マイクに向かって思い切り歌いながら作る
☆Taku Takahashi フロアでワーッと盛り上がる曲って、いまだにある程度ノイジーなものが好まれるじゃないですか。808(ローランドのリズムマシン・TR-808。通称“ヤオヤ”)のキックが鳴っていて、あとはスネアとクラップだけで成立するところもあるんですけど、今回はそれだけじゃなくて、キラキラしたところも求められると思ったので、足し算、引き算を繰り返しながら作りましたね。僕はまずメロディを発注元に渡すんですよ。その後、声が乗ってから、リフや間奏を作って。今回もそういうキャッチボールがありました。
DÉ DÉ MOUSE 僕もそうですね。デモを送って、キズナさんに歌ってもらってから、声の情報を曲の中でスクランブルさせて遊んだり。
☆Taku Takahashi DÉ DÉさんはメロディをどうやって作ってるんですか?
DÉ DÉ MOUSE 自分で歌いながら作ってますね。鼻歌と一緒にキーボードを弾いて。音符に落としてみないと、成立するかどうかわらないんですよ。僕の場合、サビのフレーズをそのままシンセのメロにするのも好きだから、そういう展開でもいけるように考えて。
☆Taku Takahashi なるほど。僕はパソコンについてるマイクに向かって、思い切り歌いながら作るんですよ。がっつりAuto-Tuneを使って。その姿を後ろから見られて、クスクス笑われたり(笑)。
DÉ DÉ MOUSE (笑)。
カルチャーを届ける媒介としてのキズナアイ
──12月29日には東京・Zepp DiverCity TOKYO、30日には大阪・Zepp Osaka Baysideでワンマンライブ「Kizuna AI 1st Live "hello, world"」が開催されます。DÉ DÉ MOUSEさん、☆Takuさんも出演されますが、どんなライブになりそうですか?
DÉ DÉ MOUSE まだ何をやるか聞かされてないんですが(笑)、ヤバいライブ、楽しいライブになると思います。どんなにすごいことをやっていても、ファンの方が理解できなかったら意味がないじゃないですか。その点、今回のライブが皆さんに喜んでもらえるものになるのは間違いないし、その場所に自分もいられるのはありがたいですね。
☆Taku Takahashi いろいろなアーティストが参加して、まさにお祭りのようなライブになりそうですよね。普段はストリーミングやダウンロードで楽曲を楽しんでいる人たちが1カ所に集まる空間があるのはすごくいいことだし、僕らとしてもうれしくて。ブッキングも大変だったと思うし、このプロジェクトに関わっている方々の力の入れ方が現れてますよね。あとはもうキズナさんがステージで歌うことを楽しんでもらえれば。
DÉ DÉ MOUSE イベントを通して、こういう音楽をあまり聴かない人たちにも届けられると思うし。すごくいい形で音楽やカルチャーを届ける媒介でもあると思うんです、キズナさんは。そういう意味でもキズナさんはオリジネイターだし、このプロジェクトに関われたことはすごく光栄ですね。
──最後にキズナアイの今後に期待すること、一緒にやってみたいことを教えてください。
DÉ DÉ MOUSE また曲を作らせてもらいたいです! 自分本位かもしれないけど、何でもいいから関わらせてほしい(笑)。期待することは……カリスマ的でも“上から”でもなくて、いい意味でユーザーと目線が近いというか。みんなの代弁者ではないけど、共感できる存在であってほしいなと思います。
☆Taku Takahashi 海外向けに英語の歌も一緒に作ってみたいですね。英語で歌えるかどうかわからないけど。
DÉ DÉ MOUSE 学習しますよ。AIですから(笑)。
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Kizuna AI(キズナアイ)からのメッセージ