音楽ナタリー PowerPush - KNOCK OUT MONKEY
賛否両論も糧に 連続リリースで攻める夏
得意技をどストレートに出した「No Ending」
──カップリング曲の「No Ending」はKNOCK OUT MONKEYらしいラウド系ナンバーですね。
w-shun これは1stシングル(「Paint it Out!!!!」)と同じ時期に作ったんですよ。“ラウド系”とか“西海岸系”みたいな感じで自分たちが思うシングルの候補曲をいろいろと作っていたときにできた曲なので。その中で精査しつつ最終候補まで残ってたんですけど、結局あのときは「Paint it Out!!!!」をリリースすることになって。で、今回のシングルのカップリングを選曲してたときに改めてこの曲を聴いてみたら「お、カッコええやん」と思ったんですよね。「Wonderful Life」は「アホみたいに楽しい曲にしよう」と思って作った曲だから、対比という意味でも、カップリングは我々の得意なものをどストレートに出してやろう、と。
──ヘビーなサウンドだったり、爆発的に突き進むようなリズムだったり。確かにKNOCK OUT MONKEYの得意技という感じがしますね、この曲は。
w-shun 燃えますね、俺らも。戦闘モードに入るというか。
dEnkA けっこう勢いで作った曲なんですけどね(笑)。
──「ずっとゴールなど造らずに 紡いでいくから」という歌詞も印象的でした。このフレーズって、そのままKNOCK OUT MONKEYに当てはまりますよね。
亜太 そうっすね(笑)。
w-shun どこに向かって進んでるのかはわからないけど、とりあえずいつも全力疾走なんで(笑)、周りの人はヒヤヒヤしてると思いますよ。「そっちに行っちゃダメ」って言われても素直に「はい」っていうタイプでもないし。
──今回の「何も考えずに作る」というスタンスもそうですけど、基本、好きなことを好きにやりまくるっていう。最近は音楽の方向性だったり、プロモーションやイメージ戦略を綿密に組み立てるバンドも多いですけど……。
w-shun よく「メジャーに行ったら好きなことができない」みたいな言い方をするじゃないですか。結局それって、アーティスト本人が勝手にそう思い込んでるところもあるのかなって思うんですよ。“メジャー”ってものを背負いすぎてるというか。実際、メジャーのシーンに身体を置いてみても「全然そんなことないな」って思うし。むしろ加速してますからね、俺らは。そうやって周りを振り回すくらいのほうがいいんじゃないかな、と。
「名探偵コナン」オープニングテーマには賛否両論
──8月にリリースされる「Greed」も、めちゃくちゃ攻めてる曲ですよね。メロディはポップなんだけど、サーフロック、ラウドロックなどのテイストが自由に取り入れられていて。
ナオミチ そうですね。これも夏をテーマに制作してたときにできた曲なんですよ。
w-shun 最初はシングルを2枚リリースする予定じゃなかったんです。まず「Wonderful Life」を出すことが決まったんですけど、僕としては「『Greed』も面白いんやけどな」っていう気持ちがあって。メインのギターリフ自体は、実は3、4年前からあったんです。それを現在の知識量と勢いでカタチにしたっていう。
──ギターソロも爆発してますね。
dEnkA はい、かなり弾いてますね(笑)。
w-shun パワープレイですね。
ナオミチ ホンマに力技やからな(笑)。間奏のパートはベースのスラップから入って、そこから一気にギターが重なってきて。
──「Greed」は「名探偵コナン」のオープニングテーマになっていますが、これは曲が完成した後から決まったんですか?
w-shun そうです。歌詞は書き換えましたけどね。最初はかなり下ネタだったんですけど(笑)、これを(アニメを観る)青少年に聴かしてもしょうがないなって思って。そこまで(「名探偵コナン」の世界観に)寄せたつもりもないんですけど、結果的にはちゃんと主題歌に合ってる曲になったんじゃないかな。せっかくいろんな人に聴いてもらえるのに、俺の下ネタなんかどうでもいいじゃないですか。
──オープニングテーマを担当することを発表したときって、どんなリアクションがあったんですか?
w-shun いやあ、賛否両論でしたね!
亜太 ハハハハハ(笑)。そうやな。
dEnkA 「KNOCK OUT MONKEYらしくない」とか「コナンっぽくない」とか。
w-shun 「(コナンの雰囲気に)寄せすぎてる」とかな。
──両方から責められるんだ?
w-shun そうですね。歴史のあるアニメなので、ファンの方もたくさんいらっしゃるし。しかも、このCDジャケット(水着の女性のイラスト)ですからね(笑)。
──そういう意見については、どんなふうに受け止めてるんですか?
w-shun うーん……。どんな意見があるのかは知ろうとしてますけど、そこで足を取られることはないですね。むしろ、いろいろ言われることを糧にしながらさらに進んでいくくらいじゃないと。今後も山ほどあると思うんですよ、こういうことは。「売れ線に走った」みたいなことも言われると思うし。でも、賛同してくれる人たちも確実に増えてますからね。
──「Greed」も楽曲自体はものすごくアグレッシブですからね。全然守りに入ってるわけではなくて。
w-shun そうなんですよね。しかも、小さい子供が聴いてくれるわけじゃないですか。中には「楽器ってカッコいいな」って思う子もいるかもしれないし、大きくなってライブハウスに来てくれる子もいるかもしれない。そういうロックの衝撃みたいなものを与えられる可能性が少しでもあるんだったら、絶対にやるべきだなって。
dEnkA そうやな。まあ、この曲もライブでやるのは難しいけど(笑)。
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収録曲
- Wonderful Life
- No Ending
ライブ情報
- KNOCK OUT MONKEY TOUR 2014 "INPUT ∝ OUTPUT"(追加公演)
- 2014年7月25日(金)大阪府 なんばHatch
- テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION
- 2014年7月26日(土)東京都 SUMMER STATION LIVE アリーナ(六本木ヒルズアリーナ)
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
- 2014年8月9日(土)茨城県 国営ひたち海浜公園
- RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
- 2014年8月15日(金)北海道 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
- TREASURE05X 2014 SECOND SEASON GET STARTED
- 2014年8月22日(金)愛知県 DIAMOND HALL / APOLLO BASE
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
神戸で結成されたw-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。精力的にリリースを重ね、じわじわとロックファンの注目を集める。2012年にはアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビューし、同年12月にはZebraheadの来日ツアーにゲストアクトとして参加。2014年2月に待望のフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」をリリースした。同年7月に「Wonderful Life」、8月に「Greed」とシングルを2作連続で発売。「Greed」はアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマとしてオンエアされている。