女子高生が学校帰りの河川敷をダッシュしてるイメージ
☆Taku Takahashi 「こういう感じの曲でお願いします」みたいなリクエストは来ました?
DÉ DÉ MOUSE 「DÉ DÉさんっぽい感じでお願いします」と言われました。今年「be yourself」というアルバムを出したんですが、そのテイストでやってほしいと。
☆Taku Takahashi 「be yourself」は、それ以前の作風からイメチェンしたアルバムですよね。
DÉ DÉ MOUSE そう、だから自分としてもわかりやすくて。「エモい感じでやりたい」という気持ちもあったし、迷うことはなかったですね。僕の曲の基本的なイメージとしては、女子高生が学校帰りの河川敷をダッシュしてるような感じというか……。
☆Taku Takahashi DÉ DÉさん、女子高生の放課後が好きですよね。新しいアルバムにも、女子高生の帰り道の曲があったし。
DÉ DÉ MOUSE そうですね(笑)。自分の夢とか希望を託せるというか、「自分がやりたいことは女子高生に任せちゃいたい」と思ってるところがあるので。
☆Taku Takahashi キズナさん、まだ2歳ですけどね(笑)。
DÉ DÉ MOUSE そう、女子高生じゃないんです(笑)。でも、自分の中ではそういうイメージがあったんですよね。あとは重すぎず、軽すぎず、バランスを取りながら作って。キズナさんが大きい会場で歌って、みんなが幸せになるということも意識していました。
キズナアイ本人が自信を持って歌える曲を作った
──☆Takuさんにはどういったオファーがありましたか?
☆Taku Takahashi 僕は「グローバルに出せる曲をお願いします」と言われたんですよね。僕はアメリカのアニメコンベンションでプレイすることも多いんですが、そこでかけられるような曲を作ってほしいと。あとは今年リリースしたm-floの「the tripod e.p.2」に入っている「MAKE IT BREAK IT」というドラムンベースの曲があって、「あの曲の雰囲気で」という話もあって。最終的には自由にやらせてもらいましたけどね。全体的に、僕らがやりたいクリエイションを尊重していただいたので。
──「キズナアイが歌う」ということに対しては、どんな捉え方をしていたんですか?
☆Taku Takahashi 自分の作品を作るときと、オファーを受けて曲を作らせてもらうときは、アプローチがまったく違うんですよ。自分の作品の場合は、「自分の中からどうやって新しさを生み出すか?」なんですけど、こういうプロジェクトの場合は、演者なりアーティストなりが自信を持って作品を外に出せる、そのお手伝いをすることに徹底していて。もちろん言われた通りに作るのではなくて、こちらからも提案しますが、「そういうモードじゃない」と言われたときは、別の引き出しから違うものを持ってくる。今回の場合は、キズナさん本人が自信を持って歌える新曲を作るということですよね。
DÉ DÉ MOUSE 今☆Takuさんが言われたこと、そのまま曲になってますよね。「キズナさんが歌う」ということがしっかり考えられていて、ドラムンベースで、ワールドワイドで。
☆Taku Takahashi ありがとうございます。途中、すごく悩んだんですけどね。今ってアッパーなものが求められている一方で、それに疲れている人もいて。そういう世の中で、リスニングしやすい曲にアッパーな要素をどう混ぜるかを考えて。
DÉ DÉ MOUSE なるほど。☆Takuさんの曲のメロディをキズナさんが自然に歌っているのもいいなって。彼女らしさを引き出しているし、しかも、すごくエモいですよね。
☆Taku Takahashi エモくなりたかったんですよ、僕自身が。だから起承転結もしっかり作って。
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マイクに向かって思い切り歌いながら作る