿司だ!」って言っていたのをスタッフさんが聴いていたらしくて、いつの間にか「じゃあ寿司の歌を作ろう!」っていう話になってました(笑)。なのにできあがった曲は「ヘイ・ラッシャイ」って感じではぜんぜんなくて……。

──確かに歌詞カードだけ見ると「スシ食いねェ!」や「おさかな天国」みたいなノベルティソングっぽいんだけど、実際の音はビンテージ感のあるギターポップなんですよね。しかも小松さんはアルバム本編ですら聴かせていないファルセットを駆使してるし(笑)。

小松未可子

Pandaさんに書いていただいた曲の中でも、なぜかこの曲だけキーが高かったんです(笑)。しかも、いただいた詞は全部ひらがなだったので、かわいらしい感じの曲にしたほうがいいんだろうな、と思って、かわいらしい歌い方になりました。

──あれっ? 「いただいた詞」っていうことは、作詞家の「おすしが食べ隊」は小松さんの変名じゃないんですか。

違うんです。しかもスタッフさんに聞いてみても「とある3人の方が書きました」と誤魔化され(笑)。誰が書いているのかぜんぜん教えてくれないんですよ。あと「お寿司をテーマに歌詞を作るけど」って話を聞いたときに「じゃあエンガワだけは絶対に入れたいです」ってちゃんと伝えておいたのに、思っていたのとはぜんぜん違う使われ方で登場していました(笑)。

──確かに鱚なんかは「さいごは きす(鱚)で おわってみるがい(ミル貝)」と、ダジャレになっているだけでなく「最後のキス」と「締めに注文するネタは鱚で」というダブルミーニングにもなっているのに……。

「いつかえんがわで ひなたぼっこ したりするのかな」って!

1週間のうちに2万7000人と350人の間を行ったり来たり

──春にはそのボーナストラックも収録されたアルバムを引っ提げてライブツアーに出ます。どんなステージにしたいですか?

バンドさんと回るので一緒に盛り上げたいなっていう気持ちはもちろんありますし、「THEE Futures」には今までにないカッコいいテイストの曲が多いので、私自身もちょっとカッコつけてみたいなって。特にこれまでのライブってちょっとイベントパートがあったりして、バラエティっぽい感じが強かったので……。

──ええ。断髪GIGもそうですし、デビューシングル「Black Holy」の発売イベントでは1曲歌うたびに1枚ずつ服を脱いでましたよね。

どうにもカッコつけられない自分がいるもので(笑)。でも、今回のライブではそういう楽しい面は残しつつも、もっともっと魅せられるようになりたいなとは思ってます。

──初日4月13日の川崎CLUB CITTA'ってソロライブとしては最大キャパですよね。

皆さん来てくれるのかなあ……。オールスタンディングじゃなくて座ってもらうようにしようかなあ……。

──スタンディングのときの半分くらい集客すれば満員になるし(笑)。まあ、まず間違いなく入るだろう1300人のお客さんを前にすることに対して期するものはありますか?

私の中で1300って完全に未知数なんです。「Animelo Summer Live 2012」の次の週に初のソロライブをやって、1週間のうちに2万7000人と350人の間を行ったり来たりしたことはあるんですけど……。

──また極端なデータしか持ってませんねえ(笑)。

ソロライブで1300人のお客さんってまったく想像がつかないんです(笑)。だからこそ自分がどんなパフォーマンスできるのか楽しみではありますし、でもお客さんとの心的な距離感はこれまでのソロライブと変えないようにしたいな、とも思っていて。これまでと同じようにアットホームな感じを作りつつ、でもちょっとだけカッコつけつつ(笑)、皆さんと一緒に楽しめるようにしたいなって思ってます。

小松未可子

「ソラウミ」作編曲・スネオヘアーメールインタビュー

スネオヘアー

──どのような経緯で今回小松未可子さんに楽曲を提供することに?

