ナタリー PowerPush - killing Boy
暗い現実を見つめながら フィジカルで踊れる音楽を作りたい
僕の歌詞はたぶんもう変わらないんで
──はい。で、アルバムの1曲目から意志的だなあと思ったんですよ。イントロがベース始まりで。
日向 これはもう、「わかるでしょ?」っていう感じで1曲目にしましたけど(笑)。
木下 何かが始まってるでしょ、みたいな。
──しかもこの1曲にバンドのほとんどの要素が入ってますよね。
木下 はい。
──ベース始まりで、しかもラテンパーカッションのようなリズムも入ってて。こういうリズムはトレンドでもあるけどそこはあまり関係ないんですか。
木下 あー、VAMPIRE WEEKEND的な? それっていうよりもどっちかっていうと、僕、そのときTALKING HEADSとかをすごく聴いてて、音もそんな感じだったんで(笑)。どっちかといえばアフリカ音楽の感じがある、そういう先人たちを聴いてて、トレンドはまったく意識してなかったですね。
──これがバンドとしての意志表明だというのをすごく感じます。
日向 ありがとうございます。
──でもファンクネスだけにこだわってるワケではなく、中には8ビートの曲もあり。
木下 そうですね。でもけっこうギャグというか、「Confusion」の仮タイトル、「オイ(Oi)パン」でしたからね。
──これ、打ち込みですか?
木下 いや、デッドな音像で作っただけで。
日向 (笑)。打ち込み?と思わせるぐらいの感じでやろうっていうのがテーマですね。
木下 ちょっとからかってやろう、みたいな(笑)。それがライブだとわかりやすくみんな手を挙げて盛り上がってるんで、複雑な気持ちになりますよ(笑)。
──人が悪い(笑)。そして木下さんの書く歌詞はどこでも変わらないんだなと思いました。
木下 そうですか? killing Boyはちょっとクスって笑えるところを作りたいと思ったんですけどね。
日向 俺は鋭い感じがします。昔の理樹っぽいというか。
木下 なんでしょうね……僕の歌詞はたぶんもう変わらないんで、はい。
CD収録曲
- Frozen Music
- Call 4 U
- cold blue swan
- xu
- Perfect Lovers
- 1989
- black pussies
- Confusion
- Sweet Sixteen
killing Boy(きりんぐぼーい)
木下理樹(Vo,G,Syn / ART-SCHOOL)と日向秀和(B,Syn / ストレイテナー、Nothing's Carved In Stone)により2010年に結成。伊東真一(G / HINTO)と大喜多崇規(Dr / Nothing's Carved In Stone)がレギュラーサポートメンバーとして参加。2010年12月31日「COUNTDOWN JAPAN 10/11」にて実施した初ライブは、満員の観客に驚きと興奮をもって迎えられた。木下主宰レーベル“VeryApe Records”より初音源「killing Boy」を2011年3月にリリース。