「やっとだな」と思っているかもしれません

──アルバム制作の作業を終えて、率直にどんなことを思いますか？

こんなにたくさんの曲を一気に収録することは初めての経験だったので、準備はちょっと大変だったなと思いますね。曲をひと通り聴いてどんな曲なのかイメージしつつ、歌詞を読み込んで。それが舞台を1つやっている最中だったので、舞台と並行しての制作作業は気持ちが揺れてしまう部分もあったりしたんですけど、でも両立はうまくできたと思います。

──両立をするようになって、自分の中で変化を感じることはありますか？

まだ実感がないんです。気付いていないだけかもしれないけど。これからアルバムが発売されて、ライブをやって……お客さんがどう評価してくれるかで変わってくるのかもしれないですね。だから、楽しみです。発売がすごく楽しみなんですよ。

──ちなみに、北園さんの歌手活動について、俳優仲間のリアクションは？

「Long Way to Go」は現場で流れてました。共演者のスマホから。ちょっと恥ずかしいなと思いつつ、「ありがとうございます」と（笑）。でも「いい曲だね」とか「好き」と言ってくれる人も多くて、そういった反応はうれしい限りです。

──ファンの皆さんも、このアルバムで北園さんがどんな姿を見せてくれるのかは、すごく楽しみにしているところだと思います。

「Long Way to Go」を発表したのも、ファンの方にとっては衝撃だったと思いますしね。

──そのときの反応はいかがでしたか？

よかったと思います！ それに、みんな受け入れてくれると信頼していたので、心配はしていなかったです。今回のアルバムも、また新たな一面を見せるものだと思うので、期待していてほしいですね。後悔は絶対にさせないし、この先活動を続けていく中で、「付いてきてよかった」と思ってもらえるような未来を作り上げたいです。

──役を通さない北園涼としてのやりとりも、楽しみだなという感じ？

そうですね。なんなら「やっとだな」と思っているかもしれません。俳優は、役のイメージを大事にする仕事。観てくれる人が作品の世界に入り込みやすいように、芝居に邪魔な要素はできるだけ削ぎ落としたほうがいいと思っていますし、自分の思いやプライベートな側面は隠して役目を果たさなきゃいけない。自分自身として発言する場は個人のイベントなどに限られていたんですけど、今回は自分をステージの上で思い切り出せる。しかも歌を通して。うまく伝えられるかはまだわからないけど、すごく楽しみですね。皆さんに伝わったらいいなと思います。

わかってくれたらいいなと思います。僕が何を伝えたいのか

──今後の歌手活動については、どんなビジョンを描いていますか？

ライブをたくさんしていきたいです。舞台をやってきた人間だからかもしれないけど、直接会って生の音を聴いてもらうのが、一番思いが伝わると思うし。そうした活動が徐々に浸透していって、多くの方に伝わっていって……いずれは大きなホールでライブができたりとか、日本に留まらずに歌が歌えたら、という思いがありますね。

──ファンの皆さんにとってはうれしいことですね。

そうしたいですよね。大きなホールでできるようになったら、演出面なんかも自分のやりたいことがもっと出せるようになると思いますし。もう、行くところまで行くぞ、という気持ちで！

──リリース直後の10月6日にはさっそくワンマンライブが控えていますが、現状どんなステージをイメージしていますか？

一緒に盛り上がる！ということが一番ですけど、いかんせんライブの日程がアルバム発売後すぐっていう（笑）。なので、できるだけ聴いていただいて、一緒にノれたらなと。もちろん僕が引っ張っていくつもりですけどね。あとはそうだな……わかってくれたらいいなと思います。僕が何をやりたいのか、何を伝えたいのか。それが伝わったら、いいライブになるんじゃないかなって思います。

──こうしてお話を聞いてると、ホントにモチベーション高く、やりたいことがたくさんあるんだろうなということが伝わってくるのですが……。

あははは（笑）。

──例えば、今後直接的に曲作りに関わっていきたい、みたいなことも？

したいです！ 作詞作曲。自分の思いを歌に乗せるにはそれが一番の方法だと思いますし、今、必死に勉強してます。

──そうなんですね。

「ギター弾けねえ！」と思いながら練習してます（笑）。ピアノは以前やってたんですけどだいぶブランクがあるので、またキーボード買って練習しないとな、とか。そうしたらライブでの幅も広がりますしね。バラードをピアノで弾き語りしたいですし、できることはなんでもやっていきたいです。

──上京する前の北園さんは、こうして歌手活動をしている未来を想像していましたか？

いや、昔はまったくしてなかったですね。歌は好きだったけど、人前で歌うようになるとは思わなかったです。この活動がまた、地元の人に届いたらいいなとも思います。

──地元でもライブをしたい？

したいですね！ やっぱりツアーは回りたいです。全国いたるところでライブをして、いろんな方に聴いてほしいです。まさに武者修行ですね。