同じレーベルにお世話になっていて、担当者を通じてお話をいただきました。

──「ソラウミ」は詞先だったとのことですが、詞を読んだときの印象は?

不思議な浮遊感と、ポジティブで温かい詞だなあと思いました。

──その詞に見たスネオヘアーさんの中での“小松未可子像”とは?

当たり前だけど、自分とは、世代とか性別も含めて、全然違う人だなあと。

──小松さんによるとその詞と一緒に「こういうイメージの曲にしてほしい」とのメモが添えられていたとのことですが、どんなことが書かれていたのでしょう?

ある楽曲を、イメージとして送ってもらいました。テンポ感とか全体のザックリとした雰囲気というところで。

──作曲の際、小松さんの意図はどの程度反映させましたか?

テンポはイメージとして送ってもらった曲のテンポ80で、ジャストに。

──フォーキーなアレンジを採用したのはなぜ?

アコースティックギターの音色というオーダーだったので。

──他のアーティストさんに提供する楽曲に比べて「ソラウミ」は難産でしたか? それともスムーズに書けましたか?

小松さんの詞に対して曲を付ける、いわゆる詞先の作業だったので、少し苦労しましたが、新鮮でした。

──レコーディングには立ち会われなかったとのことですが、完成したトラックを聴いた印象は?

聴き手に対しての距離感が、わりと近い印象でした。

──最後にこのたびオリジナル1stアルバムをリリースする小松未可子さんにひと言お願いします。

リリースおめでとうございます。また何かあればぜひ、声かけて下さい。

小松未可子 初ライブツアー

  • 2013年4月13日(土)神奈川県 川崎CLUB CITTA'
  • 2013年5月4日(土・祝)愛知県 名古屋BOTTOM LINE
  • 2013年5月5日(日・祝)愛知県 名古屋BOTTOM LINE
  • 2013年6月29日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
ニューDVD / Blu-ray シングルミニアルバム「THEE Futures」/ 2012年月日発売 /
CD収録曲
  1. THEE Futures[作詞:小松未可子 / 作・編曲:nishi-ken]
  2. Baby DayZ[作詞:中村彼方 / 作・編曲:星野純一]
  3. 情熱[作詞:小松未可子 / 作曲:James Panda Jr. / 編曲:James Panda Jr. & the Zoo! Team]
  4. ソラウミ[作詞:小松未可子 / 作曲・編曲:渡辺健二]
  5. 冷たい部屋、一人[作詞:atsuko / 作曲:atsuko、KATSU / 編曲:KATSU]
  6. 夏至の果実 Sunset Cherry Mix[作詞・作曲・編曲:SiN]
  7. サーチライト[作詞・作曲・編曲:SiN]
  8. アラブルトラベル[作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:SiN]
  9. Starry Rally[作詞:小松未可子 / 作曲・編曲:SiN]
  10. アンブレラ[作詞:小松未可子 / 作曲・編曲:nishi-ken]
  11. LAKE LIKE LIFE[作詞:只野菜摘 / 作曲:James Panda Jr. / 編曲:James Panda Jr. & the Zoo! Team]
  12. おすしのうた(ボーナストラック)[作詞:おすしが食べ隊 / 作曲:James Panda Jr. / 編曲:James Panda Jr. & the Zoo! Team]
小松未可子(こまつみかこ)

1988年11月11日、三重県生まれの声優、歌手。中学生時代にアイドルグループ「いもうと」でデビューののち、女優としての活動を開始。2010年にはアニメ「HEROMAN」の主人公ジョセフ・カーター・ジョーンズ役で声優としてのキャリアをスタートさせた。2012年1月より放送のアニメ「モーレツ宇宙海賊」では主人公・加藤茉莉香の声を務め、4月には同アニメのイメージソング「Black Holy」で個人名義による歌手デビュー。7月にはミニアルバム「Cosmic EXPO」、11月7日に2ndシングル「冷たい部屋、一人 / 夏至の果実」を発表した。2013年2月13日に1stフルアルバム「THEE Futures」をリリース。