音楽ナタリー Power Push - KNOCK OUT MONKEY
“中盤戦”だからこそ鳴らせるバンドのリアル
“中盤戦”だからこその自分たちの衝動
──「Do it」は歌詞も印象的でした。自分の中の弱さを抱えながら、さらに前に進もうとする意志が込められていて。
w-shun 音はラウドですけど、とにかくポジティブなことを歌いたかったんですよね。サウンド自体もそうだし、歌詞も今の自分たちとリンクさせたいなと。なので歌詞はそんなにひねり出したわけじゃなくて、パッと思い付いたことをそのまま言ってるだけなんです。「こういうオケで、こういう歌詞が来ると自分だったらアガるだろうな」って感覚で。そのおかげでリアルな心情を投影することができたと思うんですよ。
──「中盤戦 上手く来れたが ここから実力試されて」というフレーズがありますが、バンドのキャリア的に“中盤戦”という感覚があるんですか?
w-shun そうですね。メジャーに来てから3年経つし、「何もわかりません」という時期ではないですから、もう序盤という感じではないので。ただバンドのキャリアとかって中盤が一番長いと思うんです。僕らはまだその入り口に入ったくらいかな。いろんな経験をさせてもらって、その中で自分たちが言いたいこと、鳴らしたい音を再確認したところ。もう30代になってるし、バンドの歴史も長くなってきてますけど、その中であえて激しい音を鳴らすことにも意味があると思うんですよ。「Do it」もそうですけど、“中盤戦”だからこその自分たちの衝動を表現していきたいと思ってます。
ナオミチ 負けず嫌いの精神は昔から変わってないんですけど、「こうやったら伝わる」とか、少しは頭も使えるようになってるので。バンドとして他人からどう見られているかも意識できるようになってきたし。そこは変わりましたね。
w-shun 酒の飲み方は昔に戻ってきてるけどね(笑)。
ナオミチ そういうこと言う?(笑)
dEnkA 若いときは音楽をもっと堅く捉えていました。「音程が合ってなくちゃいけない」とか「リズムも正確じゃないと」とか。そういうのも大事なことではあるんですけど、いろんなイベントやフェスを経験させてもらって、先輩のバンドのライブを観させてもらう中で、「人間らしさがいちばん重要なんだな」というふうに考え方がシフトしてきて。
──特にロックバンドの場合は「その人が演奏している」ということ自体が大事ですからね。何をやるかよりも、誰がやるかというか。
dEnkA そうですね。自分の“人間力”がどれくらいかはわからないですけど(笑)。昔からは成長してるのかな。
w-shun そうやな。dEnkAの酒の飲み方は昔から変わらないけどね。
dEnkA いやいや、おとなしくなったよ(笑)。
──亜太さんはどうですか? キャリアを重ねる中で、バンドに対する意識が変わったところもありますか?
亜太 なんやろうな……。10年前と比べて変わったのは、親のスネをかじるのをやめたくらいかな?
ナオミチ ハハハハハ(笑)。
亜太 それくらいですよ、ホントに。以前は「年齢を重ねたら、いろいろ衰えてくるのかもな」って思ってたんです。でも心技体、メンタルとテクニックと体力は全部レベルアップしている自覚があるし、いろんな現場を経験させてもらう中で、成長できたと思っています。もちろん向上心を持つことも大事なので、そういう精神も持っていますけどね。例えば「まだ東京ドームに立ってないな」とか。
ジャンプは寛容なアクション
──シングルの2曲目「Jump」はバウンシーなサウンドに乗せて「Everybody Jump!」という歌詞を畳みかけるアッパーチューンに仕上げられています。この曲もライブで盛り上がりそうですね。
w-shun 完全にライブアンセムを意識した曲ですね。まさに「ライブで盛り上がる」というのがテーマだったんで。
ナオミチ 「Jump!」って言いながら、僕らも一緒に飛びますから。
w-shun モッシュやクラウドサーフは、やりたい人もいれば、そうでもない人もいるんです。でもジャンプはもっと寛容なアクションというか、後ろのほうにいる自分らよりも年齢が上のお客さんも一緒にやってもらえるんじゃないかなと。KNOCK OUT MONKEYはライブでしっとり聴くタイプのバンドではないし、参加してナンボみたいなところもありますからね。あと、個人的には西海岸系のカラッとした音をやりたいっていうのもありました。
ナオミチ これもツアーの初日からやったんですけど、すごく反応がよくて。
w-shun ビックリしましたよ。「こっちをシングルにしたほうがよかったんじゃないか?」って思うくらいだった(笑)。
dEnkA もともと僕は腰を据えてギターを弾くタイプなので、ジャンプしながら弾くのは好きじゃないんですけど、この曲では飛んでます。
ナオミチ 飛んでみてどうだった?
dEnkA しんどいね。ヒザにくる(笑)。
亜太 僕は以前からジャンプしてたのでヒザは大丈夫です(笑)。サビのところでバックコーラスが入るんですけど、リリースしたあとはお客さんに歌ってもらえたらうれしいですね。
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- ニューシングル「Do it」2016年11月16日発売 / Being
- 「Do it」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / JBCZ-4027
- 通常盤 [CD] 1080円 / JBCZ-4028
CD収録曲
- Do it
- Jump
- HOME
初回限定盤DVD収録内容
Live at 2016.04.15 Akasaka Blitz "RAISE A FIST" Tour -Selection-
- GOAL
- Flowers
- Only
- OH, NO
- For the future
- What's going on now
- Walk
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
w-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる、神戸で結成された4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。2012年にアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビュー。2014年2月に1stフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」を、同年7月以降「Wonderful Life」「Greed」「How long?」と3枚のシングルを発表するなど精力的なリリースを重ね、2015年1月に2ndフルアルバム「Mr. Foundation」を発表した。同年1~5月に全17公演のワンマンツアー「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2015 "Mr. Foundation"」を開催し、ツアーファイナルを東京・新木場STUDIO COASTで迎えた。2016年には春に「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2016 "RAISE A FIST"」、秋に「AUTUMN TOUR 2016 “7 CITIES”」を行い、同年11月に最新シングル「Do it」をリリースした。