ナタリー PowerPush - 木村カエラ
大人になったカエラが歌う“幸せ”の形 7thアルバム「Sync」
歌は人の心を揺るがしてなんぼのものだって
──ところで「Sync」というタイトルはどういう意味なんですか?
これはシンクロっていうことです。どんな私も私であるっていうところで私自身がシンクロしてる。ジャケットもそういう意味が込められてます。あとは聴いてくれた人と私の歌がシンクロすればいいっていう思いもあって。
──その、私は私っていうところと、人とつながりたいっていう思いを両立させるのって難しくないですか?
うん、でも両立させたいんだと思います。私はやっぱり人が好きだし、相手のことを考えちゃう気持ちが根本にあるので。それなのに好きなことをやりたいっていう(笑)。
──欲張りなんですね。
そうなの(笑)。今はその両方をやろうとしてるんですよね。例えば写真とかアートワークとかはやりたいようにやる。でも歌に関しては人の心を揺るがしてなんぼのものだなって思うから、人とのつながりだったり、自分が歌ってる意味だったりもちゃんと考えてやっていきたいんです。
今だったらホールツアーも怖くない
──年明けからはまた全国ツアーが始まりますね。
そうなんです。しかも5年ぶりのホールツアーなんですよ。前回のときは「えっ、ホール!?」みたいな感じだったんですけど、やっぱり大人になってきたら、そう感じたのは自分の器が足りてないせいだったってわかった(笑)。今だったらできるんじゃないかって思うので、それが楽しみなんです。
──ホールのどこに苦手意識を感じてたんですか?
ただでさえ自分の中で生きてた人間だから、席があって1人1人に立って観られてると、なんか透明な壁があるみたいな感じがしてたんですよね。「観ないで!」って感じになっちゃう(笑)。
──「遠巻きに眺めてないで」みたいな(笑)。
当時はもちろん必死でやってたし、ちゃんと届けたいと思って1回1回がんばってたけど、今思うとあのときの自分はまだ足りてなかったですね。
──じゃあ今はもう怖くない?
怖くないです、全く。むしろどうやって盛り上がってもらおうかなって思ってます。そして1人1人の奥の奥まで伝えられるようにって。自分がどこまでいけるか楽しみだし、すごくワクワクしてますね。
WONDER Volt / 木村カエラ
- ニューアルバム「Sync」/ 2012年12月19日発売 / 日本コロムビア
- Amazon.co.jpへ
- Amazon.co.jpへ
- 初回限定盤[CD+DVD] 3675円 / COZP-743-4 / Amazon.co.jpへ
- 通常盤[CD] 3150円 / COCP-37725 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
- マミレル(プロデュース:AxSxE[NATSUMEN])
- HERO(プロデュース:高本和英[COMEBACK MY DAUGHTERS])
- Sun shower(プロデュース:ミト[クラムボン])
- coffee(プロデュース:飛内将大)
- Hello Goodbye(プロデュース:ジム・オルーク)
- sorry(プロデュース:Jhameel)
- MY WAY(プロデュース:今谷忠弘[ホテルニュートーキョー])
- Synchronicity(プロデュース:AxSxE[NATSUMEN])
- so i(プロデュース:ミト[クラムボン])
- Merry Go Round(プロデュース:蔦谷好位置)
- Cherry Blossom(プロデュース:AxSxE[NATSUMEN])
- WONDER Volt(プロデュース:渡邊忍[ASPARAGUS])
初回限定盤DVD収録内容
- マミレル -music video-
- Sun shower -music video-
- so i -music video-
- Sun shower -making movie-
木村カエラ(きむらかえら)
1984年生まれ、東京都出身の女性シンガー。テレビ番組「saku saku」への出演をきっかけに、2004年6月にシングル「Level 42」でメジャーデビューを果たす。2005年3月発売の3rdシングル「リルラ リルハ」が大ヒットを記録したことで一躍全国区の人気を獲得。2006年には再結成したサディスティック・ミカ・バンドにボーカルとして参加した。2007年6月には初の日本武道館公演を成功させたほか、2009年7月には横浜赤レンガパーク野外特設ステージにてデビュー5周年記念ライブを開催し約2万2千人を動員。2010年2月には初のベストアルバム「5years」を発表している。キュートで先鋭的なファッションやそのライフスタイルは女性からの支持も厚く、CM出演なども多数。2012年12月には7thアルバム「Sync」をリリース。