Kizuna AI(キズナアイ)が12月29日に東京・Zepp DiverCity TOKYO、30日に大阪・Zepp Osaka Baysideで初のワンマンライブ「Kizuna AI 1st Live "hello, world"」を行う。
キズナアイは2016年12月に活動を開始したバーチャルYouTuber。アニメのキャラクターを想起させるビジュアルとエンタテインメント性に富んだ動画コンテンツによって、彼女は国内外で人気を獲得しており、自身のYouTubeチャンネル「A.I.Channel」の登録者数は2018年12月現在で237万人を突破。7月に初のオリジナル曲「Hello, Morning」を配信したのを皮切りに本格的な音楽活動をスタートさせ、10月から12月にかけて、そうそうたるプロデューサーを迎えて9週連続で楽曲をリリースした。
音楽ナタリーでは、キズナアイに楽曲を提供したDÉ DÉ MOUSEと☆Taku Takahashiの対談を企画。それぞれにキズナアイの魅力、制作した楽曲、ライブに対する期待などについて語ってもらった。特集の最後には、キズナアイ本人による自己紹介や楽曲紹介のコメントも掲載している。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 大橋祐希
キズナアイ自身の魅力が注目されている
──まずはDÉ DÉ MOUSEさん、☆Taku Takahashiさんがキズナアイさんを知ったきっかけを教えてもらえますか?
DÉ DÉ MOUSE 最初はなんだったかな。2ちゃんねるのまとめだった気がしますけど。
☆Taku Takahashi 2ちゃんのまとめ、チェックします?
DÉ DÉ MOUSE むしろそれしかチェックしてないです(笑)。きっかけは覚えてないんですが、最初にキズナさんを観たときは、まず動画の技術がすごいなと思って。これがYouTuberで覇権を取ったら、いろいろ変わるだろうなと。
☆Taku Takahashi 僕は「気付いたときには知ってた」という感じできっかけは覚えてないんですが、最初に観たときは「『メガゾーン23』の世界がついに始まるんだな」と思いましたね。
DÉ DÉ MOUSE この記事を読んでる人、「メガゾーン23」の話わかりますかね?(笑) 僕はわかりますけど。
☆Taku Takahashi テレビアニメ「超時空要塞マクロス」のチームが制作したOVAですね。その作品の中にCGでジェネレイトされたアーティストが出てくるんですけど、それが始まったなと。
DÉ DÉ MOUSE 3Dのモデリングで、あのかわいさを表現しているのはすごいですよね。
☆Taku Takahashi 技術的なことで言えば、決して新しくはないと思うんですよ。同じような手法自体は昔からあって、ほとんどは飽きられましたけど、キズナアイはどんどん大きくなっている。それは手法自体が注目されているというより、本人が面白いからだと思うんですよね。
DÉ DÉ MOUSE そうですね。結局しゃべりが面白いんですよ。
☆Taku Takahashi そこは大事なところですよね。キズナさんのことはコンテンツではなく、1つの人格だと思っていて……彼女はアーティストなのかな? それともアイドル?
DÉ DÉ MOUSE AIのYouTuberです(笑)。これからアーティストにもアイドルにもなれると思いますけどね。まだ2歳ですから。
☆Taku Takahashi 若いですよね(笑)。
オファーはうれしかった
──2018年7月からキズナアイの音楽活動が本格的にスタートしました。お二人は楽曲を提供されていますが、オファーが来たときはどう感じました?
DÉ DÉ MOUSE めっちゃテンション上がりました。自分が作った歌をキズナさんが歌うなんてヤバい!と思って(笑)。すぐに「絶対やりたい」と返事しました。
☆Taku Takahashi 僕もうれしかったんですけど、ちょっと戸惑ってしまって。今回のプロジェクトに参加したアーティストの中で、僕が一番年上だと思うんですよ。キズナアイのファンの方とも少し年齢が離れているし、きちんと理解した上で「自分に何が出せるか?」ということを考えたかったんです。それで1日考えてから、「やります」と言いました。ちゃんと自信を持って「こういうことができます」と言えないと、引き受けられないというか。それはキズナさんに限らず、どんなアーティストのときも同じなんですけどね。
DÉ DÉ MOUSE 年齢で言ったら僕は☆Takuさんの次になると思うんだけど、僕の場合は「ヤバい、やりたい!」だけでしたね(笑)。すごいアーティストが参加することも承知の上だったし、その中に自分が入ることのプレッシャーもあったんですが、とにかく「うれしい」という気持ちが強かったので。もともと僕は「楽しそう」と思ったら、自分にできるかどうかは関係なく、やっちゃうんですよ。キズナさんもそういう性格だと思うんですけど。
☆Taku Takahashi 以前はガーッと突き進むタイプだったんだけど、それで何度も痛い目を見てるんですよ。自分だけならいいけど、周りに迷惑をかけることもあったから、じっくり考えるようになったのかも。ただ、キズナさんのプロジェクトは「やりたい」という気持ちが強かったし、参加しているメンバーを見てもお祭りみたいな感じだなと。自分が提示したものをファンの皆さんに気に入ってもらえたらうれしいですね。
DÉ DÉ MOUSE そう、自分がやりたいことを押し付けるのではなくて、ファンの方に向けて、何ができるかが大事なので。
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女子高生が学校帰りの河川敷をダッシュしてるイメージ