音楽ナタリー Power Push - KNOCK OUT MONKEY

“中盤戦”だからこそ鳴らせるバンドのリアル

自分にとってのリアルを包み隠さず

w-shun(Vo, G)(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

──さらにシングルにはバラードナンバー「HOME」も収録されています。戦いの日々を支える穏やかな場所を描いた楽曲ですが、これも30代になった今だから生まれた曲だと感じました。

w-shun いい曲ですよね(笑)。ミディアムテンポの曲を入れたかったんですけど、このサビのメロディとコードはどうしても形にしたいと思って。もっと若いときは疲れていても家に帰らず、どこかに遊びに行ってたけど、最近は疲れたら家で寝るようにしてることもあって、こういう歌ができました。

ナオミチ 確かに。もう若くないしな(笑)。

ナオミチ(Dr)(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

w-shun 最初のフルアルバム(「INPUT ∝ OUTPUT」)で地元のことを歌った曲(「Dear」)があるんですけど、それをさらに掘り下げたというか、素になれる場所のことをテーマにしています。僕は別に破天荒な人生を送ってきたわけでもなくて、ごく普通の家庭で育ったんですけど、だからこそ歌えることがあるんじゃないかなって思うんです。ホッとできる場所、リスペクトできる場所を歌うことが、自分にとってのリアルなんですよね。もちろんロックバンドだから吠えてる部分もあるんですけど、そうじゃないところも包み隠さず出していきたいなと。

──おそらく多くのリスナーは普通の家庭に育っているわけですからね。こういう歌に共感する人も多いと思います。

w-shun そうなったらうれしいですね。ただ、1人ひとりの人生は絶対違いますから。普通の家庭で育っていても、みんなが1回の人生を生きているわけで、そのことを歌えたらなって。そういうふうに思えるようになったんですよね、今は。

気が引き締まる地元でのライブ

──そして初回限定盤には4月に東京・赤坂BLITZで行われたワンマンライブの映像を収録したDVDが付属します。ミニアルバム「RAISE A FIST」の収録曲のほか、インディーズ時代の楽曲「What's going on now」も入っているんですね。

ナオミチ 「What's going on now」は、僕らが何か特別な日にライブをするときに演奏してる曲なんですよね。MVもあるから、曲を知ってくれてる人がけっこういるんだよね。

亜太(B)(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

w-shun でもこの曲のライブ映像をリリースするのは初めてなんですよね。うれしいです。ただこのときの演奏がけっこう荒かったんですよ。慣れたらあかんなって思いました(笑)。

亜太 「7 CITIES」のツアーをやったあとに、春のツアーの映像を観てもらえるのはすごくいいなと思いました。ハコ(会場)の大きさが変わっても、熱量は変わらないというところを感じてもらえるので。そのうえで12月3日のワンマンも楽しみにしてもらいたいですね。

──兵庫・神戸Harbor Studioでのワンマンライブですね。申年の2016年を締めくくる公演ですが、地元でのワンマンはやはり“ホーム”という感覚なんでしょうか?

w-shun それもあるし、気が引き締まるところもありますね。自分たちがずっと活動してきた土地ですから。いろんな場所でライブを経験させてもらって、いろんなものを得て、培ってきたものを自分たちの地元でちゃんと観せるのって、一番難しいと思うんです。でも僕らにとっては普段通りのライブをやることが、バンドにとってのリアルな表現ですから、いつも通りいいライブをします。

ナオミチ 神戸で生まれ育ったから、地元での公演は大事にしたいという気持ちがあります。

dEnkA(G)(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

dEnkA 昔からライブを観てくれてるヤツらもいるし、目も肥えてるお客さんが多いと思うんです。そこで「やっぱりこいつら、すげえな」と思わせたいっていうのもあるし。

亜太 今回のワンマンの会場は、神戸のランドマークのポートタワーの近くなんですよ。いろんな場所からライブに来てくれるファンを神戸に招待するというか、やっぱり自分たちも好きな場所だし、神戸という街を知ってもらえるのはうれしいですね。

w-shun うん。今年はツアー中にお客さんと話す機会がけっこうあったんですけど、「神戸のワンマン観に行きます」っていう人に「めっちゃキレイだから、観光して」って話してたんですよね。そういうことってこれまで言ったことなかったんですよ。僕ら自身も地元でワンマンをやれるのはすごく楽しみです。

ニューシングル「Do it」2016年11月16日発売 / Being
「Do it」
初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / JBCZ-4027
通常盤 [CD] 1080円 / JBCZ-4028
CD収録曲
  1. Do it
  2. Jump
  3. HOME
初回限定盤DVD収録内容

Live at 2016.04.15 Akasaka Blitz "RAISE A FIST" Tour -Selection-

  1. GOAL
  2. Flowers
  3. Only
  4. OH, NO
  5. For the future
  6. What's going on now
  7. Walk
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
KNOCK OUT MONKEY

w-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる、神戸で結成された4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。2012年にアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビュー。2014年2月に1stフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」を、同年7月以降「Wonderful Life」「Greed」「How long?」と3枚のシングルを発表するなど精力的なリリースを重ね、2015年1月に2ndフルアルバム「Mr. Foundation」を発表した。同年1~5月に全17公演のワンマンツアー「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2015 "Mr. Foundation"」を開催し、ツアーファイナルを東京・新木場STUDIO COASTで迎えた。2016年には春に「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2016 "RAISE A FIST"」、秋に「AUTUMN TOUR 2016 “7 CITIES”」を行い、同年11月に最新シングル「Do it」をリリースした。