「キスマイ」っていう単語が自然体になってきた

──デビュー3年目の今、Kis-My-Ft2の知名度や人気度は飛躍的に上がり、たくさんの期待の声や叱咤激励の声が届いているかと思います。デビューした頃と今を比べて、自分たちを取り巻く状況が変わってきてるなという感覚はありますか？

玉森　わかりやすいのは、当たり前のことかもしれないですけど、マネージャーが付いてくれたとか。コンサートも着々と大きい会場でやれるようになったり、ツアーも回数が増えたり、徐々に徐々に自分たちの幅が広がってきてるなっていう感じはします。

藤ヶ谷　そうだね。ジュニアのときに比べると確実に知っていただけているので、今までにはなかった世代の人に声をかけてもらったり、番組名で「観てるよ」って言っていただけることがすごい増えた。それは感じますね。あと……まあ俺の考えですけど、「キスマイ」っていう単語が世間の皆さんにとってすごく自然体になってきたかなと。もちろんまだまだな知名度ではあるんですけど、「僕らこういうグループで、略してキスマイっていうんですよ」じゃなくて「あー、キスマイね」って理解される時間がすごく早くなったと思う。キスマイっていう言葉を外から聞くことが増えましたかね。

北山　で、期待値が上がってるから、それに応えていかなきゃいけないなって思います。やっぱデビュー当時よりは絶対に上がってると思う。その期待を返していけないとどんどん衰退してくねって。

──デビュー当初と今で、仕事に対する姿勢が変化した部分はありますか。

藤ヶ谷　根本的にはそんなに変わってないです。まあグループとして常に一生懸命なので。だけど「今この人がこういう発言したってことは、そういうことを考えて言ったんだな」とか「この人はこの番組ではこういうキャラクターで行きたいんだな」とか「じゃあこうしたほうがこの人のキャラクターが生きるんじゃないか」とか、そういうバランスをより一層考えるようになりました。

──そもそもデビューするときって、どんな未来を想像していましたか？

玉森　先輩たちを見てたので、ああいうふうになりたいとは思ってました。いろんなテレビに出るとか、いっぱい曲を出すとか、そういう漠然としたことしかわかんなかったですけどね。

──当時思い描いていた自分に今なれていると思います？

玉森　どうなんですかね。けっこう探り探りなところもあるし、まだまだこれからじゃないですかね？

北山　俺は、すごい小さな一歩かもしれないけど、なってると思いますね。MCもそうですし、パフォーマンスも、芝居も。俺は突発的なことじゃなくて、コツコツのほうがいいなと思ってて、ちゃんと実力付けていきたいんですよね。だから仕事内容も、小さなことでも経験になるからやろうっていうものが多いなと思います。

──デビューしてさまざまな人と関わるようになり、見ていて勉強になった人がいたら教えてください。

北山　中居（正広）さんですね。俺がいまだに覚えてるのは、デビューして一番初めに「黒バラ（中井正広のブラックバラエティ）」出たときに、「北山、おまえ頼むよ」って言われたの。それがすごいプレッシャーだった（笑）。それはすごい印象に残ってるかも。

舞祭組のMステ観ましたからね

──ところで北山さん、藤ヶ谷さん、玉森さんは、舞祭組というユニットをどう見ていますか？

玉森　舞祭組、すごいいいと思う。本当に俺らも応援してるし、もっと両方を知ってもらえれば、キスマイも舞祭組もよりいいんじゃないかなと。

北山　うん、すごいいいと思いますよ。いいというのは舞祭組ってパッケージがまずいいよね（笑）。やっぱりジャニーズでやってないことをやったほうがいいよねって俺も思うし、彼らも今チャンスだってわかってるだろうし。デビューしてもちゃんとそういうのをわかって、ギラギラできてるのはいいことだと思います。

藤ヶ谷　すごくキャラクターも立ってますし、何より中居さんにやっていただけたことで、中居さんの気持ちだったりセンスだったり、やっぱり力を感じましたね。それに4人が一生懸命応えてることで成立するというか。タイトルがどうとかっていうことを二の次としても、作品をプロデュースしてくれる、それを一生懸命やるっていうのがまず根本にあって。ただただふざけるだけじゃなくて、歌詞にしろ振りにしろ応援したくなる面白さがあると思う。しかも誰も嫌な気持ちにさせずに。そういう方向に持ってきた中居さんがすごいなと思いますね。

