ナタリー PowerPush - 清竜人
どうしちゃったの!? 異色作「MUSIC」に迫る 堀江由衣との対談&単独インタビュー
堀江さんに「良かったね」って言ってもらえるようなライブにしたい
──前回の対談では、清さんが堀江さんのツアーに自腹で行くとお話ししてましたが、どうでしたか?
清 行きました。素晴らしかったです。
──今回のツアーは「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」が軸になっていたし、このツアーを観ていて一番楽しいのは清さんじゃないかなと(笑)。
清 すごく楽しかったですね。内容については……ステージ上で口止めされてたから。
堀江 そうです(笑)。「ネタバレ厳禁」。
清 ライブのストーリーも良かったですけど、やっぱりパフォーマンスがすごい。華があるなあと。
堀江 ありがとうございます。
──ご自身のステージパフォーマンスにも影響があるのでは?
清 そんなそんな、僕のライブは堀江さんと比べるような代物じゃないので。ただ最近はちょっと、今回のアルバムのテイストに寄った、セリフが入ったりするようなライブ形式も試したりしてて、今度7月にやるワンマンもそういうふうになるとは思います。まあ堀江さんに「良かったね」って言ってもらえるようなライブにはしたいなと。
堀江 いやいやいや、私なんかちょっと休んでる……っていうか着替えてる間に(笑)大喜利とかやっちゃう感じですから。全然もう別物ですホントに。申し訳ないぐらいの。皆さん「CHILDISH♡LOVE♡WORLD」では特に燃えてましたね。コールが複雑で難しいから、攻略してやろうみたいな気持ちがみなさんすごく強くて、ほかの曲とは盛り上がり方が違いました。
表現者としてなんでもできる人
──パフォーマーとしては堀江さんが先輩にあたるわけですが、7月のライブに向けて清さんから堀江先輩に訊いておきたいことなどありませんか?
清 先輩ですけど、通ってる高校が違うというか(笑)。同じ枠で見てもらうのは恐れ多いですよ。
堀江 いやいやそれはこちらのほうですよ! もう全然違いますから。以前にライブを拝見させていただいたんですけど、歌声ひとつで場の空気がガラリと変わっちゃうし、本当に心に突き刺さる歌声で。私の場合はもう、できるだけいろんな方に楽しんでもらいたいっていうのだけを考えて、いろいろ小手先じゃないですけど(笑)、どうやったらお客さんに飽きずに観てもらえるかってことだけですから。
──清さんはアーティストとして声だけで十分な説得力を持っていると。
堀江 その上で、今回のアルバムの曲ではちゃんと振り付けまでされてるっていうのがすごいですよね。予想より動きにキレがあるっていうのに正直驚いたんですけど(笑)。
──アハハハハ(笑)。
堀江 あんまり普段の様子からすると、動かないイメージがあるので。
清 ええ(笑)。
堀江 表現者として、なんでもできる人なんだなって思いました。
清 ありがとうございます。でも説得力はないですよ。僕、最近のライブは口パクっていうか、音流してるだけなので。
堀江 それは言わなくていいです!
──なんで方向転換したんですか?
清 単純に踊りながら歌えないからです。
──歌よりも踊りを取ったってことですね(笑)。あくまで作品ありきの考え方?
清 ですね。
竜人のひみつ
──こうやってフランクに話していても、清さんってどうも正体が見えないというか、謎めいてますよね。
堀江 謎めいてますねー。私の第一印象では、100年前に作られた美しいカップで紅茶を飲んでらっしゃるみたいなイメージです。それが、いろんな曲を聴かせていただいたり、ビデオクリップを観たりするとまたいろんな面が見られるというか。ホントはどういう方なんだろうって興味が湧きますよね。
──僕らが取材で訊いても明かしてくれないような気がするので、ここはひとつ、堀江さんに引き出してもらいたいのですが。
堀江 私がですか!? えーと、普段はどんな感じですか?
清 そんな話せるような内容のない……地味な生活を送ってますけれど。
堀江 あ、じゃあお家では紅茶派ですか? コーヒー派ですか? これでもちょっとわかりますよね?
清 イチゴ牛乳かな。
一同 アハハハハハハ(笑)。
堀江 余計わかんなくなった!(笑)
清 僕なんて空っぽですよ。なんにもしてない。明日から沖縄行くぐらいで。
堀江 うらやましい! 旅行はよくされるんですか?
清 普段はそんなに……。この半年ぐらいはアルバム制作でいろいろと予定が詰まってたし。まとまった休みもなかったので、しばらくプラプラしたいなと思ってて。もう音楽やめようかなと。
堀江 えー!? でもそのぐらい、このアルバムに全精力を注いだってことですよね!
清 よく言ってくれました。
──優秀なインタビュアーですね(笑)。
堀江 えへへ(笑)。
CD収録曲
- CAN YOU SPEAK JAPANESE?[編曲:高橋諭一]
- インモラリスト[編曲:a.k.a.dRESS(ave;new)]
- Fall♡In♡Loveに恋してるっ♪[編曲:MOSAIC.WAV]
- おどれどつきまわしたろか[編曲:たかはしごう]
- 雨[編曲:ANANT-GARDE EYES]
- GENERATION GAPなんて言わせない![編曲:川田瑠夏]
- りゅうじんのエッチ♡~ぼくのばちあたりな妄想劇~[編曲:新井健史]
- ゾウの恋[編曲:宮川弾]
- バカ♡バカ♡バカ♡[編曲:橋本由香利]
- ぼくはシンデレラ・コンプレックス[編曲:清竜人]
DVD収録内容
「EMI ROCKS 2012」のパフォーマンスを完全収録
- CAN YOU SPEAK JAPANESE?
- おどれどつきまわしたろか
- りゅうじんのエッチ♡
~ぼくのばちあたりな妄想劇~
ライブ情報
清竜人 MUSIC SHOW
2012年7月24日(火)
東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:30 / START 19:30
料金:1F立見 6000円(ドリンク代別)
清竜人(きよしりゅうじん)
1989年生まれ、大阪府出身の男性シンガーソングライター。15歳でギターを手にし、作曲を始める。16歳のときには早くも自主制作盤を発表。そのクオリティの高さが音楽関係者の間で話題となる。2006年には「TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2006」でグランプリを受賞し、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2006」に出演を果たす。映画「僕の彼女はサイボーグ」への挿入歌提供を経て、2009年3月にシングル「Morning Sun」でメジャーデビュー。同曲はau Smart SportsのCMソングに起用され、スモーキーな歌声とみずみずしいメロディがメディアやお茶の間の注目を集めた。同月発表の1stアルバム「PHILOSOPHY」では、自身の持つ音楽性の幅広さを証明した。その後もシングル、アルバムを精力的に発表し、ライブツアーも定期的に開催。情感豊かなサウンドが幅広く支持されている。
堀江由衣(ほりえゆい)
東京都出身の声優アーティスト。1997年に声優としてのキャリアをスタートさせた後、1998年に歌手デビュー。「ほっちゃん」の愛称で親しまれ、永遠の少女然とした自身のキャラクターと重なるオリジナル音楽作品をコンスタントに発表している。アニメやゲームのキャラクターソングも数多く手がけ、2005~2007年には声優ユニット「Aice5」としても活躍。2009年9月には声優として歴代4人目となる日本武道館公演を2日間にわたって行い、大成功に収めた。2012年1月18日には通算14枚目のオリジナルシングル「Coloring」をリリースし、2月22日には8thアルバム「秘密」を発表。なお、7月よりスタートするテレビアニメ「DOG DAYS'」ではエンディングテーマを担当することが決定している。