King Gnu|これが俺たちだ 雑音を振り払う4人の所信表明

でっかく打ち上げなきゃ終われない

──ライブで「Flash!!!」を演奏しているときのお客さんの反応はどうですか?

常田 今の形になる前からお客さんの反応はすごくよくて。曲の変化を間近で見てもらってます。なのでこうして配信リリースして、改めて聴いてもらうことがなんだか面白いですね。

井口理(Vo, Key)

井口 この曲を1曲目に披露するといきなりトップギアに入る感覚はありますね。お客さんのテンションも上がる。

──「ブレーキは折れちまってんだ」「歯止めは最早効かねえんだ」など歌詞にも勢いを感じるワードが満載ですが、テーマとしては「一瞬の光」について歌っているのかなと思いました。

常田 歌詞もストレートと言うか等身大ですね。アルバムをリリースしたときよりもさらにストイックになった自分たちへの言葉でもあって。メッセージ性の強い歌詞のように受け取られがちですけど、思ってることを言ってるだけですね。

井口 カッケー! 俺も歌っててカッコいいなーって思ってる。

──常田さんが自分を出していますよね。生き様のようなものを。

常田 憧れもありますね。酔っ払ったら“一瞬の光”を放つ理に対してとか(笑)。

井口 最後は燃えカスになるけど(笑)。

勢喜 ブレーキが壊れちまってる(笑)。

新井 歯止めが効かないところがあるよね。

常田 俺の周りにはそういうやつが多いし、そういうやつが面白い。なので「Flash!!!」は仲間への曲でもあります。自分の願望でもあるし、日常の美意識にも通じてます。

──日常の美意識ですか。

常田 野心的と言うか、何かかましてやろうぜって思ってるような人種が周りに集まってて。そういう勢いが歌詞にも反映されてると思います。King Gnuのスタンスにも通じてるのかな。何かでっかく打ち上げなきゃ終われないとも思ってるし。

新井和輝(B)

新井 遊が悲しい顔してるよ。終わるとか言うから。

常田 姿勢としてはってことよ? なので、この歌詞には誰かをどうにかしたいというメッセージがあるわけではないんです。

──でも、聴いた人が救われるような気持ちになる曲だと思います。

常田 そうですね。だから閉じてないと言うか、聴く人が各々で感じてもらえるように具体的なことを描いていないです。

──なるほど。

常田 最近バンドの知名度がちょっと上がってきたせいか、いろんなところでいろんなことを言われるんですよ。別に批判じゃなく褒められてても、そのことにうんざりすることがあって。だから今このタイミングで「King Gnuはこういうグループだぞ」っていう曲が作れたのはとてもよいことなのかなと、俺の中ですごく腑に落ちてるんです。「とりあえずこの曲を聴いてくれ」って言える1曲ができて、自信にもなりました。改めてこのバンドはすごくカッコいいなと思えたし、それがすごくうれしいですね。

演奏シーンに一番説得力がある

──「Flash!!!」のミュージックビデオは、King Gnu史上初めてメンバーの演奏シーンをフィーチャーした映像になっていますね。

常田 余計なストーリーを入れたくなかったんです。ストーリーを必要としないくらい言葉が強い曲なので、演奏シーンに一番説得力があると思います。

井口 ストーリーがあるMV以上にストーリーを感じる仕上がりだと思います。内容が濃い。

常田 歌詞が強い言葉になっているからだと思います。作るべくして作ったMVって感じがします。

──King Gnuがどういうバンドなのかよくわかる仕上がりになっていると。

常田 そうですね。だから観る人にどう受け取ってもらえるのかすごく楽しみでもあり、自分の中で腑に落ちている分、反響はどうでもよいとも思っていて。自分たちがしっくりきてることが一番ですから。

──撮影はいかがでしたか?

勢喜 「Flash!!!」は今までで一番体力を使う曲なので、撮影で何回も演奏してめちゃくちゃ疲れました(笑)。

──じゃあライブでも1曲目に披露して、いきなり体力を消耗するんじゃないですか?

勢喜 そう。1曲目で体力が全部なくなっちゃうような、ギリギリの状態で次の曲に行く感じです。

常田 この曲はメンバー全員疲れるんじゃない? 歌もしんどいし。でもCGやアニメを差し込んだので全体的な制作は大変だったけど、撮影自体はそんなに時間かからなかったんじゃないかな。

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1つ夢が叶いました

King Gnu「Flash!!!」
2018年7月13日配信リリース / PERIMETRON
King Gnu「Flash!!!」
収録曲
  1. Flash!!!
イベント情報
King Gnu One-Man Live 2018 "Flash!!!"
  • 2018年7月13日(金) 東京都 LIQUIDROOM(※ソールドアウト)
  • 2018年7月16日(月・祝) 大阪府 Shangri-La
King Gnu(キングヌー)
King Gnu
2015年に結成された、東京藝術大学出身のクリエイター・常田大希(Vo, G)が率いるミクスチャーバンド。常田、勢喜遊(Dr, Sampler)、新井和輝(B)、井口理(Vo, Key)の4人体制になったのち、2017年5月にバンド名をSrv.VinciからKing Gnuに改名した。同年10月に1stアルバム「Tokyo Rendez-Vous」を発表し、2018年1月には初のワンマンライブを開催。7月13日に配信シングル「Flash!!!」をリリースするほか、東京・LIQUIDROOMと大阪・Shangri-Laでワンマンライブ「King Gnu One-Man Live 2018 "Flash!!!"」を行う。また7月からフジテレビ系ノイタミナ枠で放送のテレビアニメ「BANANA FISH」のエンディングテーマに、書き下ろしの新曲「Prayer X」が使用される。夏には「FUJI ROCK FESTIVAL」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL」、「Sweet Love Shower」など多くの音楽フェスやライブイベントへの出演が決定している。