──舞祭組の活動をテレビで観たりはするんですか？

玉森　観ますよ。俺、この間の「Mステ（ミュージックステーション）」観ましたからね（参照：「Mステ」に家入、AKB、三代目、SMAP、ナオト、舞祭組）。がっつり1時間。

──舞祭組について4人と何か話したりは？

北山　俺はそんな直接は。

藤ヶ谷　4人いっぺんじゃないけど、渉とよく一緒にいるんで渉とは話します。なんか珍しく「緊張する」とか「歌どうしよう」とか、そういう姿を見れたので俺的にも新鮮で面白かったですし、うれしかったです（笑）。

玉森　俺もそんなに聞くことはないですけど、横尾ちゃんはメール来ますね。「今日Mステだったよ」とか来て「観てたよ。おつかれ」みたいな、そういう会話。

これからも挑戦し続けたい

──キスマイの来年の目標を教えてください。

北山　レギュラーの維持と、もしいければ全国放送のゴールデン番組。そしたら自然とライブをするにもサイズが大きくなってくるかなとは思います。

藤ヶ谷　俺は7人で映画とかやってみたいかな。例えば「キスマイBUSAIKU!?」とかけて恋愛オムニバスみたいな……。女性とのキスシーンや別れのシーンは誰かがプロデュースしてカット割りとかセリフを決めたりして、それが1本の映画になったら面白いかなと思って。

玉森　具体的にはわからないですけど、やっぱりこれからも挑戦はし続けたいなと思ってます。みんなの記憶に残るものだったり、記録になったり、毎年毎年キスマイって挑戦し続けてるよね、すごいよねって思ってくれるようなことをし続けたいですね。

──なるほど。個人として来年やりたいことはありますか？

北山　うーん……。正直バックパッカーやりたいな、また。

──ああ、日本テレビの「J's Journey」で1人でインドを横断しましたね。

北山　インドっていうか海外行きたい。

──海外に行って学ぶことってやはり多かったですか？

北山　うん、多かったですね。まあ人と話すのも自分からコミュニケーション取らなくちゃ何も始まらないっていうこととか。

──玉森さんはどうでしょうか。

玉森　フルマラソン出たいです。これはずっと言い続けてます。

──練習してるんですか？

玉森　してないです。

──じゃあなぜ？

玉森　友達がやっていて、世界観が変わるから走ってこいって言われて。ただ無謀に言ってるだけです（笑）。

──藤ヶ谷さんは？

藤ヶ谷　やってみたいことは常にありますけど、お芝居が好きなので、ドラマと映画は特にやりたいですね。いろんなお仕事があるから難しいですけど、1つのものにできるだけ自分の時間をかけて作品を作ってみたいなと。

──デビュー前から俳優活動には積極的でしたが、芝居に対する思いはより深くなっているんですか？

藤ヶ谷　より難しいなとは思ってますね。できないな、わかんないなっていう感じもやればやるほど強くなりますし、同時に面白いな、好きだなっていうほうも強くなります。で、ほかにやることも増えてきたので、バランスよく柔軟にいかなきゃいけないんだなっていうのは、最近自分の中でもよくぶち当たるとこなんです。今年はそういう柔軟性を鍛える年なのかなっていうのも感じました。

──わかりました。ナタリーの読者には、まだキスマイのことをよく知らないという音楽ファンも多いと思います。最後にその方々に向けてメッセージをお願いします。

藤ヶ谷　自分も偶然聴いた曲……例えばカラオケで誰かが歌ってた曲を「ちょっと聴いてみようかな」と思ってチェックしてみたらすごくハマったこともあるので、やっぱり音楽にはすごく大きい力があると思います。キスマイは「Luv Sick」と「SNOW DOMEの約束」みたいに、1つのものにハマらずに、いろんなジャンルをきっとこれからもやっていくと思うので、なんかどっち付かず……とかではなく、いろんなことをやるなって思ってもらいたいですね。それで別に好き嫌いがあってもいいと思うので、まずは「あ、いろんなことやってるなこの人たち」とだけでも認識していただければうれしいかなと思います。